五十肩と腱板断裂の肩こり~症状と治療~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』では、肩関節が原因の「五十肩」と「腱板断裂」について紹介していました。どちらの病気も腕が上がらなくなったり肩や腕に激痛を感じたりする症状が似ていますが仕組みや治療法には違いがあるとのことです。東邦大学医学部教授の池上博康先生が2つの病気の症状、原因、仕組み、治療方法について解説していました。

 

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五十肩の症状と原因

五十肩になると腕が上がらなくなって、服の着脱ができない、背中かかけない、髪の毛が結べないなど生活に支障がでることがあります。また、肩から腕に夜眠れないほどの激しい痛みを感じることもあるそうです。

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きょうの健康より

五十肩の原因は肩の関節付近の炎症です。滑液包と関節包(上腕筋と肩甲骨を取り囲む液体の入った袋のようなもので、骨を動かす潤滑油の役割をする)、腱板疎部や上腕二頭筋腱の周りが炎症を起こすと五十肩の症状が出るとのことです。炎症の原因は、はっきりとは解明されていないそうですが、軽いけがや加齢などが考えられると池上先生は説明していました。

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きょうの健康より

五十肩は30代から60代で発症します。その病名のとおり50代が発症のピークだそうです。

 

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五十肩の痛みの経過と治療方法

五十肩の発症から3ヶ月ほどを急性期と呼び激しい痛みがあります。この期間は、肩を動かさず安静にして薬による治療(非ステロイド性抗炎症薬などの飲み薬や貼り薬)が行われるそうです。そして、発症から3ヶ月から1年ほどを拘縮期と呼びます。炎症が治まってきて痛みが少し和らぎます。この期間は、薬物治療と同時に運動療法も行います。発症から1年以降過ぎるとほぼ完治するので薬の使用を止めて運動療法のみが行われるとのことです。
池上先生によると五十肩は自然に治りますが、肩の動きが悪くなることもあるので、その段階によって専門の医師から適切な治療を受けるのが大切だそうです。

<豆知識>

mametisiki

五十肩の炎症を抑える薬には市販されているものもあります。
【第2類医薬品】シジラック 84錠
小林製薬

自分は五十肩だと思っていても腱板断裂の場合もあるので、市販薬は忙しくて医師を受診できないときに応急処置に留めて、症状が回復しない場合は医師の診察を受けたほうが良さそうですね。

 

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腱板断裂の症状

腱板断裂は五十肩と同じように、肩や腕に激しい痛みを感じたり腕が上がらなくなったりします。けれども、2つの病気の原因や治療法には違いがあるので注意が必要とのことです。

完全断裂と不全断裂

腱板断裂は、肩関節の周りに4つある腱板という筋肉が完全に又は一部が切れてしまうことを言います。4つの腱板のうち肩関節の上にあり腕を持ち上げる働きをする腱板は、腕をあげるときに毎回骨と接するので一番擦り切れやすいそうです。腱板が完全に切れるのが完全断裂、一部が切れるのが不全断裂です。

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きょうの健康より

五十肩と症状が似ているのは不全断裂です。完全断裂の場合は、症状のない方の手で腱板断裂の腕を持ち上げることができると池上先生は説明していました。

 

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腱板断裂の治療法

腱板断裂の治療は、薬物療法(消炎鎮痛剤の内服又は注射)から始まり、次に切れていない腱板を強くする運動療法が行われます。薬物療法と運動療法で治らない場合には手術をするそうです。

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きょうの健康より

 

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腱板断裂の手術から回復まで

腱板断裂の手術には直視下手術と関節鏡下手術の2種類があり、それぞれにメリットがあるので患者の状態によって術式が決められるとのことです。
直視下手術は肩を開くので短い手術時間で腱板を強く固定することができるそうです。また、リハビリを早く始めることもできるとのことです。一方、関節鏡下手術は、切開が小さく、感染症のリスクが低くなると池上先生が説明していました。どちらの術式でも術後3日から4日で退院できます。けれども、手術でつないだ腱板が完全に付着するまでは時間が必要なので再断裂に注意しなくてはいけないそうです。そのため、定期的な医師の診断とリハビリが重要だそうです。

まとめ

今回は、五十肩と腱板断裂は症状が似ていても治療法が違うということがわかりました。ですから、腕や肩に激しい痛みを感じたり、腕が上がらなくなったりした場合は自己で五十肩だと決めつけずに、医師の診断を受けて適切な治療を受けるようにしたいですね。


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