朝起きがけや寝ている時の咳~ぜんそく、心不全~ゲンキの時間より

ひどい咳が続いても、「きっとあと何日かしたら止まるだろう」と放っておいている人は多いです。けれども、咳の陰には、死の危険のある怖い病気が隠れていることもあるそうです。先日の『ゲンキの時間』では、「咳」の特集をしていました。心配しなくてもよい咳と危険な咳の見分け方などについて、呼吸器内科医の髙橋和久先生(順天堂大学医学部、教授)が解説していました。

 

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咳は体を守る防御機能

髙橋先生によると、咳は、「防御機能」だそうです。気道に入った異物を、外に出すために咳がでます。風邪のときに咳が出るのは、体が病原体を外に追い出そうとしているからです。また、辛味や酸味が気道を刺激するので、辛い物や酸っぱいものを食べると咳が出ます。そして、緊張すると咳が出るのは、自律神経のバランスが崩れて気道が収縮するからとのことです。風邪の咳、辛い物や酸っぱいものを食べたときの咳、緊張したときの咳は、一時的なものなので心配ないと髙橋先生は説明していました。

 

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朝起きたときの咳の原因

朝起きた直後に出る痰がからむ咳は、「後鼻漏症候群」だそうです。アレルギー性鼻炎や蓄膿の場合、寝ている間に鼻水がのどに落ちて、気管の中に流れ込んでしまいます。流れ込んだ鼻水を外に出すために咳が出るというわけです。

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ゲンキの時間より

このような咳が長引くと、気管支炎や肺炎を発症することがあるので、なかなか咳が止まらない場合は病院へ行くことを髙橋先生は勧めていました。

 

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季節の変わり目の長引く咳の原因

夏から秋にかけての季節の変わり目に出る咳は、ぜんそくの症状だそうです。ぜんそくは子供の病気というイメージがありますが、大人になってからの発症も多いとのことです。日本全国の約800万人のぜんそく患者のうち、約70%は大人になってから発症したそうです。大人のぜんそくの原因は、タバコ、過労、ストレスなどで、患者数は30年間で3倍に増えているとのことです。

ぜんそくの仕組みと原因

ぜんそくは、気管支が炎症を起こして気道が狭くなっている状態です。

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ゲンキの時間より

この状態で、何かによって気道が刺激されると、激しい咳が出たり、呼吸困難になったりします。気管支が炎症してしまうのは、ハウスダストやダニによるアレルギー反応だそうです。

咳ぜんそくの仕組み

咳ぜんそくは、ぜんそくの一歩手前の状態です。気道は細くはなっていないけれども、気管支では炎症が起きている状態だそうです。ラーメンやうどんを食べたとき、お酒を飲んだときに咳が出る咳は、咳ぜんそくの典型的な症状だとのことです。
咳ぜんそくを放置しておくと、約30%の人が悪化してぜんそくになります。痰が絡まない咳が3週間続いている場合は、病院を受診することを髙橋先生は勧めていました。

ぜんそくの検査方法

気管支に炎症が起きると、呼気に一酸化窒素が含まれるようになるそうです。ですから、ぜんそくの検査では、機械を使って呼気に含まれる一酸化窒素の量を測定します。順天堂大学医学部付属・順天堂医院で使用している機械の場合、数値が50以上はぜんそくで、20から50は咳ぜんそくの疑いがあるとのことです。

秋にぜんそくや咳ぜんそくの症状が重くなる理由

番組の調査によると、季節の変わり目に咳が出る人が多かったのですが、それには理由があります。秋は、気温の変化が激しく、台風が多く発生して湿度や気圧も不安定になります。これらの変化が、気管支を刺激するので炎症が起きやすくなるそうです。このような咳を予防するには、温度差に気をつけることが大切だそうです。寒くなってきたらマフラーやスカーフで首の周りを温める、エアコンを使って外と室内の温度差を小さくするなどの対策が、番組で紹介されていました。

 

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寝ている間に出る咳の原因

寝ている間に出る咳には、意外な病気は隠れているそうです。

逆流性食道炎

寝ている間に咳が出る病気の1つは、逆流性食道炎です。健康な胃は、食べ物が入ると下部食道括約筋が閉まります。

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ゲンキの時間より

しかし、逆流性食道炎の場合は、寝ている間に下部食道括約筋が緩んで、胃酸が逆流して食道に流れ込んでしまうそうです。胃酸はコンクリートを溶かしてしまうほどの強い酸性です。食道が胃酸で炎症を起こしてしまい、咳が出るというわけです。

心不全

循環器医の石原嗣郎先生(日本医科大学武蔵小杉病院、助教・委員)によると、寝ている間の咳は、心不全が原因の場合もあるそうです。心不全は、心臓のポンプ機能が衰えた状態です。心臓のポンプが上手く働いていないので、血流が悪くなってしまいます。血流が悪いと、本来なら心臓に戻るはずの血液が行き場を失って、肺に水分が溜まってしまうそうです。

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ゲンキの時間より

寝ている間に咳が出るのは、横になると体に溜まった水分が肺の周りに集まるからだとのことです。起き上がると咳が収まるのは、水分が下半身へ移動するからとのことです。
心不全の咳は、息苦しいく、のどが詰まるような感覚があるそうです。また、ピンク色の泡のような痰が出るのも特徴だと髙橋先生は説明していました。
「咳=心不全」とは、なかなか考えられませんよね。心不全の咳をしっかり覚えておいて、自分や家族がこのような咳をしている場合は、すぐに病院へ向かいましょう。

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心不全の症状は、寝ている間の咳以外にもいくつかあります。階段を上ると息切れをする、顔や足がむくむというのも心不全の症状です。また、血流が悪くなるので、疲れを感じやすくなります。特に、高血圧の人は、心不全になりやすいので注意が必要です。

 

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まとめ

咳には、防御機能だから心配しなくてよいものから、死の危険がある心不全のために出るものまで、さまざまな原因があることがわかりました。忙しい生活を送ってると、激しい咳が出ても、そのうち止まるだろうと放置してしまうことは多いです。けれども、放っておくとぜんそくなどの持病が悪化してしまうことがあるので、咳が気になっている人は適切な医療機関を受診するようにしましょう。


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