口内炎・口角炎の予防と対策~治らない時は病気の可能性も~あさイチより

口内炎になると、美味しい食事も美味しくなくなってしまいますよね。
口の粘膜に起きた炎症である口内炎には、原因やきっかけもいろいろとあるそうで、なかには回復まで3年以上かかる怖い病気であることもあるといいます。
今回は、口内炎に関する様々な情報を紹介していた『あさイチ!』をまとめておきたいと思います。

 

スポンサーリンク

 

常に口内炎がある

番組アンケートでは、回答した女性の7割が年に何度も口内炎が出ると回答していました。

20170201113422

あさイチより

ほぼ毎月出るという人も多く、「20年間ずっと出続けている」という人もいました。

子供の頃から口内炎に悩み、今でもほぼ毎月発症しているというFさん(30代女性)は、「できなかったらその月はラッキーだと思うほど」、口内炎があるのが当然という状態だそうです。
唇の端や、奥歯の辺りの頬の内側、舌などによくできるそうです。

20170201113724

あさイチより

口の中を噛んでしまってその場所が炎症を起こすこともあれば、気づくとできていることもあるそうで、はじめは赤い傷のような状態から1週間くらい時間をかけて膿のように白くなるという特徴があると話していました。

口内炎ができるとつらくなるのが食事です。
下図は、Fさんが口内炎になった時に食べると痛いと感じるという食材です。

20170201113844

あさイチより

酸っぱいものやアクのある野菜、甘みのあるものが特に痛いそうです。
主婦であるFさんは「どれも健康に良いものなので、自分が痛くても食卓に出さない訳にはいかない」と、日常の食事の難しさについて話していました。

それでもFさんは病院には行っていないそうです。
健康診断のときなどには相談しているそうですが、医師からはこれというアドバイスもなく、「うまく付き合ってください」と言われるだけなので一向に改善していないそうです。

 

スポンサーリンク

 

口内炎ができる原因

口内炎のもとになるのは口内細菌です。
何らかの理由で粘膜に傷がつくと細菌がそこに寄ってきます。すると白血球や傷を治す物質が出てきて、菌を退治しようとします。その“戦い”の跡として現れるのが口内炎です。このようにして現れる白い口内炎を「アフタ性口内炎」といいます。(アフタというのは粘膜の組織が損なわれる「潰瘍」という意味だそうです。)

口腔外科専門医の新谷悟氏によると、疲れやストレスがたまっていたり栄養が不足していたりすると口内炎ができやすくなるそうです。このようなときは身体がストレスを感じて、唾液の量が減ります。唾液は免疫を司っているので、口内の抵抗力が低下することになります。
口内にできる傷は、魚の骨が刺さったり噛んだりしてできるというイメージがありますが、冷たい・熱い食べ物の刺激や、口が乾いて口内が荒れることで生じることもあるそうです。

口内炎の予防法

新谷氏は以下のような予防法を紹介していました。

・唾液マッサージ
唾液をつくる顎下腺(がっかせん)があるアゴの下あたりと、舌下腺(ぜっかせん)があるベロの下、そして耳下腺(じかせん)という耳のやや前の下側あたりをマッサージすると、唾液が出てくるそうです。
親指でアゴの骨の内側を押しながら、耳の前の辺りをマッサージするといいそうです。

・うがい
唾液の出る量が少ない人は、唾液が足りていない分うがいをして口内細菌を洗い流します。特に薬剤などは用いず水道水で大丈夫だそうで、1日数回(特に寝る前に)行うようにします。

・水分補給
口の水分が足りないと口内が湿潤状態にならないので、口内炎になりやすくなってしまいます。こまめな水分補給を心がけましょう。

・栄養と睡眠
口内炎は疲れのサインなので、ゆっくり休むことが大切です。栄養では特にビタミンBが予防に役立ちます。
お酒を口内に含むことで“アルコール殺菌”になるという話もありますが、新谷氏によるとアルコール自体刺激が強いため、粘膜を傷つけてしまってよくないそうです。

できてしまったときに早く治す方法

口内炎に悩むFさんは、長年様々な対策法を試してきました。
たとえば様々な種類のマウスウォッシュを試したそうですが効果は得られず、栄養面を考えてビタミン剤を飲むようにもしたそうですが、それでも効果は得られませんでした。さらにはハチミツの殺菌効果を期待して患部に塗ったりもしたそうですが、強い痛みを感じるだけで何も変わらなかったそうです。

これを聞いた新谷氏は、マウスウォッシュを使用する際の注意点を指摘していました。マウスウォッシュのなかには殺菌作用がとても強いものもあるので、逆に粘膜を傷つけてしまうこともあるそうです。また、マウスウォッシュをした後にしっかりと口を水ですすぐことも大切だそうです。マウスウォッシュの効果で細菌を凝固させるので、それが残っていると口内の正常な細胞によくないそうです。
ハチミツを塗るのもよくないと指摘していました。「多くのハチミツには水飴が入っている。糖分が細菌の養分になってしまう」ため、逆効果だといいます。傷にしみると“効いている”と考えてしまいがちですが、刺激が強いというのは粘膜を傷つけているということだそうです。
ビタミン剤については、健康的な食事をしているならばそれ以上摂る必要はないため、食事の栄養バランスを考えたり毎食後しっかりと歯磨きをしたりするなどの基本的な対策が一番効果的だそうです。

なぜ口内炎を繰り返すのか

番組では、新谷氏のクリニックでFさんを検査していました。ストレス検査、唾液量の検査、粘膜の異常を調べる検査などを行います。
Fさんの唾液中のアミラーゼは41という数値で、これは軽いストレスがあっても口内炎を起こすほどの数値ではないそうです。唾液量の検査は数値30以上あれば異常なしとされており、Fさんの検査結果はちょうど30だったので、これも問題ありませんでした。
これらの結果を受けて新谷氏は「ストレス等で交感神経優位になり、唾液が少なくなったことによる口内炎はないかな」と話していました。
次に、口内に特殊な光を当てて粘膜の異変を見つける装置で口全体を検査していました。すると、口内炎がよくできそうな部位3ヶ所が見つかりました。
3ヶ所の共通点は、銀歯の周辺ということでした。

銀歯が口内炎を引き起こす理由は、「物理的な刺激」と「アレルギー」が考えられます。「物理的な刺激」というのは、つめものの隙間や表面がザラザラしていることによる刺激という意味で、それによって粘膜が傷つけられ、口内炎が発症しやすくなります。
「アレルギー」というのは、金属のイオンが溶け出し、それに対して過剰な反応を示すことです。詰め物をして何年、何十年もしてからアレルギーが出てくるということもあるそうです。

これらと関係なく、胃潰瘍と同じように自然に口内炎ができてしまうこともあるそうですが、発症してから2週間以上経っても治らないという場合は病院へ行くようにしましょう。長年同じところに繰り返し出来る場合も、違う病気で口内炎が起きているかもしれないので、歯科や口腔外科、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科などで詳しく調べてもらうとよいでしょう。

 

スポンサーリンク

 

薬の使い方

東京逓信病院の薬剤師・大谷道輝氏が、口内炎の薬の適切な使い方について解説していました。

Q、軟膏やスプレータイプ、貼る薬(パッチタイプ)などがあるが、できた部位によってどのタイプの薬が一番良いか知りたい。
A、複数できた場合は広い範囲をカバーできるスプレーか塗り薬が適しています。逆にひとつだけできている場合や舌にできてしまったときにはパッチタイプが適しているそうです。ひとつだけできた場合でも、のどの奥の方である場合には貼ることが難しいのでスプレータイプを使いましょう。炎症の痛みが激しくてとても触れないような場合もスプレータイプにするといいでしょう。

Q、薬をぬってもすぐにとれてしまうのですが…
A、まずはうがいなどをして口の中をキレイにしてから、脱脂綿やコットンを用いて傷の周りの余計な水分をとるようにします。それから綿棒を使って傷の周りからぬっていき、最後に患部の上にかぶせていくようにするといいそうです。
唾液などですぐに流されてしまいそうですが、1時間以上薬効がもつ人が6割以上だそうなので、正しいぬり方をすれば十分な効果が期待できると話していました。

口内炎の薬は炎症を和らげる効果のある薬が多いそうです。
それらはステロイドが入っているものと入っていないものとに大別できるので、痛みが強いときはステロイドが入っているものを、痛くないときにはステロイドが入っていないものを使用する、というように使い分けるといいそうです。

ただの口内炎と思いきや…

「口内炎が年に何回か出ていた」という60代の女性は、中年になってから口の中をよく噛むようになり、そこが口内炎になるということを繰り返していました。4年前に頬の裏に口内炎ができたときも、「いつもより炎症している範囲が広いな」程度に軽く考えていたそうです。
しかし、その口内炎は数ヶ月かけてだんだん広がっていき、赤い部分が頬の裏側全体に広がってしまったそうです。痛みも感じるようになってきたため歯科医に相談したところ「大学病院で診てもらったほうがいい」と言われ、大学病院では「口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)」と診断されました。

口腔扁平苔癬になると粘膜が赤く腫れ、一部は変質して網状の白いもやもやとした模様が生じます。ごく稀にがん化することもあるという怖い病気で、この女性は完治するまで3年以上かかったそうです。
新谷氏によると「銀歯など金属を外すことで治る人もいる」そうですが、アレルギーや遺伝、自己免疫疾患、ストレス等が原因で発症するそうです。
通常の口内炎との見極めは非常につきにくいのですが、すごくしみるのが特徴だそうです。

この他にも、口内炎と見極めるのが難しい病気があります。

・白板症

20170201113949

あさイチより

原因は喫煙やアルコール、物理的刺激などだそうで、歯の抜けた跡などの刺激でも生じることがあるそうです。5〜10%の確率でがん化します。

・紅板症

20170201114045

あさイチより

原因は白板症と同じですが、半数ががん化してしまう恐ろしい病気です。
紅板症のほうががん化しやすい理由について、新谷氏は「粘膜は、もとはピンク色をしている。しかし刺激で分厚くなると白くなり、さらに刺激で押しつぶされると赤くなる。正常の細胞が押しつぶされているわけだから、よりがんになりやすい」と説明していました。

 

スポンサーリンク

 

口角炎

唇の端にできるものを「口角炎」といいます。
細菌や真菌、ウイルスなどに感染することにより発症し、白色ワセリンや抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬などを用いて治療します。

これが一般的な口角炎ですが、日常生活のある習慣で発症してしまうこともあるそうです。
ある女性(50代)は4年前に口角炎になりました。
なかなか治らなかったので病院へ行き、白色ワセリンを処方されましたが治らず、次に皮膚科に相談したところ「カビが原因でしょう」と抗真菌薬を処方されましたがやはり治らなかったそうです。

さらにビタミン剤などを試してみてもまったく治らなかったという女性ですが、口角炎になっていた原因は意外にも歯磨き粉でした。
歯磨き粉の成分の中には人によってアレルギーを起こす物質が含まれているそうです。女性はテレビを見ながら歯を磨く習慣があったそうで、そのときに口角に歯磨き粉が付着していたと考えられます。口のすすぎもしっかりとしていなかったため、長時間にわたって口角に歯磨き粉がついたままになっていたのです。
原因がわかってからは歯磨き後のすすぎを徹底し、拭き残しを確認するようにしたので、口角炎はおさまったそうです。

口紅やリップクリームでも拭き落としで口角炎を引き起こすことがあるそうなので、長年口角炎に悩まされている方は使っている歯磨き粉や口紅などを別の商品に変えてみるといいかもしれません。

口内炎に関する質問

最後に、新谷氏が視聴者からの質問に答えていました。

Q,口内炎になる人と全くならない人の違いは?
A、ストレス等を原因として発症することも多いですが遺伝の可能性もあるため、体質の違いということになるそうです。

Q、生理前に必ずなるのですが…
新谷氏は「女性ホルモンのバランスが変わると口内の粘膜の強さも変わるので、生理と口内炎には関係があると思う」との見解を話されていました。
対策にはビタミンBの摂取やうがい、バランスの良い食生活をなどが有効だそうです。

Q,一箇所出来ると別な箇所に出来ることがある。口内炎はうつるの?
ウイルス性のものならうつる可能性はありますが、通常の口内炎ならうつるということはないそうです。通常の口内炎なのに次々と出てくるということならば、できやすい場所、刺激が与えられやすい場所があって、集中的に出来てしまうと考えるそうです。

Q、口の中を噛むのは太っているから?
肥満が原因となることも多少はあるかもしれませんが、疲れや食いしばりや歯ぎしり、かみ合わせの悪さなどが噛んでしまう主な原因だそうです。

Q、暴飲暴食をして胃が荒れると口内炎になる?
現時点ではわからないそうです。ただ、胃が荒れると(食事が満足に取れなくなるため)栄養のバランスが崩れて、口内炎がなりやすくなるというのはあると話していました。

Q、過敏性腸症候群と診断されたが、胃腸と口内炎は関係ある?
同じ消化管なので関係があると考えられるそうです。ただしそれよりも、こういった症状があると栄養が十分に吸収できないため、その影響で口内炎になると考えられると話していました。

 

スポンサーリンク

 

まとめ

口内炎は身近な疾患であるだけに、誤った知識が広がっている印象があります。
特に誤った治療法を実行すると逆効果になってしまうこともありますので、今回紹介された知識を取り入れてしっかりと治療し、それでも治らない場合は白板症などを疑って病院で診てもらうようにしましょう。


スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。