水虫の原因と症状、ならないための対策~チョイス@病気になったときより

日本人の10人に1人が罹っているという水虫。
水虫は1度なってしまうと繰り返し症状が出やすいという特徴があり、放っておくと命に関わる病気になる可能性もあります。
今回は、水虫に関する情報を詳しく紹介していた『チョイス@病気になったとき』を中心にまとめていきたいと思います。

 

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水虫はうつる

Iさん(30歳主婦)は小学3年生のときに、最初の違和感を感じました。
足の指の間や爪の周り、側面にぶつぶつができて皮がめくれ、すごく痒かったそうで、皮膚科に行くと水虫と診断されました。

水虫は白癬菌というカビの一種が角質層の奥に入り込んで引き起こされます。

感染者の菌を含んだ角質が剥がれて床に落ちて他の人に感染が広がっていくのですが、Iさんもお父さんが水虫だったそうです。(白癬菌は、こぼれ落ちた角質の中でも半年から1年近く生き延びるので、プールやジム、銭湯などにはかならずいると考えたほうが良いそうです。

帝京大学医学部附属溝口病院の清佳浩氏は「角質の中にいる白癬菌は長生きする。不特定多数の人が裸足になるところだと、まず絶対いる」と話していました。

白癬菌はケラチンを栄養源にしているので、足だけでなく髪の毛や爪、からだ中の皮膚などどこでも感染する可能性があります。表面の方にいるだけでは体は反応しませんが、「顆粒層」にまで到達すると症状が出てきます。

チョイス@病気になったときより

菌と戦うために水ぶくれができたり、痒みが出たりするのです。

先述の通り、裸足になるような場所には必ずといっていいほど菌がいるのですが、清氏は「それよりも家の中の方が注意を要する」と指摘していました。
家族に水虫の人がいると、お風呂のマットやスリッパなどだけでなく、素足で歩く場所全てに白癬菌がいる可能性があります。ペットの毛にも白癬菌が着いている可能性があるほどだそうです。
菌は角質の中にいるのでアルコール消毒では死にません。マットを洗濯したり掃除機をかけたりなどして、こぼれ落ちた角質をなるべく除去するようにする必要があります。

 

ただ、菌が付着してもすぐに水虫になるわけではありません。表面についてから角質の中に入り込んで水虫になるまでには時間がかかります。

皮膚の表面に細かい傷があると角質層に侵入していき、12時間ほどで水虫になると言われており、傷がない場合は24時間ほどかかるそうです。
つまり、12時間毎に足を洗うことで、水虫はかなりの高確率で防ぐことができるのです。
さらに、水虫にはなりやすい季節というものが存在しますので、それを頭に入れて注意深くケアすれば、予防はさらに確実になります。

 

チョイス@病気になったときより

白癬菌は湿度80%以上、温度25%以上という条件で活発に活動するので、女性は6月にピークを、男性は7月にピークを迎えます。
この季節は特に注意するようにしましょう。

 

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足の洗い方

清氏によると足を洗うのは普通の石鹸で良いとのことでした。
よく泡立てて、指の間をしっかり洗います。さらに足の裏や付け根までしっかりと洗うようにします。
たとえば靴下を履くくらいでは水虫菌が入ってくることを防げないので、毎日きれいに洗うようにしましょう。

20年間悩まされ続けた水虫が治った

Iさんは水虫になるたびに塗り薬をぬり、毎回半年ほどできれいになっていたそうですが、1ヶ月も経つとまた水虫の足に戻ってしまっていたそうです。「なっては治りを繰り返して、気づいたら20年くらい経った」とIさんは話していましたが、治療をきちんと続けることで水虫が治りました。
再発を繰り返していた原因は、見た目がきれいになるとすぐに薬をぬることをやめていたことにありました。
清氏によると「新しい角質に入れ替わるまでは約3ヶ月かかる。治療を初めて、きれいになってからもさらに3ヶ月治療を続ければ治すことができるといいます。

見た目はきれいになっても角質の奥に白癬菌が潜んでいる可能性はあるので、その奥の角質が表面に出てくるまで薬をぬり続ける必要があるというわけです。(かかとは体の他の部分よりも角質層が20倍ほども厚いため、これだけ時間がかかるそうです。)

薬のぬり方にもポイントがあります。
患部以外の見た目にはきれいな部分まで含めて、くるぶしの方まで足全体にたっぷりとぬるようにします。白癬菌は見えないところに隠れているかもしれないので、必ず全体に塗る必要があります。

 

水虫の治療薬

水虫の治療薬には飲み薬もあります。

チョイス@病気になったときより

塗り薬は塗りはじめて5日もすれば表面から菌がいなくなりますが、爪水虫など奥に潜んでいる白癬菌にはあまり効きません。
一方、飲み薬は頭のてっぺんから足先まで、どこにいる白癬菌にも効果的ですが、高齢の方や肝臓が悪い人には使えないこともあります。
さらに薬にも種類があり、種類によって飲み方が変わります。

 

チョイス@病気になったときより

価格は以下のようになっています。

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見た目や症状だけでは水虫かどうかの判断は難しい

Tさん(46歳男性)は2015年1月に、足に違和を感じました。かゆみのあるポツポツとしたものが出はじめ、皮もめくれたそうです。

Tさんは「前に1回同じような状態になった時は異汗性湿疹だと言われたので、水虫だとは思わなかった」そうですが、病院で診てもらうと水虫でした。
美容師のFさん(29歳女性)は2016年6月、ネイルサロンで足を出している時に、ネイリストに親指の異変を指摘されました。爪の付け根が茶色になっていましたが、まさか水虫だとは思わず、そのままネイルを塗ってもらったそうです。
数日後、その親指の爪だけネイルが禿げて爪が割れて、ふやけてしまっていたそうです。病院へ行くと水虫と診断されました。「まさか自分がなるとは思っていなくて、ショックだった」と話していました。

清氏によると「爪はケラチンのかたまり。白癬菌が食べることで、爪が破壊される」そうで、水虫のイメージである“ジュクジュクしたり皮がむけたりする”だけが水虫ではないのです。
水疱ができることもあります。

チョイス@病気になったときより

右側は汗疱状白癬(小水疱型足白癬)という種類の水虫です。

さらに、清氏によると、あかぎれの患者の約2人の1人が水虫だそうです。

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見た目はほとんどあかぎれですが、角質増殖型水虫という水虫です。
水虫である場合には割れているところに白い角質があるという特徴があります。
この種類の水虫はかゆくはならないそうですが、痛みがあるという特徴があるそうです。
このように、水虫のイメージとは違った症状が現れることがあるため、本人が水虫であると気づきにくいのです。

 

 

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爪水虫について

爪水虫は、爪や爪の周囲に生じる水虫です。
かゆみもなく、グジュグジュになるわけでもないので水虫のイメージとは違いますが、日本人の10人に1人は爪水虫をもっているという説もあるそうです。

以下のような異常が出ている場合は、爪水虫を疑ってみましょう。

 

・ 爪周りの皮膚が分厚くなって、ガサガサしている
・ 爪の一部が白や黄色っぽく濁っている
・ 爪が分厚くなり、ボロボロと崩れる
・ 靴を履くと押されて、痛みが生じる

先述の通り、治療では飲み薬が中心になりますが、肝機能障害を起こすなどの副作用があるため、定期的に血液検査をする必要があります。また、他に持病がある場合は薬の飲み合わせにも気を付けなければなりません。
一方で、神楽坂肌と爪のクリニックの野田弘二郎院長によると、「強力な抗菌作用があるため、爪以外の水虫に対しても優れた治癒率を示す」というメリットもあるそうです。

「身体全体に薬が行き渡るため爪以外にも効果が現れ、同じ白癬菌が原因の股部白癬(こぶはくせん)や踵など、皮膚の深いところにあって外用薬の効きにくい角質増殖型と呼ばれる水虫も同時にしかも強力に治療できる」そうで、ひとつの患部だけを治せば完治するとは限らない水虫の特性によく合った治療法であるようです。

しかし近年、爪水虫にも対応した塗り薬が登場したそうです。塗り薬なら血液検査の必要もなく、1日1回ぬればいいだけなので、時間的にも金銭的にも楽になりました。

放っておくと手の爪など他の部位に感染する可能性もあるため、爪に異常が見つかった方は医師に相談して、自分にあった治療法を見つけましょう。

参考:
爪水虫の怖さ
ロート製薬「爪水虫」

その一方で、清氏によると「水虫だと思って病院に来る人のおよそ3分の1は水虫ではない」といいます。

誤解が多い疾患には、たとえば「異汗性湿疹」があります。

チョイス@病気になったときより

これは足のあせものようなもので、少量の汗が溜まってその刺激で痒みが出る病気です。ステロイドや詰まった汗腺を溶かす薬で治療します。

それから「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病気であることも多いそうです。

チョイス@病気になったときより

この病気には様々な原因があるそうですが、扁桃腺などに少量の菌がいて、それに対する体の反応として発症することもあるそうです。抗生物質を飲んだりステロイドを塗ったりして治療します。

このように、水虫のようで水虫でなかったり、水虫ではないと思いきや水虫だったりと、素人目には判断がつきにくいのが足の病気の特徴であるようです。
足に何らかの変化が出た場合は、医療機関で角質等を採取してもらい、顕微鏡で調べてもらうようにしましょう。数分で水虫かそうでないかがわかるそうです。

 

水虫対策

水虫への対策として良さそうなものとして行われるものの中には間違っているものもありますので、ひとつずつ見ていきましょう。

足をゴシゴシ洗う…☓
丁寧に洗う必要はありますが、ゴシゴシと洗ってはいけません。傷を作って白癬菌の入口を作ってしまいます。

ドライヤーで足を乾燥させる…◯
冷風で乾燥させると有効だそうです。

寝る時に五本指の靴下を履く…☓
靴下を履くと中の湿度が上がってしまいますから、よくありません。
ただ、ガーゼを足の指に巻くのはいいそうです。


※画像では手の指で説明していますが、足の指で同じように巻いてみてください。
指の付け根に巻くようにします。ガーゼは毎日取り替えるようにしましょう。

チョイス@病気になったときより

部屋を雑巾がけする…◯
落ちている角質を除去できるので、有効です。

靴を毎日変える…◯
靴の中の湿度を下げるという意味で有効です。
職場では別の靴を履くなどの対策もいいでしょう。

水虫を放置していたら…

Nさん(68歳男性)は就職後に革靴を履くようになって以来40年の水虫歴で、「放っておいても苦にはならなかった」そうで、定年退職後は毎日1万歩のウォーキングを趣味にしていました。
しかし、2年ほど前のある日、足の指と指の間に赤い点々が突如として現れ、それらが1〜2日でどんどん膨らんでいき、強い痒みに襲われるようになりました。
その後も状態は急激に悪化していき、サンダルが履けないほどまで足が腫れ上がってしまったそうです。

チョイス@病気になったときより

地面に足をつけるだけでも痛むので歩けなくなってしまい、さらには39度の高熱まで出てきたそうです。
耐えきれずにNさんが病院へ行くと「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と診断されました。

蜂窩織炎は、小さな傷や毛穴から体内に細菌が入り込んで発症する病気です。皮膚が赤くなって高熱が出ることもあり、放置していると死亡する可能性もあるといいます。
水虫の場合、足の指の間に水ぶくれや傷ができやすくなっており、細菌の入り口が常に開いている状態ですから、Nさんの場合は水虫が原因でなったと考えられます。
抗菌薬の点滴で容態が回復した後に水虫の治療も本格的はじめたNさんは、1年がかりで水虫を完治させたそうです。

 

水虫が誘発するその他の病気

水虫の症状が強いと、菌に対するアレルギー反応によって体中に細かいぶつぶつが出る「白癬疹」が出ることもあります。
また、「リンパ管炎」という、菌がリンパ管の中に入って炎症を起こす病気もあります。これに罹ると足先から足の付け根まで赤い筋が出てしまったりするそうです。
一番怖いのは糖尿病の人です。水虫をしっかりと治療しないと、足の指が壊疽する(死んでしまう)こともあるそうです。

 

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まとめ

今回は水虫に関する情報をまとめてまいりました。
水虫は数ヶ月かけてしっかりと治療すれば完治するということさえ知っていれば、繰り返し悩まされることもなくなるでしょう。
ただし、水虫かどうかを自分で見極めることは難しいということでしたので、異変があれば病院で診てもらうようにしましょう。

 

 


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