手や指のしびれ~腱鞘炎~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』では、腱鞘炎について特集されていました。腱鞘とは何かから始まり、腱鞘炎の症状や原因、そして自己診断の方法や治療法などについて詳しく伝えられていました。
解説をするのは、整形外科で手指の病気やけがの診療が専門の、横浜労災病院の三上容司副院長です。

 

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「ばね指」とは

編み物が趣味の60歳の女性は、3ヶ月前に右手親指に痛みを感じるようになりました。最近では痛みに加えて腫れ、そして親指が曲げにくくなり、強い力を入れると指がひっかかったり、カクンとはねるようになりました。
医療機関で受診し、「ばね指」と診断されたそうです。
ばね指の画像ですが、他の指は伸ばせているのに、中指だけ開く前に指がひっかかったようになっています。このあと強い力を加えると、指がカクンとなってから開きます。指がスムーズに動いていません。

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きょうの健康より

ばね指について三上副院長は、
「腱鞘炎が進行すると起こる症状。Aさんのケースでは3ヶ月前の親指の痛みは初期症状であり、それを放置したので腫れが出て、腱鞘炎(ばね指)に進行したと思われる。腱鞘炎は放置すると関節が固まって伸びなくなる、すなわち治らなくなる可能性もあるので、悪化する前に早めの受診が大事だ」
と解説します。

 

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腱鞘炎が起こりやすい人

「手指をよく使う人」
パソコンを使う、楽器の演奏、文字の書きすぎ、手をよく使う仕事など

「更年期以降の女性」、「妊娠・出産期の女性」
女性ホルモンが影響している疑い

「糖尿病の人」、「関節リウマチの人」、「人工透析を受けている人」

以上のような人たちに腱鞘炎が起こりやすいそうです。

 

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腱鞘(けんしょう)とは

手には、手首から指先にかけて、丈夫な紐のような組織で、手指の骨と筋肉をつなぐ「腱」が通っています。腱が動くことで手指の曲げ伸ばしが可能になっているとのことです。
この腱が骨から離れないように、ところどころでバンドのような組織で押さえられていますが、これが「腱鞘(けんしょう)」なのだそうです。指を曲げ伸ばしするとき、腱は腱鞘の中を行ったり来たりしますが指の腱鞘が何らかの原因で厚くなったり硬くなったりすると、腱と腱鞘がこすれて炎症が起き、痛みや腫れといった症状が起きます。これが「腱鞘炎」なのだそうです。

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きょうの健康より

腱の腫れがさらに進むと、その部分が腱鞘にひっかかり、指がスムーズに曲げ伸ばしできなくなるというのです。それでも腱が腱鞘を無理やり通ろうとすると、指がカクンとはじけたようになってしまいます。これがはね指が起こる原因だそうです。
ばね指になりやすい指について三上副院長は、
「すべての指に起きるが、最も起こりやすいのは親指で、全体の半分を占めている。次いで中指、そして薬指だと言われている」
また「手首の腱鞘炎」については、
「ドケルバン病といって、親指の付け根、手首辺りに痛みと腫れが出る。特に親指を広げたり反らしたりすることで、強い痛みが生じるのが特徴だ」
と解説します。

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きょうの健康より

 

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腱鞘炎かどうか確かめる方法

<腱鞘炎「ドケルバン病」のチェック>
①親指を他の指で包むように軽く握る

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きょうの健康より

②親指を上にした状態からゆっくりと手を下に傾ける

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きょうの健康より

③伸ばされた手首の側(画像中、人差し指で指示されている部分)に強い痛みがあれば「ドケルバン病」の疑いがある

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きょうの健康より

<医療機関での腱鞘炎の診断>
まず問診をして症状を詳しく聞くとともに、触診で実際に痛みのあるところ(腱鞘のある部分)を触ります。
また最近では超音波検査も行われているとのことです。特に「エラストグラフィー」と呼ばれる特殊な超音波検査は、組織の硬さまでわかるもので、赤い部分は組織が柔らかく、青い部分は硬いという性質があるそうです。

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きょうの健康より

画像では腱鞘の部分が青く見えるので、硬くなっているということになります。

 

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腱鞘炎の治療

腱鞘炎の治療の主なものは

安静

手術

の3つに大別されるそうです。
安静が基本で、薬で治療し、それでも治らない場合は手術になるということです。

<安静>
腱鞘炎だからといって、手を使わないわけにはなかなかいきません。そこで三上副院長は、
「どうしても手を使いたいときは、例えばAさんのケースでは編み物以外の作業はできるだけ我慢するなど、優先順位をつけてはどうか。もしくは、他の動作で反対側の手でもできることは反対側の手で行い、長時間手を使うときは適度な休憩をとる」
ということを提案していました。また、ドケルバン病については、
「サポーターをつけることにより手首の動きを抑え、症状を和らげることができるので、サポーターが有効なこともある」
と述べました。

<薬>
痛み止めには「塗り薬」、「貼り薬」、「のみ薬」があります。貼り薬というのはいわゆる「湿布」のことですが、温かい湿布でも冷たい湿布でも炎症を抑える作用は同じなのだそうです。ただ、一般的には炎症や腫れがひどいときには温かい湿布は避けたほうがいいとされているそうです。
さらに痛みが強い場合には「ステロイド注射」をするそうです。炎症が起こっている腱鞘内に直接注射するとのことです。ステロイド注射を行う場合には「局所麻酔薬」を混ぜて注射をします。
ステロイド注射の効果について三上副院長は、
「炎症が抑えられるので、2~3週間以内に症状が改善し、その効果は3~6ヶ月続くことが多い。ただし糖尿病の人はステロイド注射により一時的に血糖値が上がることがあり、また糖尿病患者はそもそも感染しやすい傾向があるので、ステロイド注射でさらに感染を引き起こすことが考えられ、注意が必要だ」
としていました。
1回の注射で痛みが治まらない場合は、ある程度間隔を空けて再び注射するそうです。あまり頻繁にステロイド注射をすると、腱が切れてしまうこともあるとか!恐ろしいですね。

<手術>
ステロイド注射をしても再発するときは、手術をすることになるそうです。
手術の内容ですが、局所麻酔をかけて、腫れて厚くなった腱鞘を切り開きます。所要時間は10~20分とのことです。腱鞘を切り開いてしまったら、腱がずれてしまうことはないのかと心配になりますが、三上副院長は、
「他に正常な腱鞘が残っていれば手の機能には問題がない」
また手術後の注意点としては傷口が治るまで1ヶ月ぐらいは使いすぎないことだとしていました。

<腱鞘炎が疑われるときはどの科で診てもらうか>
整形外科、手外科など、手に詳しい専門家がいるところ
日本手外科学会というものがあり、そこに手外科の専門医が所属しているとのことです。

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腱鞘炎のときは、やはり手の専門医に診察してもうのがよいとのことで、番組でも紹介されていた「日本手外科学会」について調べてみました。公式ウェブサイトは次のとおりです。
http://www.jssh.or.jp/ippan/index.html
このウェブサイト内で全国の手外科専門医840名の名簿(http://www.jssh.or.jp/ippan/senmon/senmoni-meibo_hokkaidou.html)が公開されているので、腱鞘炎が疑われる方はお近くの専門医を探してみられてはいかがでしょうか。診療科として「手外科」を標榜しているところは少なく、整形外科に手外科専門医がいるケースが多いようです。

まとめ

三上副院長は、
「腱鞘炎は最初は痛みから始まるが、進行してばね指の症状が出る。適切な治療で改善するので、放置せずに早めに整形外科や手外科を受診してほしい」
と呼びかけていました。腱鞘炎の治療の基本は「安静」とのことなので、痛みが出たら、手術が必要なまでに進行しないよう、手をできるだけ使わないようにして休ませたいものですね!


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