エクオール産生菌で若返り~主治医が見つかる診療所より

“若返り”は、多くの人の願いです。

肌など見た目に関わることだけでなく、更年期障害やがんなどの年齢を重ねることで生じやすくなる疾患のリスクを下げることまで含めた“若返り”を実現してくれる “若返り菌”が、私たちの腸内には棲息しているそうです。

今回は、若返り菌に関する情報を紹介していた『主治医が見つかる診療所』を中心に、体の若返りについてまとめていきたいと思います。

 

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腸内細菌について

私たちの腸内には約1000兆個の腸内細菌がおり、善玉菌と悪玉菌がそれぞれグループを作って棲んでいます。

その分布の様子は花畑のように見えるため「腸内フローラ」と呼ばれています。この腸内フローラのバランスが崩れると便秘や下痢などが引き起こされ、最悪の場合には腸炎やがん、糖尿病などにつながることもあります。

逆に、上手にバランスをとれば免疫力アップやダイエット効果などを期待することができ、がん予防にもつながるといいますから、腸内細菌は人間の健康のあり方を左右する存在と言っても過言ではありません。

番組に登場した理化学研究所の辨野義己氏によると、「腸内フローラの環境が悪い人ほど、肌の調子が悪い」といいます。生理前に便秘になり、肌の状態が悪くなる女性は、腸内環境が悪くなっていると考えられるそうです。

上山博康医師は「肌の調子が悪くなると、とたんに脳に影響が行く」と指摘していました。ストレスを受けるとお腹の具合が悪くなる人も多くいますが、脳にまで影響があることがわかってきているそうです。

また、森一博医師によると「腸内細菌の中でも善玉菌が増えると便秘が改善し、肌が綺麗になることがわかってきた。トリプトファン(タンパク質の一種)も分解されて脳に良い物質のもとになるという報告もある」とのことでした。

 

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エクオール産生菌とは

そんな善玉菌の中でも「エクオール産生菌」と呼ばれる菌が、近年注目されています。

静岡県にある松田病院の川上和彦氏は「腸内フローラ相談室」を開設して、様々な病に悩む方の相談に応じています。「諦めている病気や諦めている症状も、腸内細菌を改善することでなくすことができるかもしれない。(検査の結果などを見て)今の病気を治す可能性がある食習慣の改善方法をアドバイスしている」とのことでした。

まずは食生活や便の状況について問診を行い、希望者には「Mykinso(マイキンソー)」という検査方法を用いて腸内細菌を分析するそうです。1回17,000円(税別・保険適用外)の検査ですが腸内の状況を正確に確認することができ、この結果を元に川上氏がアドバイスをして、病気の改善につなげるそうです。

便秘に悩んでいたMさん(49歳女性)は検査の結果、ビフィズス菌などの善玉菌が少なく、環境が悪化していることが明らかになりました。

川上氏のアドバイスに従って海藻や大豆製品の摂取量を増やしたところ、「お通じの回数が増えた。残便感がなくなってお腹の張りが良くなった」といいます。さらに、肌荒れまで改善したそうです。

同じく便秘に悩まされていたKさん(64歳男性)も、揚げ物を控えて魚を増やした結果、便秘だけでなく腰痛まで改善したそうです。

このように、腸内細菌について先進的な取り組みを行っている川上氏が、いま注目しているのが「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌です。これが肌をきれいにして乳がんや前立腺がんに抑制的に働いてくれるというデータもある“若返り菌”なのだそうです。

エクオール産生菌は、腸内で大豆イソフラボンを分解してエクオールという物質を作り出しています。エクオールは体内で女性ホルモンと似た働きをするため肌をきれいにし、更年期障害の軽減や骨粗しょう症予防、がん予防の効果も期待できます。

40〜60代の女性90人を被験者としてエクオール入りの錠剤を飲んだ人と飲まなかった人にわけ、12週間後に目尻の皺を確かめてみると…

主治医が見つかる診療所より

エクオール入りの錠剤を飲んだ人は、目尻の皺が改善されました。
エクオール産生菌は現在10種類以上が確認されており、人によってその数や活性度が異なるそうです。

エクオール産生菌

エクオール産生菌について、少し詳しくご紹介します。

エクオールを産生できる人が減っている

エクオールは、大豆に含まれる大豆イソフラボンのひとつである「ダイゼイン」という物質が、エクオール産生菌によって変換されてできますが、これらの細菌を持ち、エクオールを作れる「産生者」の割合は日本や中国など大豆をよく食べる地域で約50%、欧米やオーストラリアで約30%とされてきたそうです。

ところが、大塚製薬が行った二〇〇八年の報告によれば、「産生者」の割合が日本人の若い世代で20~30%まで低下しているそうです。

自宅でも検査できる

番組内で紹介されていた「Mykinso(マイキンソー)」は、病院へ行かなくても、検査キットを購入して自宅で採便し、送ることで検査をすることができるそうです。

価格は19,440円(税込)で、サイキンソー代表取締役の沢井悠によると「検査でわかるのは、太りやすさ、腸のタイプ、菌の多様性、菌の構成比率など。ビフィズス菌、乳酸産生菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌といった、健康に欠かせない4種の菌が平均より多いか少ないかもわかる」といいます。

自分に最適な食事改善法もアドバイスしてもらえるとのことですから、気になる方は利用してみてはいかがでしょうか。

https://mykinso.com/

参考:
「長寿菌」とは?
更年期症状、がん予防に有効「エクオール」

 

エクオール産生菌について、南雲吉則氏の話では「以前から大豆イソフラボンの摂取が多いほど乳がんの発症リスクが下がる事がわかっていたが、最近の研究ではそれが実はエクオール産生菌による効果と考えられるようになってきた」といいます。

さらに中山久徳氏によると「エクオール産生菌がイソフラボンをエクオールに変えて、はじめて女性ホルモンのような効果が出て、骨も丈夫になってくる。エクオールが少ないと、骨が丈夫でないかもしれない」と、その働きの重大性を指摘していました。

 

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エクオール産生菌の活性化に効果的な食材

姫野友美医師は「腸内細菌を増やす食べ物をしっかり摂るといい。大豆製品は効果的で、食物繊維を摂る目的では海藻や野菜、キノコ、木の実、発酵食品もいい」と話していました。

肥満や糖尿病治療のスペシャリストである栃久保修医師は、日頃の診察の経験から、メタボの人は食べるのをやめられない人が多いことに気づいていました。

そこで、食べて痩せられる食材はないかということで探しはじめ、「寒天」に行き着いたといいます。

寒天は、天草やオゴノリなどの海藻を煮て、溶かしたあとに固めて作ったところてんを元にして、これを寒い環境で凍結・乾燥させてつくる食品です。

作成過程で凍結と乾燥を繰り返すことによって強い吸水力を持つようになるため、栃久保氏によると「他の食材と違って、1gの寒天に対して水分を100cc吸って固まっているという物性がある」といいます。

この寒天に多く含まれている食物繊維には、不溶性水溶性の2種類があります。

主に野菜に含まれている不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質をもち、腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の活動を促進してくれる特徴があります。その際に有害な物質を吸着して体外に排出してくれるそうです。

納豆などのネバネバ食材や果物に含まれる水溶性食物繊維は、腸内でゼリーのようになって分解された食物を包みこむため、血糖値の上昇やコレステロール値の増加を抑制してくれる働きがあります。

そして寒天は、水溶性と不溶性の両方の働きを併せ持っているのです。

さらに、ほぼノンカロリーで腹持ちがよく満腹感が長く続くため、食事の量を減らす効果も期待できます。

ある実験では、52〜67歳の76人を「栄養指導のみのグループ」と「寒天ゼリーを夕食前に摂取したグループ」のふたつに分けて12週間の経過を観察したところ…

主治医が見つかる診療所より

毎日寒天を食べたグループは体脂肪率が10%近く減りました。
さらに…

主治医が見つかる診療所より

糖尿病の診断基準とされるヘモグロビンA1cの値が、栄養指導のみのグループは2%の減少にとどまったのに対し、寒天を毎日食べるグループは8%も減少したというのです。

栃久保氏によると「寒天のような水をたっぷり含んだものが腸に入ってくると便そのものが膨らんでくる。そうすると出やすくなるし、濃度が薄まる。そういうことが腸にもいい」とのことでした。

番組では、68歳の女性に5日間「粉寒天」を2gずつ摂取してもらう実験をしていました。

粉寒天を食する際は、まず水200mlに粉寒天2gを加えて火にかけ、溶かします。それからその液体を製氷皿に入れて冷蔵庫に入れると固まるので、食べることができるようになります。およそ30分で固まるそうで、これが1日分の目安になります。

1食で食べても3食に分けてもOKだそうです。

この女性は実験前の腸内のエクオール産生菌の割合が1.6%しかありませんでした。(平均は3%前後)。

しかし、実験後は3.35%に上昇し、さらにビフィズス菌や酪酸産生菌などの善玉菌も2倍になっていたそうです。

寒天の利点について、丁宗鐵医師は「漢方薬を飲む時に、とろみがでるので誤嚥防止になり、高齢の方にもいい。子どもでも苦い薬を寒天とシロップに混ぜれば飲みやすくなる」と話していました。

寒天をつかった料理

日本一の長寿県である長野県(男性80.9歳・女性87.2歳)では、古くから寒天が食されていたそうです。長野県には海がないので意外な気もしますが、これには寒天の歴史が関係しているといいます。

寒天はもともと、江戸時代に京都の旅館の主人が、余ったところてんを冬の外気に放置した際に、凍結と乾燥を繰り返して偶然に生まれたものであると言われています。

その後、長野県諏訪地方の寒暖の差が激しい気候がこの製法にあっているということで、海がないにも関わらず寒天づくりが盛んになったという経緯があるのです。

主治医が見つかる診療所より

寒天には大きく分けて3つの種類があります。

主治医が見つかる診療所より

寒天には熱を加えると溶けて、冷ますとゼリー状に固まる特性があり、角寒天と糸寒天は水で戻せばそのまま料理に使うこともできます。

水で戻しただけの糸寒天は、冷蔵庫で3〜4日は保存することが可能です。

長野ではこれを直接味噌汁に入れて食べることもあるそうです。寒天はにおいにも味にもクセがなく、いろんな料理に合うということで、番組で取材した際には玄米にも寒天を混ぜて炊いていました。

自然に寒天が溶けてご飯の周りをコーティングするのでモチモチ感が出て、さらに満腹感ももたせてくれるので、ダイエットにもつながるそうです。

角寒天を水で戻し、それを肉で巻く料理も紹介されていました。

主治医が見つかる診療所より

醤油やみりんでつくったタレで焼きます。肉の旨味を寒天が吸い込んでくれるため、とても美味しいそうです。

溶かした寒天液に塩胡椒してポテトサラダとまぜ、ゼリー状に固めたポテサラ寒天ゼリーもありました。味わいはポテトサラダそのものだそうです。

 

エクオールと食物繊維について

1日に摂るべき食物繊維

小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子氏によると、1日20〜25gの食物繊維を摂ることが理想的だそうです。

サプリも有効

小林氏によると「1日に1パックの納豆を食べれば、効果が期待できる10mgのエクオールを産生する」ということですが、最近は大豆を乳酸菌で発酵させたエクオールのサプリも発売されているとのことですので、大豆製品が苦手な方は試してみるといいかもしれません。

参考:
更年期の味方「エクオール」って何?

 

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まとめ

今回はエクオール産生菌の力と、その力を最大限に発揮するための情報をご紹介してまいりました。もともと腸内に生息している菌なので、その数を増やして、力を引き出すことが大事であることがわかりました。
寒天や大豆食品を日常生活の中に取り入れて、健康で美しい“若返り”を実現しましょう。

 

 


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