NHK『Rの法則』にて、10代の女の子のダイエットについて特集されていました。
若い女性ほど体型を気にするものですが、10代の女の子になるとその傾向も顕著です。周りの人からすれば十分痩せているのにさらにダイエットをしようとする人がかなりの割合でいるようですが、10代のうちに間違ったダイエットをしてしまうと20代以降で後を引くことにもなりかねないようです。
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90%の人がダイエット中
番組が実施したアンケート調査によると、10代の女の子の実に90%が何等かのダイエットに取り組んでいるそうです。アンケート対象が192人ということですから10代の女の子全体の傾向とまではとてもいえませんが、それにしても90%とはかなりの割合です。どんな方法でダイエットしているのかというと、
といった回答が紹介されていました。”食べない”も”1食抜く”も”炭水化物ダイエット”も食べ物を制限することばかりで、育ち盛りの10代ということを考慮するとあまり良いとはいえないようです。
さらに、「自分は太っていると思うか?」という問いに対してはなんと97%もの人が「太っている」と回答したそうです。
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太っているか否かはBMIで判断
番組では、医学博士の中村格子氏がRの法則に出演している10代の女の子(R’s女子)5人を測定しました。中村格子氏はDr.KAKUKOスポーツクリニックという整形外科院の院長で、横浜市立大学の客員教授もされている方です。
肝心の測定結果は以下の通りでした。
5人の身長と体重
身長 | 体重 | |
Aさん | 149.5cm | 37.6kg |
Bさん | 160.9cm | 43kg |
Cさん | 161.4cm | 47.6kg |
Dさん | 164.4cm | 53.4kg |
Eさん | 163.0cm | 49.5kg |
160cmで50キロ前後というのは何の問題もないように見えますが、当人たちはそれでももっとやせたいと思っているようです。
しかし、太っているか否かを体重だけで判断するのは非常に危険です。肥満の程度を知るならBMIという指標があります。BMIとはボディマス指数の略語で、ヒトの肥満度を表す体格指数といわれています。『体重÷身長の二乗』で求めることができ、18.5未満ならやせ型、18.5~24.9なら標準、25以上なら肥満と判定されます。
このBMIを5人に当てはめてみると、
身長 | 体重 | BMI | |
Aさん | 149.5cm | 37.6kg | 16.8(やせ型) |
Bさん | 160.9cm | 43kg | 16.7(やせ型) |
Cさん | 161.4cm | 47.6kg | 18.3(やせ型) |
Dさん | 164.4cm | 53.4kg | 19.8(標準) |
Eさん | 163.0cm | 49.5kg | 18.6(標準) |
となり、全員が標準かやせ型になるわけです。確かに、5人はテレビ越しではありますが見るからに痩せていました。
ではなぜ太っていると思うのでしょうか?
それには、ついつい周りと自分を比較してしまうという10代に多い心理的なクセが背景にあるようです。
東京中央カウンセリングの心理カウンセラー塚越友子氏によると、
『他人と比べて自分が太っているかどうかを考える人は、自分で自分を評価できてないという特徴がある。そのため、非常に他人からの評価を気にする傾向が強くなる。』
ということでした。逆に言えば、自分をしっかり評価できて自信を持てていれば、他人の評価もそれほど気にすることはなくなり、必要以上にダイエットすることもなくなるということなのだそうです。
ちなみに、番組に出演している女の子たち(R’s女子)に理想の体型は誰なのかを聞いてみたところ、長谷川潤さんやマギーさんといったモデルさんの名前が出てきました。理想を高く持つことは良いことですが、間違った考えの元でダイエットをやり続けていると思わぬしっぺ返しがあります。
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不必要なダイエットに潜む危険
中村格子氏によると、
『10代の時、必要ないのにダイエットをがんばった人は、20代になってから肥満になる確率が高い。』
のだそうです。どういうことかというと、
ということです。代謝が悪い身体というのはカロリーを消費しにくい身体ということです。筋肉が減ると基礎代謝が減りますから、太りやすくなるわけです。
番組では、その一例としてやしろ優さんの事例が紹介されていました。
彼女が10代の頃にやっていたダイエットは、リンゴダイエット、グレープフルーツダイエットといった置き換えダイエットに炭水化物ダイエットです。しかし、痩せてすぐリバウンドという流れを繰り返した結果、25歳の時には体重が80キロにもなったそうです。
さらに、「あさイチ!」では、標準以上に痩せた母親から生まれる赤ちゃんは2000グラム台の比較的軽い体重で生まれることが多いのだそうです。元気であれば軽くても問題ないと思ってしまいますが、早稲田大学の福岡秀興医師が「あさイチ!」の中で指摘した話では、
2500グラム以下の体重で生まれた赤ちゃんは将来、心筋梗塞や糖尿病になるリスクが高い
という統計結果が出ているのだそうです。また、アメリカでも似たような調査が行われており、2500グラム以下で生まれた場合、糖尿病になるリスクが特に高くなるという結果も出ているのだそうです。
自分にとって良かれと思ってやっていたことが、将来、自分の子供に健康上の悪影響を与えかねないという、ちょっと怖くなるような話です。
【参照】
やせたい気持ちが招く健康リスク~妊娠・子供・老後〜
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10代からの”太らない体質作り”
将来太りにくい体質にしていくためには、日常生活でいかに上手に筋肉を使ってカロリー消費していくかが重要なポイントとということで、番組では「NEAT」(ニート)という言葉が紹介されていました。
NEATとはNon Exercise Activity Thermogenesis(非運動性活動熱産生)の略で、日常生活の中で座る、歩く、立つなどの動作で消費されるエネルギーのことをいいます。このNEATを増やすことで筋肉がつき、代謝の良い太りにくい体質になるそうです。
座り方
猫背にならないよう、胸を張り背筋を伸ばして座るようにします。たったこれだけで、60キロの体重の人だと一年間で2キロのカロリー消費になるそうです。
立ち方
カカトをくっつけて、つま先を開き背筋をまっすぐにします。太ももの筋肉を外側へ回すような感じにしてお腹に力を入れます。この姿勢で毎日30分間電車に乗れば、60キロの人だとこちらも1年間で2キロ分のカロリー消費になるそうです。さらに、かかとを上げ下げするエクササイズを一駅分すればそれだけでも相当な違いが出てくるそうです。
10代のうちにこうしたことに意識的に取り組んでおけば、将来、30代以降で身体のラインが急速に崩れる年代になっても、きれいな身体つきをキープすることが可能になってくるということでした。
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太りにくい体質を作る食習慣
太りにくい体質という側面から見た場合、食べ方にも順序があるそうです。
1.野菜を先に食べる
炭水化物の多いニンジンやジャガイモでなくて葉野菜(レタス、キャベツ)から先に食べるのが鉄則です。ニンジンやジャガイモなどは糖質が多めのため、それだったら肉からの方がまだマシなのだそうです。
2.良くかんで食べる
良く噛むことで時間をかけて食べることになり、それだけ満腹中枢も刺激されますから大食いを防げる効果があるそうです。また、食事中に水を何回も飲む人がいますが、その場合は食物を噛まずに流し込むため満腹中枢がなかなか満たされず、結果、早食いの大食いという状態になりやすいのだそうです。
3.「ながら」食べは厳禁
意識が食事以外に向くと食べ過ぎるのだそうです。スマホをいじったり、テレビを見「ながら」の食事は止めましょう。
というわけでRの法則で放送された10代のダイエットについてまとめてみました。
多くの女の子がダイエットを実践しているということですが、本当にそこまでする必要があるのか疑問に思う男性も多いようです。周りにいるほとんどの人が痩せた方が良いとは思ってないのに本人だけが一生懸命間違ったダイエットに励み、結果として20代に肥満となる。なんだか本末転倒な話です。
健康を考えれば肥満は改善した方が良いですが、そこまででなければもっと気を楽に持っていた方が良いのかもしれません。