今回の『きょうの健康』では「なぜ血圧が高くなる?」というテーマで高血圧の治療を専門とする大阪大学大学院の楽木宏実教授の話を聞きながらゲストの藤田朋子さん(女優)と一緒に高血圧について正しく理解するという放送でした。
高血圧は病気?
血圧というのは、心臓が縮んで全身に血を押し出す時の血圧が収縮期血圧(上の血圧)で、反対に心臓が緩んで、縮んでいた血管が元に戻る時の血圧を拡張期血圧(下の血圧)というそうです。
きょうの健康より
そして高血圧とは、その名の通り、この血圧が総じて高い状態をいい、安静にしている状態であっても正常値よりも高くなっています。そして、その高血圧の患者はなんと推定4,300万人です。
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番組の中では楽木医師がはっきりと病気と断言され、藤田さんも高血圧が病気だということに若干驚いた様子をされていました。ネットで医療情報をあたってみると、病気という紹介もあれば、一つの身体的な症状として紹介されているケースもあります。
高血圧は、心臓から送り出される血液の量が多くなったり、血管が細く狭くなり血液の流れが悪くなることで、血圧が基準値よりも高くなる病気です。
高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。
いずれにしても、体にとって好ましい状態ではないばかりか、放置すれば深刻な合併症(病気)を誘発するという捉え方で間違いないようです。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]高血圧の基準
まず診察室で測る血圧は上が140以上または下が90以上の場合を高血圧と診断します。
上の血圧か下の血圧のどちらかが高い場合でも高血圧と診断されます。高血圧の患者の中でも若者の場合は、下の血圧だけが高い人が多く、高齢者の場合は上だけが高い人が多いそうです。
次に家庭で測る血圧は、診察室血圧よりそれぞれ5を引いた値(135/85mmHg以上)が高血圧の基準になるそうです。
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高血圧の原因
約90%の高血圧患者は本態性高血圧といい食塩の取りすぎ、ストレス、肥満、加齢などが原因です。また約10%の高血圧患者は、二次性高血圧といい腎臓や副腎の病気が関係しているそうです。
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血圧が上がる原因には、体内の塩分量が多くなりすぎることやストレスがあります。
人間の体は腎臓の働きによって塩分を一定に保つことで血圧を安定させています。けれども腎臓が正常に働かなかったり、食塩を過剰摂取したりすることによって、体内の塩分を一定に保つことができなくなり血圧が上がってしまうそうです。
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また外的なストレスによって交感神経が刺激されて様々なホルモンが分泌することにより血管が縮んでしまうことも血圧が上がる原因になります。
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この2つのことは同時に発生していることが多いそうです。
例えば、肥満の場合には脂肪が腎臓の働きを悪くしたり、脂肪から出る悪いホルモンが交感神経を刺激したりします。このような場合は痩せれば血圧が下がります。
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食塩相当量の表示が義務化
2015年4月に施行された『食品表示法』で食塩相当量の表示が義務化されました(5年間の移行期間あり)。今までの表示では、食塩をどのくらい取っているかがわかりませんでした。医師の団体、高血圧の学会や栄養士の長年の要望により今回の改正が実現したそうです。
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楽木教授によると高血圧の人は1日の食塩の摂取量を6g未満にすることを勧められています。放送ではふれられていませんでしたが、厚生労働省は日本人の1日の食塩相当量を男性は8g未満、女性は7g未満を目標量と定めています。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]高血圧が引き起こす重大な病気
高血圧はサイレントキラーと呼ばれ症状が出ない間に進行していきます。血圧が高くなると動脈が硬くなり心臓に負担がかかります(動脈硬化)。また血管にコブのようなものができると、その部分が弱くなり傷つき安くなります。
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それを治すために血管に血の塊ができます。血の塊ができると血の流れが悪くなり狭心症(胸が痛くなる)を引き起こします。
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狭心症が悪化し、血の塊が血管を塞いでしまうと心筋梗塞を発症させます。
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ちなみに狭心症と心筋梗塞は、突発性の心臓発作です。突発性ですが前兆として胸の痛みを感じることもあるそうです。
高血圧は心臓系の病気だけではなく、血管の働きが悪くなることで認知症の原因となります。また、腎臓は細かい血管の塊なので血圧が高くなると腎臓の働きが悪くなるという悪循環になります。
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健康な血圧(至適血圧)は上が120未満、下が80未満です。血圧が上がれば上がるほど、脳卒中や心筋梗塞を発症する可能性が高くなるそうです。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]まとめ
高血圧は気がつかないうちに進行して危険な病気を発症させる原因となります。ですから、高血圧を理解し予防する対策を取ることが必要です。また高血圧になった場合は速やかに適切な治療をすることも重要です。