爪に出る病気のサイン~白い濁り、黒い濁り、反る~健康カプセルゲンキの時間より

 

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あなたの「爪」は、元気ですか?
普段はあまり気にかけることがない爪ですが、いつの間にか爪が病気になっていたり、病気のサインを表したりすることもあるのです。
たとえば、こんなものがあります。

健康カプセルゲンキの時間より

これは「スプーンネイル」と呼ばれる症状で、鉄欠乏性貧血が原因で発症します。鉄が欠乏して貧血になると爪が薄くもろくなるため、このようになってしまうことがあります。他にも甲状腺の病気が原因でなることもありますが、健康な人でも慢性的に力が加わるとスプーンネイルになることがあるそうです。

今回は、爪の疾患と爪に出る病気のサインについて紹介していた『健康カプセルゲンキの時間』を中心に、爪と病気の関係についての情報をまとめていきたいと思います。

爪について

はじめに、爪の役割について確認しておきましょう。
手の爪は、小さなものを掴んだり細かい作業したりする際に大切な役割を果たしています。指先の骨は指の途中までしかないため、そこに加わる力は爪が支えているのです。手の爪がないと指先に力が入りにくくなり、小さなものを掴むことができなくなってしまいます。
足の爪は体重を支えてバランスを取るのに大切な役割を果たしています。

爪に横線がある

東京都の慶應義塾大学病院には、爪の専門外来があります。
そこに勤務する齋藤昌孝医師のもとには1日に40人くらいの患者が訪れるそうです。

番組では、爪に悩みを持つ3人が登場し、それぞれの悩みを齋藤氏に相談していました。

1人目のOさん(44歳女性)は、「親指の爪にヨコ線が入っている」ことが心配だそうです。
爪は、爪の根元にある「爪母(そうぼ)」と言う場所で作られています。

健康カプセルゲンキの時間より

このため爪の表面は爪母を覆っている皮膚の状態に大きく影響されます。爪は髪の毛と同じ「ケラチン」というタンパク質で構成されており、爪母に何の問題もなければなめらかな爪がつくられるのですが、手荒れや湿疹があると溝のようなヨコ線が入ることがあるのです。
齋藤氏がOさんの爪の根元の皮膚を見ると、赤く腫れていました。これは手荒れ、湿疹でした。

ヨコ線を抑えるには、水仕事などの後にスキンケアをすることが重要です。湿疹ができている場合は塗り薬で治療します。こうすることで徐々にヨコ線は消えていくそうです。

ちなみに、齋藤氏によると爪にタテ線がある人は多く、誰にでも見られるものだそうで「病気ではない」といいます。爪のタテ線は一般的には年齢とともに目立ってくるようになる、肌で言えばシワのようなものだそうです。

 

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足の爪が白く濁っている

2人目のKさん(52歳男性)は、足の親指の爪が白く濁っていることが気になっているとのこと。「痛みがないので放っておいた」そうですが、齋藤氏は白く濁った部分を少しだけ切りとり、顕微鏡で観察しました。
観ると、糸のようなものが絡み合っていました。

健康カプセルゲンキの時間より

これは水虫の原因菌である白癬菌です。
Kさんは爪白癬になっていたのです。
日本人の10人に1人が爪白癬になっていると言われ、きっかけは足の水虫である場合が多いそうです。足の水虫を放っておくと菌が指先までつたっていき、爪の中に侵入して発症してしまうのです。

下の画像は、軽度の爪白癬です。

健康カプセルゲンキの時間より

これを放っておくと…

健康カプセルゲンキの時間より

爪の広範囲に菌が侵入していきます。
さらに放っておくと…

健康カプセルゲンキの時間より

爪全体に菌が広がってしまいました。ここまで至ると指先が靴に当たるたびに痛みを感じたりするそうです。

白癬菌は家族に感染しやすいので注意しましょう。特に注意が必要なのはバスマットです。湿気が多く菌が増殖しやすいため、できるだけ共用は避けて、頻繁に洗うようにしましょう。
また、冬はブーツや厚手の靴下を履くことが多く蒸れやすいため、菌が増殖しがちです。靴を毎日なるべく変えて、足をきちんと洗うことを心がけましょう。

mametisiki似た症状を示す別の病気である可能性も

爪が白くなり剥がれてしまう症状は爪白癬である可能性もありますが、全身性の病気の症状の一つである可能性もあります。
たとえば、手足の爪の一部が剥がれてしまうような場合は甲状腺機能亢進症である可能性もあるそうですから、甘く見ずに皮膚科で診てもらうようにしましょう。

参考:
爪が白くなってはがれる 治療や普段のケアは?

足の爪が食い込んで痛い

Sさん (46歳男性)は「足の爪を切りすぎると皮膚に食い込んで痛くなる」という悩みを抱えています。かといって残しぎみにしておくと爪で靴下がやぶけてしまうそうです。
齋藤氏によれば、Sさんの足の爪は「陥入爪「(かんにゅうそう)」という状態になりかけているそうです。
陥入爪とは爪の角が皮膚に刺さり、痛みや炎症を引き起こした状態です。体重がかかりやすい足の親指が特になりやすいそうです。
主な原因は深爪です。深爪になっていると爪の角が皮膚の中に埋没し、歩くたびに食い込みやすくなるため、皮膚が傷つきやすくなってしまいます。
重症になると…

健康カプセルゲンキの時間より

周りの皮膚が赤く腫れて、肉が飛び出してきてしまいます。

巻き爪がある人は陥入爪の予備群と考えましょう。
巻き爪が痛みの原因になっている場合はワイヤーなどで矯正する方法もあるので、皮膚科を受診してみてください。

陥入爪ならびに巻き爪を予防するには、正しく爪を切ることが大切です。
爪の角は十分に伸びるまで切らないようにし、伸びてきたら四角い形に切るようにします。

健康カプセルゲンキの時間より

年齢を重ねると、体が硬くなったり肥満になったりして足の爪が切りにくくなる場合もあると思います。そういう方でも皮膚科に行けば保険診療として爪を切ってもらえるそうです。

二枚爪

二枚爪は、爪の乾燥によって起こります。水仕事を多くする人や、ネイルの除光液を頻繁に使用する人などは爪から脂質や水分が失われやすくなるため、二枚爪になりやすくなってしまいます。
二枚爪の方はしっかりと保湿ケアをしましょう。特に冬場は乾燥するので、塗り薬を使用して爪の乾燥を防いでください。

○命の危険のサイン
Yさん(42歳女性)はある日、爪を切ろうとした時に左手の人差し指の爪に細くて薄いタテ線が入っていることに気づきました。

健康カプセルゲンキの時間より

「よく見ないとわからない程度だし、気にするほどのことでもない」と考えたYさんは、病院へ行かずにそのままでいたそうです。
それからおよそ3ヶ月後、爪のタテ線が以前よりも太く黒くなっていったそうです。さすがに不安になったYさんが病院へ行くと、「悪性黒色種(メラノーマ)」と呼ばれる皮膚がんの一種であったことがわかりました。
爪母の中で、皮膚の色に作用するメラノサイトという細胞ががん化して増殖すると、その影響を受けて爪の成長とともに黒っぽいタテ線が徐々に現れてくるそうです。
メラノーマは1ミリほどの厚さでも転移するためとても危険ですが、初期には痛みなどの自覚症状はありません。
ぶつけたりして爪の下に小さな出血ができ、それで黒く見えることもありますが、黒っぽいタテ線がいつまで経っても消えないという場合は、すぐに病院へ行くようにしましょう。

Yさんは、爪全体と周りの皮膚を全て切除し、皮膚を移植することで完治したため、指の切断は免れたそうです。リンパ節や内臓に転移している場合には抗がん剤などによる治療も必要になるそうです。

メラノーマは年齢に関係なく発症するため、若いからといって安心はできません。
異常が見つかったらすぐに病院へ行くようにしましょう。

まとめ

最後に齋藤氏は「爪の病気はたくさんある。非常に専門性の高い病気なので、医師の正しい診断のもと適切な診断を受けることが重要」と指摘していました。
今回ご紹介した情報を頭の隅に入れておいて、異変に気づいたらすぐに病院に行くようにしてください。


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