コラーゲンの効果~しわ改善、潤いアップのコツ~ガッテン!より

一般的には「コラーゲンは肌にいい!」と考えている人が多いようですが……実は、コラーゲンが肌に効く保証はないという研究結果も。これでは、「本当に肌をプルプルにするの?それとも意味がないの?」と混乱してしまいますよね。
先日の『ガッテン』のテーマは「コラーゲン」でした。食品化学が専門でコラーゲンについて研究をしている佐藤健司先生(京都大学農学部教授)が、肌を再生する力など、近年の研究で明らかになったコラーゲンの働きについて解説していました。

 

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コラーゲンとは?

コラーゲンは、肌のハリや弾力を作る役割などがあるタンパク質の一種。体内のコラーゲンの約40%は肌に近いところにあるそうです。以前は、口から摂取したコラーゲンは胃や腸でバラバラに分解されてしまい、もはやコラーゲンの働きはしないと考えられていました。そのため、コラーゲンを口から摂取しても、美肌にはつながらないという研究結果もあります。コラーゲンの研究は現在も続いており、その効果については賛否両論です。

口からコラーゲンを摂取すると本当に美肌になるの?

番組では、口から摂取するコラーゲンの効果を実証するために、肌に悩みを持つ40代から60代の女性6人に集まってもらいました。6人の参加者は純度100%のコラーゲン粉末を4週間1日5g飲み、それ以外は普通の生活を送りました。そして、4週間後に肌の水分量としわの数を測定したのです。
最初の1週間ほどは、コラーゲンの効果を感じなかった参加者たち。けれども、1週間を過ぎたころから、「化粧のノリが良くなった」、「夕方になっても肌にツッパリ感がない」という声が聞かれるようになりました。
そして、4週間後に6人の肌の状態をチェックしたところ、3人は水分量が増え、しわの数が減っていました。けれども、残りの3人の肌の状態には変化がありませんでした。

 

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口から摂取したコラーゲンが肌に効く2つの条件

口から摂取したコラーゲンは、胃や腸でバラバラに分解されてしまいます。ですから、血液に吸収されるときにはコラーゲンではなくなっているそうです。佐藤先生は研究で、コラーゲンがバラバラになって血液に吸収されるものの中に、分解しきれなかったコラーゲンの破片(ペプチド)があることを発見しました。
このコラーゲンの破片に線維芽細胞が反応するそうです。線維芽細胞は、コラーゲンの破片を見つけると「壊れたコラーゲンを修理しなくては」と分裂してコラーゲンを作ります。ネズミの線維芽細胞にコラーゲンの破片をいれたところ、2日後には線維芽細胞が30%増えていました。

ガッテン!より

ただ、線維芽細胞だけでは、コラーゲンペプチドからコラーゲンが作られることがありません。コラーゲンを作るには、皮膚が紫外線やケガでダメージを受けたときに出るタンパク質も必要だと佐藤先生が解説していました。
ですから、コラーゲンの効果を調べる実験で、しわの数が減り、水分量が増えた人は肌にダメージがあったと考えられます。

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番組では粉のコラーゲンが紹介されていましたが、飲みやすい粒タイプも販売されています。

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コラーゲンを摂取するのがオススメな人

加齢によって、線維芽細胞の数は減少します。ですから、高齢者はコラーゲンを摂取することで線維芽細胞が増えやすいそうです。また、若い人よりも肌にダメージが多いというのも、高齢者のほうがコラーゲンの効果が現れやすい理由です。

コラーゲンには、皮膚を再生する効果があると考えられています。ですから、炎症のある人(大けが、関節痛、日焼け、冬の乾燥など)にもお勧めだと佐藤先生が説明していました。
番組では、スタッフが病院ですり傷を人工的に作りました。そして、コラーゲンを飲んだときと飲まなかったときの2週間後の傷の治り具合を観察しました。その結果、コラーゲンを飲んだときのほうが、擦り傷の表面に膜がはるのが5日ほど早かったとのことです。

ガッテン!より

コラーゲンが褥瘡(床ずれ)の治療に使われている

皮膚のダメージを修復する働きがあるコラーゲン。近年、褥瘡(じょくそう)の治療にも使われています。
褥瘡とは、「床ずれ」のことです。病気やケガなどで寝たきりになると、血流が滞って、その部分が壊死(えし)します。ひどくなると骨に達することもあり、体の弱い高齢者にとっては深刻な悩みだそうです。

ガッテン!より

近年、コラーゲンの肌の再生能力が褥瘡の治療に効果的だということが判明しました。日本褥瘡学会も治療にコラーゲンを推奨しています。長い間治らなかった褥瘡が、コラーゲンを摂取し始めてから1か月ほどで、かなり改善されたという例もあるとのことです。コラーゲンを摂取するまでは、1年以上も治らない場合が多かったそうです。

ガッテン!より

ある調査によると、4か月間1日10gのコラーゲンを摂取した結果、約75%人の褥瘡が大きく改善したという結果が出ています。

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コラーゲンは関節炎の治療に有効

ドイツでは、コラーゲンを関節炎の治療に役立てる研究が進んでいます。コラーゲン研究所の所長エッサー博士によると、コラーゲンが関節の軟骨細胞を再生することがわかったそうです。軟骨の破壊を抑え、関節炎の進行が抑制されるというわけです。

ガッテン!より

5年ほど前からは、実際に関節炎の治療にコラーゲンが使われています。
コラーゲンには、一般的な痛み止めのような即効性はありません。効果が出るまでは、8週間から12週間と時間がかかります。けれども、痛みの元にある炎症が改善し、多くの患者がつらい痛みに耐えられるようになったとのことです。

コラーゲンが動脈硬化の予防に!?

人間の血管の20%はコラーゲンでできているそうです。伊賀瀬道也先生(愛媛大学医学部特任教授)は、血管とコラーゲンについて研究をしています。2016年6月から、50代から80代の男女にコラーゲンを毎日5g摂取してもらいました。1つのグループは本物のコラーゲン、もう1つのグループは偽のコラーゲンを摂取。その結果、偽コラーゲンを飲んだグループの血管には変化がありませんでした。けれども、本物のコラーゲンを飲んだグループは、血管年齢が平均で5歳若返ったそうです。この結果から、コラーゲンを摂取することは動脈硬化の予防になるのではと期待されています。

コラーゲンとゼラチンの関係

番組では、コラーゲンサプリの工場を取材し、製造過程を紹介していました。
コラーゲンサプリの原料は「魚のうろこ」。

ガッテン!より

うろこからコラーゲンの成分を抽出すると、ぷにぷに、ねっとりしたパスタのようになります。この状態は、グミに使われるゼラチンなのだそうです。

ガッテン!より

コラーゲンとゼラチンは、実は中身はほとんど同じ。けれども、値段は違います。コラーゲンは100gあたり1,000円から2000円、ゼラチンは500円程度です。
同じものなのに、なぜ値段がこのように違うのでしょうか?それは、コラーゲンは、体内に吸収されやすいよう精製されているからです。
コラーゲンペプチドが血液に吸収される量は、コラーゲンがゼラチンの1.8倍とのことです。

ガッテン!より

ゼラチンを使ったおいしい料理

中身がほぼ同じコラーゲンとゼラチン。日常的にゼラチンを摂取することで、コラーゲンペプチドが体内に吸収されることが期待されます。また、ゼラチンには料理をおいしくする「保水力」もあるそうです。番組では、ゼラチンを入れると、さらにおいしくなる料理を紹介していました。

●ゼラチン入りチャーハン
番組で紹介されていたのは、炊飯器で作るチャーハン。ゼラチンがごはん1粒1粒をコーティングするので、中に水分が閉じ込められます。それで、パラパラして、ふんわりした食感になるそうです。油の量が少ないので、フライパンで炒めるよりも100kcal低くてヘルシーです。
【材料】
米 …2合
ゼラチン …小さじ1
長ネギ(みじん切り) …1/2本
焼き豚(5㎜角)…50g
卵 …1個
塩 …小さじ1
こしょう …少々
しょうゆ …小さじ2
ごま油 …小さじ1/2

【作り方】
お米2合の場合は、通常の水の量から大さじ3の水を抜きます。そして、ゼラチン小さじ1を大さじ1のお湯で溶かして炊飯器に入れます。炊飯器に塩と焼き豚を入れてよく混ぜて米を炊きます。
お米が炊き上がったら、調味料と卵を混ぜ合わせたものと長ネギを炊飯器に入れ、ふたを閉めます。5分蒸らして、お米をよく混ぜ合わせたら出来上がりです。

●ゼラチン入りパスタ
1人前につき2gのゼラチンをソースに入れてパスタと混ぜ合わせると、冷めても固まりにくくなるそうです。

●ゼラチン入りスープ
スープにゼラチンを入れると、コク、まろやかさ、甘味が強くなるそうです。スープの量に対して1%のゼラチンが目安です。

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番組で紹介されていた以外にも、ゼラチンを使って料理をおいしくする方法が満載のレシピ本が販売されています。

ちょりママのゼラチンひとふり絶品おかず (別冊すてきな奥さん)
西山京子

水にも溶けやすいゼラチンです。

自然健康社 国産ゼラチン顆粒 1kg 密封袋入り
自然健康社

コラーゲンやゼラチンの健康効果についての研究がは進んでいます。けれども、どちらも薬ではなく食品です。病気の症状の改善のために自己判断で摂取してはいけません。何か症状がある場合は、必ず病院へ。また、肝臓病、腎臓病、アレルギーのある人、妊娠している人は、医師に相談してから摂取するようにと番組では注意を促していました。

まとめ

「コラーゲンを飲んでも美肌にならない!」と感じていた人は、実は肌にあまりダメージがなかったのですね。また、ゼラチンがコラーゲンとほぼ同じということも驚きでした。少しの量で普段の食事をグレードアップしてくれるゼラチン。無理のない値段で手に入るので、番組で紹介されていたレシピをぜひ試してみましょう!


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