ダイエットの新常識~ポッコリお腹や脂肪肝を改善~ガッテン!より

 

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「メタボリックシンドローム」という言葉、聞いたことがありますよね。
放置しておくと糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、腎不全などの体の不調を引き起こすことなどは、すでに常識になっています。

しかし、それがわかっていても「ダイエットは面倒だから嫌だ」という人も多いのではないでしょうか?

そんな人にとって朗報となる新事実が、近年明らかになりました。
体のある部分にピンポイントで働きかければ、ダイエットの際のストレスを最小限にとどめながら、血圧や血糖値、コレステロールなどの異常を改善させることができ、体重を減らすこともできるそうです。

しかも、この事実は国が日本中で行ってきた研究データに基づいているため信頼性も高く、実施した人の約8割が減量に成功しているそうです。

今回は、健康面に配慮してダイエットをしている人にとって役に立つ情報を紹介していた『ガッテン!』を中心に、情報をまとめていきたいと思います。

メタボリックシンドロームとは

「メタボ」という言葉が一般に知れ渡るようになったのは、今から約13年前に内閣府が積極的にCMをうったことがきっかけだそうです。そのときに紹介された情報によって、「メタボというのはお腹周りが大きいこと」という認識が常識として広がっていますが、実はそれだけでは不十分です。

おへそ周りが、男性なら85センチ以上、女性なら90センチ以上であることに加えて、「高血圧」「高血糖」「脂質異常」の3つのうち2つ以上当てはまる人がメタボリックシンドロームであると定義されます。(そのうち1つだけならメタボ予備群とされます。)

下の画像は、メタボリックシンドロームの男性のお腹をMRIで撮影した断面図です。

ガッテン!より

赤い部分が内臓脂肪です。メタボリックシンドロームの人は、これだけの脂肪がお腹の中についてしまっているのです。

 

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メタボと肝臓の関係

6人のメタボ男性が3週間、新情報に基づいたダイエットを実行した結果、体重の減少は1キロ〜2キロほどにとどまりましたが、コレステロール値や血圧等の数値が大幅に改善し、人によっては正常の範囲内にまで下がったそうです。つまり、メタボリックシンドロームではなくなったということです。

実は、今回ダイエットの実験に参加した6人のメタボ男性は、全員が脂肪肝でした。お酒を飲まない人でも、メタボリックシンドロームになると脂肪肝になっている場合が多いそうです。

被験者のひとりが検査で肝臓についている脂肪を調べてみると「291」という数値が出ていました。この数値は中程度の脂肪肝であることを示しているので、かなり進行しているということです。この方がダイエット開始2週間後に計測すると数値が258まで改善し、15日後には222まで下がりました。この数値は正常値なので、たった15日で脂肪肝が改善されたということです。

メタボの大きな要因となるのは、内臓のまわりにつく脂肪です。内臓脂肪からは悪玉ホルモンが出るため、内臓脂肪が増えると体の中に糖や脂質が多い状態になります。このため、「メタボの人はお腹周りの無駄な肉を減らすべき」ということは常識となっていますが、肝臓は注目されていませんでした。

肝臓の脂肪は内臓脂肪には含まれませんが、肝臓に脂肪がつく脂肪肝という状態とメタボが大きく関わっていることを、金沢大学医学部の篁俊成教授のグループが発見しました。

篁氏によると、脂肪だらけになった状態の肝臓からは、ホルモンの1種である「ヘパトカイン」という物質が分泌されるそうです。ヘパトカインは全身の筋肉に働きかけて、エネルギーである糖や脂肪を取り込みづらくしてしまいます。

マウスにヘパトカインを投与して運動させる実験では、投与されたマウスは通常のマウスに比べてすぐに疲れてしまうようになるそうです。さらに、運動で筋肉を動かしても糖や脂肪が使われづらくなるため、太りやすい体になってしまうというのです。つまり、脂肪肝はメタボ体質への引き金を引く役割を果たしているということです。

篁氏は「運動の効果を調節する因子が体の中にあることがわかった。人間でもヘパトカインのレベルが高いほど運動の効果を邪魔していることを確認した」と話していました。
毎年4000人の精密検査を行っている横浜市立大学医学部の中島淳教授も「肝臓に脂肪がたまった状態を放置すると、様々なメタボリックシンドロームを引き起こすことがわかっている」と話していました。

しかし、自分が脂肪肝であるかどうかは、エコーなどの特殊な検査を受けないとわからないため、気づかない人も多いといいます。この検査は、健康診断の血液検査などで数値に異常がある場合のみ保険が適用されるもので、専門機関でないと正確な検査が難しい検査だそうです。

“脂肪がたまる”とは

体内で“脂肪がたまる”とはどういうことかを知れば、今回の情報を深く理解できるようになります。少し複雑な話にはなりますが、ダイエットには必須の知識ですので参考にしてみてください。

食べたものが中性脂肪になるまで

食事で摂った脂質は小腸で吸収され、肝臓で脂肪酸に分解されます。そして、ブドウ糖(グルコース)から作られる「グリセリン(グリセロール)」を中心にして3個の脂肪酸が結合すると「中性脂肪(トリグリセリド)」になります。
このように、中性脂肪という形で体内に蓄えられることが“脂肪がたまる”と表現されます。

中性脂肪について

中性脂肪はエネルギーが不足した際の予備として蓄えられています。エネルギー不足になると、リパーゼという酵素の働きによって脂肪酸が切り離され、血中に放出されます。放出された脂肪酸は血清中のアルブミンというタンパク質の力を借りて必要とされる細胞に到着し、細胞内のミトコンドリアに取り込まれ、エネルギーとして使われます。
しかし、現代の生活においてはエネルギーが枯渇し続ける状態はあまりなく、むしろ過剰に糖質や脂質を摂ることが多いため、肥満や脂肪肝などになる人が増えているのです。

そんな現代だからこそ、逆に栄養不足で脂肪肝が生じることもあります。誤った知識に基づく極端なダイエットでタンパク質が不足すると、肝臓に蓄えられた中性脂肪が血液中に排出しにくくなるため、痩せていても脂肪肝になってしまいます。
流行りの「糖質制限ダイエット」にも注意が必要です。極端に糖質を摂らなくなると体はエネルギー不足に陥るため、筋肉に含まれるタンパク質を糖質に変換してエネルギーに代用します。するとタンパク質も不足状態になり、肝臓の中性脂肪が利用しづらくなるため、脂肪肝になってしまうのです。

食事を摂る際の工夫

食事の摂り方を少し工夫することで、中性脂肪を蓄えづらくすることができます。
食べ物を飲み込んで血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。インスリンは余った糖を中性脂肪として蓄える働きがあるため、血糖値の上昇はなるべく緩やかにするべきです。
「野菜→肉・魚→お米・パン(炭水化物)」の順番でよく噛んで食べれば、血糖値の上昇が穏やかになり、インスリンの分泌が抑えられ、中性脂肪が蓄えづらくなります。

ブラックコーヒーを飲んでから運動をする

コーヒーに含まれるカフェインには、先述したリパーゼの働きを活発にさせる作用があるので、コーヒーを飲んでから運動をすると効率よく脂肪を使うことができるそうです。
筋肉が消費するカロリーは、筋肉中に蓄えられているグリコーゲンなどの糖類と、体脂肪が分解されて血液中に溶け出している脂肪酸の2種類があります。
まずはグリコーゲンが使われるので、短時間の運動では脂肪酸が使われることはありません。脂肪酸を使うには、まずは中性脂肪を分解する時間が必要なので、15分程度運動をした頃に初めて、血液中に出回りだして、筋肉が脂肪酸をエネルギーとして使うことができるようになります。
コーヒーを飲んだ後に血液中の脂肪酸の量を調べると、水しか飲まなかった場合に比べて2倍程度にもなるといいます。
このため、砂糖などを入れないブラックコーヒーを飲んでから20〜30分後に、ウォーキングやランニングなどの比較的軽い負荷の運動をするととても効率的に脂肪を消費することができるそうです。

参考:
http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui3/q_052.html
https://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1036629/012900001/?P=3
https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201412.html

コーヒーと脂肪肝|コーヒーを飲み過ぎると脂肪がどんどん増えてしまう!?

脂肪肝を改善するには

2016年に改定された「肥満症診療ガイドライン」によると、メタボの人は現体重の3%減量するだけで、肝臓が正常に働き始めるそうです。

最新のメタボガイドラインの策定の委員長も務めた、日本肥満症予防協会副理事長で東京医科歯科大学臨床教授の宮崎茂氏によると、このガイドラインは「特定健診」という40歳以上の全国民を対象とした健診のデータに基づいて策定されたものだそうです。そのデータは、メタボに該当する人3000〜4000人に6カ月間ダイエットをしてもらって様々な数値の変化を見るというもので、それを10年間蓄積したデータだそうです。

この調査の結果、体重が3%以上減少した人は、血圧や血糖、脂質の値がいずれも改善することが明らかになりました。他に尿酸値なども低下したそうで、体重が3%落ちるだけでとても大きな健康効果が得られることが確認されました。
ウエストのサイズを目安にすると、おおよそ2cm細くすると上記のような効果が得られるそうです。

宮崎氏は「以前は標準体重にしなければいけないとみんな思っていた。しかし、このデータをとった結果、3%で効果が出ることがわかったので、まずは体重を3%減らし、少しずつ減らしていけばよい」と話し、健康面を気にしてのダイエットなら無理のない範囲で行えば十分に効果が得られることを解説していました。

体重3%減量を実行する際のポイント

体重の3%というのは、たとえば体重80キロの人なら2.4キロということになります。
1日50グラムのペースで体重を減らしていけば、2ヶ月かからずに3%減を達成できます。これならリバウンドの心配もありませんし、「標準体重まで10キロ以上痩せなければならない…」というような重い心理的負担を抱える必要もありません。

日立グループでは、社員の健康のため1日50グラムダイエットを取り入れているそうです。その結果、メタボと判定された社員の約72%が半年でメタボ状態から脱却したそうで、しかも、その後のリバウンド率は2割以下にとどまっているそうです。

社員の皆さんがダイエットで用いたのは、100キロカロリーに相当する運動や食事内容が書かれているカードです。数多くのカードがスマホの中のアプリに用意されており、その日実施しやすい運動(掃除など)や、省きやすい食事を毎日3枚選びます。

ガッテン!より

こうして毎日やりやすいものを選んで300キロカロリーを減らしていくことで、無理なくダイエットをしていくことができます。
300キロカロリー分を運動で減らそうとすると、例えばランニングなら40分ほど走る必要があります。40分走る時間を作るなら、食べる量で減らしたほうがやりやすいので、続けやすいのです。
このカードは、ガッテンのホームページからダウンロードすることができます。
こちら

一緒にダウンロードできる「体重記録カード」を毎日つければ、体重が確実に減少していく様子が目で確認できますので、ダイエットのモチベーション維持に役立つと思います。

まとめ

今回紹介されたダイエット法は「◯◯を食べない」「毎日◯分〜をする」というようなものと違って、その日その日の変化に柔軟に対応しやすいダイエット法だと思います。

しかも「3%減量」と目標のハードルも低く、且つ確実なデータに基づいているので、安心して取り組むことができます。
この減量方法は「メタボではないけれど、きれいに痩せたい」という願望を持っている人にも適しているそうですから、少しでも体重やお腹周りに不満をお持ちの方は取り入れてみてはいかがでしょうか。


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