先日の『きょうの健康』は肩こりの予防と治療がテーマでした。肩こりは、日常生活が原因のいわゆる肩こり、五十肩や腱板断裂のように肩関節が原因のもの、神経麻痺のように神経が原因のものなどがあります。番組では、肩、ひじ、手の病気の診断と治療が専門の池上博康先生(東邦大学医学部教授・整形外科医)がそれぞれのタイプの肩こりについて予防法や治療法を説明していました。
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いわゆる肩こりの予防と治療
日常生活が原因の肩こりは、肩の周りの筋肉が凝り固まってしまったことで血流が悪くなり、肩に痛みや違和感を感じます。ですから、肩こりを予防するには、筋トレやストレッチで筋肉を鍛えたり、ほぐしたりすることが大切だそうです。
また、正しい姿勢を心がけること長い時間同じ姿勢でいないことも肩こりの予防と治療になるとのことです。例えば、猫背だと頭が首の前に出ているので、首や肩の負担になり肩が凝ります。池上先生によると、肩や首に負担のかからない正しい姿勢は、肩と肩の間に頭がある状態だそうです。
きょうの健康より
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肩こり治療のためのストレッチ
番組では、肩こりを治療するための簡単な2種類のストレッチが紹介されました。
◆僧帽筋のストレッチ
1、背筋を伸ばして足を肩幅に広げて椅子に座ります。
2、肩を耳につけるイメージで持ち上げます。
3、2の姿勢を10秒から20秒保った後で力を抜き、肩を元の位置に戻します。
◆肩甲骨の周りの筋肉のストレッチ
1、腕を胸の前で組んで肩甲骨を広げます。
2、腕と胸を広げて肩甲骨を近づけます。
1、2の動作をゆっくりと繰り返します。
どちらのストレッチも5回1セットで1日3回から5回を行うと効果的だそうです。
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五十肩の治療
五十肩には、肩周辺の激しい痛みや腕が上がらないといった症状が特徴的です。ただし、似たような症状を示す他の疾患もあるため、やはり専門的に診断してもらう必要があるそうです。
また、池上先生によると、五十肩の初期は肩が炎症しているので運動は控えるべきとのことです。痛みがあるため、あまり無理に運動することもないかもしれませんが、大事を取ったほうが良いですね。炎症があるため、五十肩の治療は炎症を抑える薬物療法から始まります。
きょうの健康より
薬物療法では、非ステロイド性消炎鎮痛薬やステロイド薬が使われます。外用薬(塗り薬、貼り薬)、内服薬のほか、痛みが激しい場合には座薬やステロイドと局所麻酔を混ぜた注射が治療に使われるとのことです。非ステロイド性消炎鎮痛薬の副作用に胃腸障害があるので、胃の疾患がある場合には使用を慎重に判断しなくてはいけないそうです。
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五十肩を改善するストレッチ
五十肩の炎症が治まってきたら運動療法が治療に加わります。番組では2種類のストレッチが紹介されました。
◆ふりこ運動
立った状態で五十肩ではない方の手をテーブルの上に置いて、五十肩の腕をだらりと下げます。下げた腕で自分の近くに円を描きます。円を描く時に重力で回すようにして、力を入れないのが大切だそうです。時計周りと反時計回り各10回で1セットです。
きょうの健康より
1日3回から5回行うのと効果があるそうですが、痛みが激しい場合は、回数を減らしても良いとのことです。
◆縮んだ関節の袋を伸ばすストレッチ
椅子に座って五十肩の手の手のひらを上にしてテーブルに乗せます。五十肩ではないほうの手で、五十肩の手を引っ張り肩の袋を伸ばします。肩の力を抜いて、息を吐きながらストレッチをするのがポイントだそうです。伸ばした状態を30秒から1分保ちます。このストレッチも1日に3回から5回行うと良いそうです。
きょうの健康より
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腱板断裂の治療
腱板断裂の症状は五十肩に似ています。治療方法は薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤)と運動療法(切れた腱板を補う筋肉を鍛える)がありますが、これらで改善しない場合は、切れた腱板をつなげる手術をすることになると池上先生は説明していました。
一般的な肩こり、五十肩、腱板断裂を解消するための体操をまとめた本が出版されています。図が豊富に使われているので、自分の症状に合った体操を気軽に試してみることができます。
NHKきょうの健康 こり・痛みを自分で解消! 肩すっきり体操 (生活実用シリーズ)
伊藤 博元
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神経まひの治療
肩の周りの筋肉が痩せてしまうと最終的には神経麻痺になる場合もあるそうです。神経麻痺の症状には痛み、しびれ、腕が上がらないなどがあります。神経麻痺の治療には、投薬療法と運動療法があります。いずれにしてもこのような症状が出た場合は専門医を受診する必要があるでしょう。
まとめ
日常生活が原因の肩こりは姿勢を正しくすることを心がけたり、こまめに姿勢を変えたりすることで随分改善されるということがわかりました。デスクワークで長時間同じ姿勢で座っているために、ひどい肩こりに悩まされている人は多いと思います。今回紹介されていた肩こりの予防や治療になるストレッチは、椅子に座ってできるものなので、仕事の合間に取り入れると肩こりが改善されて仕事の効率も上がるかもしれませんね。