妊娠中の薬とサプリメントの注意事項~きょうの健康より

妊娠中に薬を服用しなくてはいけない状況になったときには、胎児への影響が心配になってしまうと思います。先日の『きょうの健康』は、「妊娠中の薬やサプリメント」をテーマにしていました。持病がある人の妊娠や母性内科学が専門の村島温子先生(国立成育医療研究センター・妊婦と薬情報センター、センター長)が、妊婦が注意した方がいい薬やサプリメントについて説明していました。

 

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妊婦が使える薬、注意するべき薬

妊娠中は、全ての薬が使用できないわけではありません。ただ、胎児や母体に影響を与える薬の使用には注意することが重要だとのことです。処方箋薬に比べて、市販薬は効き目が弱いから胎児に影響がでないというイメージを持っている人もいるようです。けれども、市販の風邪薬や解熱・鎮痛薬にも、胎児に悪影響を及ぼす成分が含まれているものもあるとのことです。
風邪薬、解熱・鎮静剤に含まれる成分で比較的安全なものは「アセトアミノフェン」、注意をしなくてはいけないのは、非ステロイド性消炎鎮痛薬・NSAIDsの「イブプロフェン」と「ロキソプロフェン」です。注意が必要な薬を妊娠後期に大量に使用すると、胎児の動脈血管が収縮して心不全や胎児水腫が起こる場合があると村島先生が説明していました。
市販薬の服用については自己判断せず、医師などの専門家に相談することが大切なのですね。

 

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持病がある妊婦が薬の使用で注意するべきこと

妊婦が持病の薬の使用を自己判断でやめてしまうと、赤ちゃんを守るつもりが持病を悪化させて母体にも胎児にも悪影響を与えることがあるそうです。持病の薬の使用についても、必ずかかりつけの医師に相談することが大切です。また、産婦人科医にも、使用している薬についてはしっかり伝えることが赤ちゃんと母体を守ることになります。
妊娠初期(受精後から1か月)に薬を使用した場合、後遺症を残すことなく回復することもありますが、着床できずに流産してしまう場合もあるそうです。妊娠が分かってからではなく、妊娠を希望したときから薬の使用には注意をしなくてはいけないとのことです。

 

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妊娠2か月から4か月(14週未満)に注意するべき薬

村島先生によると、妊娠2か月から4か月が薬の影響を一番受けやすく、薬によって先天異常が起こる場合があるそうです。それは、この時期に、心臓などの臓器や手足が形成されるからとのことです。

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(画像の表で、赤色が濃いほど薬の影響が大きいことを表している。)

きょうの健康より

この時期に妊婦が使用に注意しなくてはいけない薬の1つに抗血栓薬の「ワルファリン」があります。ワルファリンは、本来は妊娠を計画した段階で使用を中止するべき薬だそうです。けれども、妊娠を計画しても、すぐに妊娠できるとは限らなので、妊娠が分かったらすぐに他の薬に変更するようにと村島先生は話していました。

また、全身性エリテマトーデスの治療薬で、昨年保険適用になった免疫抑制薬のミコフェノール酸は、妊娠の6週間以上まえに使用を中止することが望ましいそうです。
その他、抗てんかん薬や片頭痛の予防薬に含まれるパルプロ酸、抗がん剤・抗リウマチ薬のメトトレキサートもこの時期の使用には注意が必要とのことです。

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きょうの健康より

さらに、ビタミンAをこの時期に取りすぎると先天異常が起こる危険が高くなるので、ビタミンAのサプリメントを摂取する場合は、適量を守ることが大切だそうです。

 

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妊娠4か月以上(14週以降)に注意するべき薬

妊娠4か月を過ぎると、母親が使った薬が胎児の発達を抑制や臓器障害の原因となる「
胎児毒性」が起こる場合があるそうです。

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(画像の表で、紫色が濃いほど薬の影響が大きいことを表している。)

きょうの健康より

妊娠中期からは降圧剤(ACE阻害薬、ARB)、後期からは非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の使用に注意が必要とのことです。

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きょうの健康より

また、精神神経系薬(SSRI、ベンゾジアゼピン系、抗不安薬)の使用は、新生児薬物離脱症候群(おっぱいの飲みが悪くなる、震え、不機嫌)の原因になることもあるそうです。ただ、新生児薬物離脱症候群は一時的なもとのことです。妊娠、出産には心が安定していることが大切なので、自己判断で薬をやめず、メンタルの主治医に必ず相談することが重要だと村島先生は説明していました。

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村島先生は、妊婦の薬やサプリメントに対する疑問をQ&A形式でまとめた本の編著をしています。

妊娠・授乳と薬の知識―飲んで大丈夫?やめて大丈夫?
村島 温子

 

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まとめ

妊娠を計画しているときや妊娠中は、とにかく自己判断で薬を使用したり、持病の薬の使用をやめたりしてはいけないということが分かりました。かかりつけの医師や産婦人科医に相談して適切な対応をすることが、母体と赤ちゃんを守ることになるのですね。また、番組で紹介されていた国が運営する「妊婦と薬情報センター(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/)」も相談窓口として覚えておきましょう。


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