物忘れが改善!タオルを使って脳内物質NGFを増やす~たけしの家庭の医学より

社会の高齢化が進むにつれて、物忘れや認知症を心配する人が増えています。
先日の『たけしの家庭の医学』では中高年の方を対象にしたインタビューが行われていたのですが、もの忘れに関して以下のような声がありました。

「お風呂の時間なのにお湯を入れるのを忘れてしまうことがあった」
「眼鏡を置いた場所を忘れてしまった」
「リモコンを冷蔵庫へ入れてしまった」

年齢を重ねるとどうしても出てくるこれらの現象には、「NGF」という脳内物質が関係しています。

実験で、NGFを年老いたラットに2週間注入し続けると、ラットの認知機能がアップし、迷路を抜ける時間が半分にまで短縮したそうです。

つまり、この物質を脳内で増やすことができれば、脳の老化を予防し、改善する可能性があるのです。
今回は、認知症と脳内物質「NGF」の関係や、NGFを増やす方法について紹介していた『たけしの家庭の医学』を中心に、認知症やもの忘れ対策に関する知識をまとめていきたいと思います。

 

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記憶力が良い人と悪い人の違い

愛知県大府市にある国立長寿医療研究センターの「もの忘れセンター」副センター長である佐治直樹医師は、年間800人以上の認知症患者を診ているエキスパートです。

NGFについて佐治氏は「脳の組織の中で神経組織の成長をサポートする物質。最近色々なことがわかってきて、認知症や神経の学会で注目されつつある」と説明していました。NGFは誰の体の中にも存在し、脳の神経組織を維持するのに欠かせない物質として作用していますが、加齢とともに少しずつ減少していってしまいます。

番組では60〜80代の男女6人を集めて、彼らの記憶力とNGFの量を調べていました。

まずは「記憶力チェック」。国民栄誉賞受賞者の写真を10枚見て何人の名前を言い当てることができるか、というテストですが、3〜5人答えられる人がほとんどという中でお一方だけが8人を言い当てていました。

次に、唾液に含まれるNGFを測定して、記憶力チェックとの関係を見ます。NGFがまだ減少していない30代の人の数値は20.4でしたが、記憶力チェックで成績が悪かった人は6.7〜3.2という人までいました。5人答えられた人でも11・5と、30代の人の半分にまで落ちていたのですが、8問正解できた人は30代の人よりも多い24.1という結果が出ていました。

ある研究でも、唾液のNGF量と脳の認知機能の関係が深いことがわかっているそうです。

 

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NGFとは

NGFは、交感神経細胞の分化・成長・機能維持などを引き起こす「神経成長因子」です。
近年ではその合成を促進する物質を探す研究も進められており、ある研究ではキノコの「ヤマブシダケ」に合成促進物質が含まれていることがわかってきました。「認知症患者29名を対象に、ヤマブシタケ乾燥粉末を1日当たり3g の量で16週間摂取させる」という実験では、知能評価指数や認知機能に改善が見られたそうです。

 

 

 

 

 


ヤマブシダケは中国では漢方薬として有名で、日本では人工栽培もされているそうです。NGFには合成促進物質の他にも健康にいい成分が多く含まれており、例えばβグルカンという免疫力を高める物質や、食物繊維やビタミン、ミネラルなども豊富に含まれているそうです。

 

人は何故もの忘れをするか

佐治氏によると、脳内には1000億以上の神経細胞があると言われているそうです。これらがつながってネットワークを形成し、電気信号のやり取りで様々な情報を伝達しています。

たけしの家庭の医学より

記憶は神経細胞ごとに分けてしまわれています。例えば人物に関する記憶なら、ある細胞には「顔」、ある細胞には「特徴」、ある細胞には「名前」、というようなイメージで記憶されています。その人物について思い出すとき、脳内にNGFが豊富にあればネットワークがスムーズにつながって、顔と特徴、名前が一致した状態で思い出すことができます。
しかし、脳が老化して細胞をつなぐ道が切れてしまうと…

たけしの家庭の医学より

この状態だと、思い出そうとしても名前だけが出てこない、ということになります。このように道が切れることを「脱落」と呼ぶそうです。

しかし、「脱落」が生じてもNGFが充分にあれば、脱落が修復されて脳の機能が復活すると考えられているのです。

NGFを増やすには

佐治氏によれば、NGFを増やすには脳の血流を増やすことが必要になるといいます。NGFは脳内で作られているので、血液の量が増えることでNGFを作る力が上がるのです。

今まではウォーキングなどの運動習慣がNGFを増やすと言われていたそうで、現に先ほどの実験で8問正解できた人も1日2万歩以上のウォーキングをしていました。

しかし、最近の研究ではタオルを使う簡単な動きだけで、ウォーキングと同じような効果が得られることがわかってきたそうです。

タオルでNGFを増やす

全身の神経や脳の機能について20年以上研究してきた、東京都健康長寿医療センター自律神経機能研究室研究部長の堀田晴美医師は、ラットの脳機能を活性化することに成功し、日本自律神経学会の学会賞を受賞しました。

番組が堀田氏の研究室を取材すると、研究員が麻酔で寝ているラットの足をブラシでマッサージしていました。手足などの末端の皮膚を刺激するだけで、NGFが増えるというのです。

手足などの末端の神経を支配しているのは、脳です。末端を刺激すると刺激が脳に伝わって脳の血流がアップし、NGFが増加するのです。
下図はラットの脳を真上から見たものです。

たけしの家庭の医学より

赤い部分が血流です。
ブラシによる刺激を3分間行うと…

たけしの家庭の医学より

血流量が増えました。これは運動した後と同程度の増加量だそうです。

しかし、研究はまだラットのみという段階です。

人間の場合はどのように刺激をしたらいいのかということになりますが、堀田氏は手の平をタオルか何かザラザラしたもので1日10分ほど刺激することを推奨していました。「手の平は感覚神経が密集して分布しているため効果が高い可能性がある」とのことでした。
下図のように、手の平をこするようにします。

たけしの家庭の医学より

タオルが落ちない程度の力で、強くこすりすぎないようにします。

番組では、冒頭の検査でNGFの量が最も少なかった男性に、タオルを使った方法を行うとどの程度NGFが増加するかを実験していました。
タオルでこすった1時間後に測定すると…

たけしの家庭の医学より

ほぼ変化は見られません。1回だけでは効果が無いようです。

この後、男性は奥さんから依頼されてスーパーに買い物へ向かいました。
メモを持たず、言われた記憶だけを頼りに買い物をした結果、正しく買えたものは7品中1品のみでした。やはり記憶力は低下したままであることがわかります。

その後も、男性は継続してタオルでこする動作を続けました。

たけしの家庭の医学より

それでもほとんど変化がありません。男性は「これで効くのかなっていうのが正直なところ」と、正直な思いを口にしていました。

そこで翌日は、タオル運動の時間を15分間に伸ばしました。
その成果か、検証3、4日目にもなると…

たけしの家庭の医学より

脳内のNGFの量は倍以上にまで急増しました。
記憶力の低下が気になる方は、この行動を継続して行うといいかもしれません。

 

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まとめ

人々の関心が高まるにつれて認知症やもの忘れの研究も進み、新しいことが少しずつ明らかになってきています。
タオルをこするだけなら体への負担もありませんから、もの忘れが気になる方はぜひ毎日継続して行うようにしてみてください。


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