何だか体がかゆい、風邪でもないのに鼻水がでる、そのようなときはダニが原因かもしれません。どんなにきれいに掃除をしている家でもダニは住んでいます。けれども、正しい対処法を知ることで、ダニを増やさないようにすることはできるのです。
先日の『世界一受けたい授業』では、ダニ専門家の島野智之先生(法政大学教授)が、正しいダニの撃退方法を解説していました。
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アレルギーの原因「ダニ」の数が増える時期
暖かくなり湿度が高い時期になると、ダニの数はどんどん増えていきます。春の終わりから夏にかけて、家の中で急激に増殖するダニは、人のはがれた皮膚やフケを餌にする「ヒョウダニ」だそうです。
世界一受けたい授業より
5月には30匹しかいないダニが、8月には1万匹になります。
世界一受けたい授業より
ヒョウダニは1日に6個のフンをするので、8月にはフンの数が180万個になってしまうのです。
世界一受けたい授業より
また、ヒョウダニよりも大きく、人を刺すこともあるツメダニの数も同じ時期に急激に増えるそうです。
世界一受けたい授業より
ですから、ダニを増やさないためには、気温や湿度が高くなる前の時期に、より多くのダニを撃退しておくことが大切だと島野先生が説明をしていました。
幼児は要注意!アレルギーマーチ
人間がダニのフンや死骸を吸い込むと、アトピー性皮膚炎、鼻炎、ぜんそくなどのアレルギーを発症してしまいます。アレルギー症状の半数以上はダニが原因とのことです。
とくに幼児は注意が必要。幼児期にダニアレルギーを発症すると、年齢を重ねるごとにアトピー性皮膚炎から気管支喘息、花粉症を発症するなど、どんどん症状が増えていきます。このような状態を「アレルギーマーチ」というそうです。
世界一受けたい授業より
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家の中でダニが好きな場所は?
ダニアレルギーを防ぐためには、家の中のどこにダニがいるのかを知ることが大切。番組では、ダニの数が多い場所を3位まで発表していました。
1位:布団
素肌が触れている時間が長い布団には、ダニがたくさん集まってきます。また、後頭部から多く分泌する「パルチミン酸」という物質がダニを引き寄せるので、枕にもたくさんのダニが住みついています。布団についているダニの死骸やフンを寝ている間に口から吸いこんでしまっているそうなので、寝具のダニはできるだけ取り除きたいですね。
2位:カーペット
フケや食べかすが落ちているので、ダニにとっては最高の環境だそうです。
3位:ソファー
汗やフケがつくのでダニが集まります。また、掃除機をかけにくいのでダニを取り除くのが難しいとのこと。ソファーのクッションの裏にもダニはたくさんいるそうなので、掃除のときに忘れないようにしたいですね。
その他、ぬいぐるみ、押し入れの中の冬服、カーテンなど、布地にはほこりなどダニの餌となるものがたまるので、ダニが多くいると島野先生が説明していました。
一般的なダニの撃退法は間違っている!?
島野先生によると、枕を洗濯してもダニは死なないそうです。
世界一受けたい授業より
ダニの死骸は洗濯で枕から取れますが、生きたダニの80%は枕に住みついたまま。
また、枕を天日干ししてもダニを死滅させることはできません。枕の表面にいたダニは、熱さから逃げるためにまくらの中へ潜り込んでしまいます。
それから、天日干しのあとに枕や布団をたたく人は多いと思います。けれども、ダニの体やフンが粉々になって飛び散ってしまうので、あまりたたかない方がいいと島野先生が解説をしていました。
正しいダニの撃退方法
番組では、場所別にダニの撃退方法を説明していました。
枕
枕は乾燥機にかければ、ダニを死滅させることができるそうです。なぜなら、ダニは熱に弱く60度で死滅するからです。ダニは乾燥で死滅するわけではありません。乾燥している場所では動きは鈍くなりますが、死滅することはないとのこと。湿度が上がればまた活動をはじめます。
ですから、枕のダニを取り除くときは、60度以上の高温になる乾燥機にかけてから、死んだダニを丁寧に掃除機で吸うといいそうです。
ベッドや布団などに掃除機をかけるときは、専用ヘッドが必要です。けれども、もし専用ヘッドがない場合は、ストッキングを掃除機のヘッドにかぶせて使うと、布を吸い込まなくなるとのことです。
ソファー・カーペット
島野先生によると、ダニは暗いと表面に出てくるそうです。ですから、ソファーやカーペットは、2時間以上部屋を真っ暗にしてから掃除機をかけると、効率よくダニを吸うことができるとのことです。夜、仕事などからの帰宅後に掃除機をかけるのがオススメ。掃除機をかけるときはゆっくり、そして、垂直に2方向からかけると、より多くのダニを吸い取ることができます。
また、カーペットは、コインランドリーのカーペット専用乾燥機にかけてから、掃除機をかけるという方法でもダニを撃退することができるそうです。
ダニ・マニア チーズをつくるダニから巨大ダニまで (増補改訂版)
島野 智之
まとめ
枕を洗濯しても、天日干しをしても、ダニがほとんど取れていないということに驚いた人は多いかもしれません。
アレルギーを発症しないためにも、島野先生が説明していた掃除機のかけ方を実践したり、乾燥機を利用したりして、ダニを取り除くようにしたいですね。少しでも家の中のダニを減らして、快適に過ごせるようにしましょう。