頻尿・残尿・尿漏れをすっきり改善~ガッテン!より

尿に関するトラブルに、多くの人が悩まされています。
「新幹線の座席は必ず通路側を選ぶ」ですとか、「映画館では上映開始前にトイレに行かなければ不安になる」など、日常生活に大なり小なり支障をきたすようになってしまうのが尿の悩みです。
代表的なものに「尿もれ、残尿感、頻尿」があり、これらはまとめて「三大不快尿」とも呼ばれており、すべてぼうこう(膀胱)に生じるある変化が原因で起こることがわかっているそうです。そして、ちょっとした努力をするだけで簡単に治ることも明らかになっているというのです。
そこで今回は、尿のトラブルを解決する具体的な方法を紹介していた『ガッテン!』をまとめておきたいと思います。

 

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ぼうこうの変化

健康な人のぼうこうのX線写真を見てみましょう。

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ガッテン!より

尿がたまっていないときは、何も写りません。
ところが、尿がいっぱいまでたまると…

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こんなに膨らみます。
ぼうこうには、だいたい300〜500mlはためられるそうです。

三大不快尿は、多くの場合このぼうこうの弾力感に起因するといいます。
ぼうこうが伸びにくくなると膨らみにくくなるので容量が小さくなり、すぐにトイレに行きたくなります。これが頻尿です。
また、縮みにくくもなるので尿に勢いが出ず、残尿感が残るようにもなります。
そして、出口部分にも弾力がなくなるので、尿もれが起きやすくなるのです。

体操でぼうこうを柔らかくできる

北海道旭川市では、市をあげて介護予防の体操を実践しているそうです。
専門家がまとめた報告書によると、この体操に参加した9割の人が、おしっこの状況が劇的に改善したといいます。

体操に参加した方は、

「以前は(尿もれ対策の)パットを使っていたが、いまは使っていない」
「中に入っている感じがなくなった」
「我慢しなくても良くなったから若返った感じ」

などなど、尿に関するトラブルの改善を実感しているようでした。

深刻な症状が回復した人もいました。
参加者のIさん(68歳女性)は4年前から頻尿に悩まされていました。「買い物に行くにもトイレをまず探していた」というIさんの症状は次第に悪化し、日常生活にも影響を及ぼすようになりました。「台所を見るともう我慢できない。顔を洗っても、水を触っても、連想してトイレに行きたくなった」というほど悪化してしまったそうですが、前述の市の体操に通い始めた途端に、症状が劇的に改善したそうです。

どうしてこのような変化が起こるのでしょうか?
順天堂大学医学部泌尿器科教授の堀江重郎氏によると、「お尻をしめたり緩めたりすると、ぼうこうが柔らかくなる」といいます。

肛門をしめたり緩めたりすると、骨盤の底にある骨盤底筋の一群を動かすことができるので、ぼうこうに血が流れていきます。筋肉は酸素があってはじめて柔軟性を持って動けるので、血液が酸素を運んだ結果、そのような改善がみられるというのです。

下の画像の中心あたりにある白いものは、ネズミのぼうこうです。

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ぼうこうを取り囲む水に酸素を供給することをやめたとたん、ぼうこうの伸び縮みが悪くなります。

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これは人間も同じなので、身体が冷えたり血流が悪くなったりする生活を長く送っていると、ぼうこうが固くなる確率が高くなります。ぼうこうは心臓から遠いところにあるので、手足のように血流の変化の影響を受けやすいそうです。(ですので、軽度の不快尿ならばカイロで温めることで改善が見込まれるそうです。

ぼうこうの固さは温度に関係があるということで、お尻をしめたり緩めたりする運動をする前と後のサーモグラフィー画像を見比べていました。

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明らかな変化がみられます。
「5秒間肛門をしめる」という簡単な運動を3回行っただけで血流が改善し、運動後1時間経っても温まったままになっていました。

体操のポイント

骨盤底筋の穴が開いているところが肛門です。

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この肛門を5秒間しめ続けて、

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パッとゆるめます。

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肛門をしめやすい、以下の3つの姿勢でやるのが効果的だそうです。

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目標は1日20回。少しずつでも毎日やるのが大切です。
4週間で効果が現れ、3ヶ月で多くの人の症状が改善するそうです。

 

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放尿の時間

ジョージア工科大学のデビット・フー准教授は、放尿に関する研究でイグノーベル賞(ノーベル賞のパロディ)を受賞しました。

教授は流体力学が専門ですが、息子さんのおむつを替えていておしっこをかけられてしまった際に、赤ちゃんの小さな体にもかかわらず長い時間おしっこを出していたことに驚いたといい、「大きな動物ならどれだけ長いのだろう」という疑問を抱き、動物のおしっこの長さを調べる研究を始めたといいます。
フー准教授は近所の動物園でおしっこを撮影し、時間を計測しました。おしっこの容量も計測し、さらにはさまざまな動物の尿道をあつめてサイズの分析もしたそうです。
こうして40種類の哺乳類を調べた結果、種によらずぼうこうの大きさは体重に比例して大きくなり、尿道の太さも身体のサイズに応じて一定割合で太くなっていくことがわかったそうです。
つまり、体の大きさが違う動物でも、おしっこにかかる時間はほぼ同じということを突き止めたのです。
具体的には、放尿の平均時間は約21秒だそうで、敵がいる野性の状況下でも安全に尿が出来る時間なのではないかと考えられているそうです。

これは人間も同じなのでしょうか。
番組では2017人を対象に調査をし、その結果、おしっこにかかる時間は平均20.15秒だったそうです。他の哺乳類とほぼ一緒です。
ただ、男女の差はあったそうです。

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ガッテン!より

時間に関しては、若い人ほど放尿の勢いが良いため短めになり、歳を取るほど長くなるという傾向が見られます。平均と比べて男性なら10秒以上、女性なら5秒以上時間が長い人はぼうこうが固くなり始めていて、おしっこを出す力が弱くなっていると考えられます。
逆に、平均時間より短い人はぼうこうが固くなっていて、尿を十分にためられなくなっている可能性があるそうです。
どちらの場合でも、お尻体操を始めるようにしましょう。

 

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習慣が引き起こす頻尿

東京でウェブデザイナーをしているOさん(36歳男性)は頻尿に悩まされていました。
「限界に来る頻度があまりにひどく、10分おきにくることも。毎回ぼうこうがパンパンで、溢れ出そうな感じがした」といいます。外出する際にはあらかじめ地図にトイレの場所をチェックするなど、生活に支障が出ていました。

トイレを頻繁に行く習慣は中学生の頃から始まったそうです。引っ込み思案だったOさんは先生に「トイレに行きたい」と言えなかったので、念のためという感じでトイレに行っておく習慣ができてしまったそうです。
そのまま大人になったOさんでしたが、「結婚式のときに、新婦側に恥をかかせられない。乾杯の挨拶中に抜けられない」という思いから克服をしようと決意したそうです。

Oさんが実施した方法は「我慢すること」でした。我慢することで、トイレが近い状況から脱出することができたそうです。
膀胱には“尿センサー”があります。尿センサーの役割はぼうこうにおける尿のたまり具合をチェックすることで、ぼうこうの半分まで尿がたまったときに最初の尿意を伝えるそうです。そして、限界まで尿がたまったときには限界を知らせるというはたらきがあるのですが、Oさんの場合「念のため」トイレが習慣になっていたため、ぼうこうに余裕がある半分の段階の尿意でトイレに行くことが状態化してしまっていました。その結果、尿センサーは半分たまっただけで「ここが限界だ」と感じるようになってしまい、頻尿に悩まされるようになってしまったのです。

これを我慢してあげることで、センサーが限界でないことを“思い出す”のだそうです。
Oさんによると、「(尿意を感じてから我慢する時間を)10〜20分伸ばすと、そのまま1時間もったりする」そうで、「最初100だと思っていたところが、過ぎてみると80くらい」という実感に変わってくるそうです。

我慢のコツ

頻尿の方が我慢をする際は、自宅で練習するのがオススメです。トイレが近くにあるという安心感が心に余裕を作るそうです。
最初は尿意が出てから5分、次は10分、という感じで徐々に伸ばしていくようにしましょう。尿意には波があるので、案外すぐに消えるそうです。
最終的には、トイレの間隔が2時間になることを目指しましょう。
堀江氏によると、お尻体操をすると尿意も紛れるそうです。(治療中の人はかかりつけの先生に相談してから実施するようにしましょう。)

 

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男性特有の残尿感・尿もれ

男性には医学用語では「排尿後滴下」と呼ばれる特有の残尿感や尿もれがあります。最後まで出したつもりが、ズボンを履いた後に少し漏らしてしまった、というタイプのものです。
これもぼうこうの柔らかさが関係しているそうです。
以下は、男性の下半身の断面を模した図です。

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ガッテン!より

尿はアップダウンのある尿道を通っていきます。柔らかいぼうこうはしっかりと尿をためられるので勢い良く尿道を通っていくのですが、ぼうこうが固くなって押し出す力が弱くなると、尿道のくぼんだところに尿が少し残ってしまうのです。

そんな残尿感があるときは、これを解決するスイッチのようなものがあることを覚えておけば解決できます。
精巣と肛門の間の「会陰部」という部分です。

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ガッテン!より

ここを人差し指と中指で押すことで、残っている尿を押し出すことが出来るそうです。

 

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まとめ

尿のお悩みを「老化現象だから」と諦めてしまう必要は無いことがよくわかりました。「5秒間お尻をしめる」というとてもカンタンな体操をすれば治せるというのは、とても希望がもてることだと思います。
若い人でも習慣次第では頻尿になってしまうということなので、思い当たる方はアドバイスを参考にして、我慢の練習をしてみてください。


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