ホールフードって聞いたことありませんか?
最近アメリカで注目を集めた言葉で、食物をまるごと食べてしまうという意味合いがあります。
野菜なら根っこも皮も全部。魚なら頭から尾っぽまで、まさに骨まで喰らうという感じです。
なぜそんなことをするのかというと、食べ物というのは、普段、私たちが捨ててしまうところにも見逃せない栄養が豊富に含まれているからです。
例えば私たちの主食であるお米。私たちは生まれてからずっと白米を食べ続けているわけですが、これ、精米前の玄米の段階だと、白米の2倍以上含まれる栄養素がたくさんあります。
脂質、灰分、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、マンガン、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、食物繊維(不溶性)などなど(文科省:五訂増補日本食品標準成分表より)
精米の段階で、これらの栄養が半分以上失われてしまっているということです。
テレビでよく見かける南雲医師もテレビでこんなことを言っていました。
南雲医師野菜や果物の皮は、外界とのバリアになっている。そのため、常に紫外線にさらされていても酸化しないようになっている。リンゴも皮をむいてしまうとすぐに茶色になるが皮のおかげで茶色にならなくてすんでいる。つまり野菜や果物を食べるときには皮ごと食べる。お魚も皮が抗酸化作用が強いので皮もきちんと摂るということが重要。
主治医が見つかる診療所より
リンゴの皮をむくと茶色に変色するのを酸化というんですね。リンゴには多くの鉄分が含まれており、その鉄分と酸素が触れ合うことで茶色に変色していくわけです。
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同じようなことが体の中でもおこります。サントリーのホームページにわかりやすい説明がありますので引用させていただきます。
私たちは、呼吸によって1日に500ℓ以上の酸素を体内に取り入れているといわれています。その酸素を使って食事で摂った栄養素を燃やし、エネルギーを作り出していますが、この過程で取り入れた酸素の約2%分が強い酸化作用を持つ活性酸素に変わるといわれています。
サントリーホームページより
栄養素+酸素=エネルギー
というわけですね。そして、このエネルギーを作り出す過程で生まれるのが活性酸素です。活性酸素というと悪いイメージを持つ人が多いのですが、本来は身体に侵入してきた悪い菌を攻撃するなどの大事な働きを担っています。しかし、この活性酸素が適量を超えて増えすぎると、自分自身の細胞も攻撃し、さまざまな弊害が発生します。
白髪が増える、物覚えが悪い、シミ、シワが増える、骨がもろくなるなどなど一般に老化といわれる現象のほとんどは身体の酸化が原因と考えられています。
身体の酸化=老化
というわけです。逆にいえば、老化を防ぎたければ身体の酸化を少しでも食い止めるような行動をとればよいわけです。
皮ごと食べると良いとされる理由がここにあります。皮には、身体を老化させてしまう活性酸素に対抗する抗酸化作用があるのです。
例えば、リンゴの皮にはエピカテキンやカテキンなどのポリフェノールが多く含まれています。これらポリフェノールには抗酸化作用があることがわかっています。
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ミカンの内側の皮(袋)にも多くのポリフェノールが含まれています。中でもヘスペリジンという物質は毛細血管を強くする作用があり、冷え性予防などにも効果があるとの研究結果も出ています。
外の分厚い皮は難しいにしても、内側の袋はむかずにそのまま食べた方が健康には有効といえます。最近ではグリコがこのヘスペリジンのサプリを出しています。
ブドウの皮もポリフェノールが豊富に含まれていることで有名です。抗酸化作用の強いカテキンをはじめ、目に良いアントシアニン、アンチエイジングで注目されるレスベラトロールなどが含まれています。
他にも玉ねぎの茶色い皮の部分にはケルセチンというポリフェノールが豊富に含まれています。このケルセチンも非常に強い抗酸化作用と持っていると言われており、同じく強い抗酸化作用があることで知られるビタミンEよりをはるかにしのぐと言われています。
玉ねぎの皮はそのまま摂取するのは難しいですが、スープなどで煮出すと良いとされています。
このように、健康を考えるなら皮こそ食べるべきなのです。どうしても難しいなら先のαGヘスペリジンのように、皮の成分に着目したサプリも出ていますので、そうしたもので補うというのも良いでしょう。