下がり鎖骨が肩こり首こりの新原因~健康カプセルゲンキの時間より

多くの人が、首や肩のこりに悩まされています。

凝りの原因はさまざまで、首の骨が湾曲せずにまっすぐになってしまった状態の「ストレートネック」がその原因のひとつと言われてきましたが、近年の研究によると肩コリを引き起こすわけではないということが明らかになってきたそうです。(腰が悪い人にストレートネックが多いという最新のデータで出ているそうです。)
一方で、肩コリの原因として新たに注目されているのが「下がり鎖骨」です。
鎖骨が本来の位置より下がってしまっている状態です。
この状態は、痺れや頭痛、目眩やうつを引き起こすこともあるといいます。

今回は、下がり鎖骨で引き起こされる肩コリの仕組みや、腕が上がらなくなってもまた上げられるようになる体操、そして最新治療について紹介していた『健康カプセルゲンキの時間』を中心に、まとめていきたいと思います。

 

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肩コリと鎖骨の関係

脚を組む姿勢と腕を組む姿勢、どちらが肩をこりやすいと思いますか?

健康カプセルゲンキの時間より

この答えを知るために、番組では肩コリに悩む3名(60歳女性Kさん、41歳女性Nさん、47歳男性Aさん)を集めて調査をしていました。

今回監修を担当した東京医科大学病院の遠藤健司氏は、まずKさんの鎖骨のバランスを見ていました。「肩から背中まで全部痛い」というKさんは、触れるだけで痛みを感じることはないものの「手にやや響く」と話していました。

レントゲンを撮影して、正常な鎖骨と見比べてみると…

健康カプセルゲンキの時間より

正常ならV字をしているはずの鎖骨ですが、Kさんの鎖骨は左右水平になっていることがわかります。

下がり鎖骨になると撫で肩になります。首を支えている筋肉が引っ張られて血管を圧迫し、血行不良を起こすと、周辺に疲労物質が蓄積していってコリが発生します。

続いて診てもらったNさんも、鎖骨のあたりに触れると手に響くような感じがしたそうです。

Aさんは下がり気味ではあるものの、V字を保っていました。このことから、Aさんの肩コリは運動不足や睡眠不足が原因と考えられるそうです。

では、鎖骨はなぜ水平になるのでしょうか?
遠藤氏によると、その人の習慣が関わっているといいます。
たとえば…

・ 猫背やうつむき姿勢の習慣化
・ 長時間姿勢を変えない

などがあります。
猫背だと、肩が内側に入りやすくなります。そうなると肩甲骨は外側に開きながら前方に倒れます。

健康カプセルゲンキの時間より

そのときに鎖骨も連動して下がります。

健康カプセルゲンキの時間より

ちなみに、冒頭の問題の答えはAの「脚を組む」です。
脚を組むと骨盤が傾くため、バランスを取ろうとして肩周りの筋肉が緊張してコリが生まれるのです。(「腕を組む」方は、逆に鎖骨が上がって肩周りの筋肉がゆるむそうです。)

 

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下がり鎖骨を放置すると…

下がり鎖骨になると、鎖骨と肋骨の間が狭くなります。そこには神経や脳に血液を送る太い血管が通っているので、それらが圧迫されてしまいます。

すると「胸郭出口症候群」という病気になることがあります。

健康カプセルゲンキの時間より

症状は多岐にわたり、腕のしびれや頭痛、めまい、冷え、むくみなどが出ることがあります。さらに悪化すると、歩行障害やうつに進行することもある怖い病気です。

触診の中で遠藤氏が押していたのはこの神経の通り道でした。神経がすでに圧迫されていれば押すだけで痛みや痺れを感じるそうです。

悪い姿勢で下がった鎖骨や肩甲骨がどれほどコリを誘発するかを見るために、Nさんは正しい姿勢を、Kさんはスマホをいじりながらの猫背をしばらく続けて見ると、正しい姿勢のNさんは肩甲骨付近3ヶ所の筋肉の緊張度合いが下がりました。

健康カプセルゲンキの時間より

良い姿勢を続けたことによって首がかえって楽になったのです。
一方、悪い姿勢のKさんは…

健康カプセルゲンキの時間より

測定ポイント3点のうち下部2点の緊張度が上がってしまいました。
下を向いた姿勢は肩甲骨に近い部分の筋肉の緊張が強くなるのです。

肩甲骨まわりをほぐす

自分の肩甲骨付近がどれだけ“ガチガチ”になっているかをチェックすることができます。

壁の前に立って、かかととお尻、肩、後頭部を壁につけます。
それから、腕を壁に沿うようにしてゆっくりと上に上げていきます。

60度以上上がれば大丈夫ですが、45〜60度未満しか上がらなければややガチガチになっています。45度未満の人は相当ガチガチで、肩甲骨周りの筋肉が緊張して硬くなっているということです。

肩甲骨付近をほぐす体操

肩甲骨周りの筋肉をほぐすのに最適な運動として遠藤氏が紹介したのが「ボート漕ぎ体操」です。

その名の通りボートを漕ぐ際の動きをする体操で、椅子に座りながら行います。
オールを持っているつもりで、ボートを漕ぐように腕を前から後ろに回していきます。
肩甲骨を動かすことをもっとも意識しながら、ゆっくりと回します。(肩甲骨を寄せながら肘を肩の上まであげます。)

呼吸を止めないことも意識して、10回1セットを1日2回行うようにしましょう。

速攻コリ改善法

即効性のある運動法も紹介されていました。
まず、力を抜いて手の平を正面に向けます。
反対側の手で力こぶの延長線上を触って、コリコリとした部分を探ります。

健康カプセルゲンキの時間より

見つけたらそこを親指の腹で優しくほぐしましょう。
1回の効果持続は短いですが、即効性があります。

肩甲骨について、国際医療福祉大学三田病院の石井賢氏は「肩甲骨は関節でつながっていない骨。15以上の筋肉によって支えられているので、鎖骨が下がったりすると周りの筋肉が引っ張られて固くなり、痛みやコリにつながる」と説明していました。

ボート漕ぎのような肩甲骨を意識した動きは、肩甲骨についている筋肉を解すという意味で重要なのです。

 

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最新治療

小山整形外科内科クリニックと帝京大学病院に勤務する笹原潤氏が、肩コリの最新治療である「ハイドロリリース」を紹介していました。

スポーツ選手のケアにつかっていた技術がコリの治療に応用できることがわかり、近年注目されている治療法です。
笹原氏によると「痛みの原因になっている神経や筋膜の周りに生理食塩水などの医薬液を注入することによって結合組織を乖離して痛みをとる治療法」だそうです。

番組の取材の日に病院を訪れていた事務職の60代男性は、肩が上がらず、水平まであげるのがやっとの状態になっていました。

まずはエコーで筋肉の様子を確認した上で、筋肉の境目に薬液を注射すると、1分ほどで治療は終了しました。

治療後は手が約60度まで上がるようになっていました。

全国の多くのクリニックで受けることができる治療ですが、保険が効く場合と効かない場合があるので、確認してから受診をするようにしましょう。

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その他の肩コリ治療法

・注射
ハイドロリリース以外にも神経に局所麻酔薬を注射する方法など、様々な方法があるので、医師に相談して最適な方法を探ると良いでしょう。

・可視総合光線療法
深部温熱作用を利用して患部の血液循環を促進し、ストレスや寒さが原因で収縮した肩のコリをほぐす治療法です。

・電気治療器
低周波で患部を刺激する方法もあります。対処療法なので完治につながるものではありませんが、効果は感じられるようです。
家庭用のものも多く販売されていますが整形外科などにあるもののほうが強めなので、思い肩コリの方は病院に通うほうが良いでしょう。

 

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まとめ

今回は肩コリの仕組みや治療法について見てまいりました。
即効性のある治療が出てきたのは朗報ですが、ハイドロリリースは根本的な治療ではありません。ストレスをかけ続ければまた痛くなるので、日頃のケアが大事であることは覚えておきましょう。
姿勢を正したり、スマホを見つめる時間を減らしたり、ボート漕ぎ体操を習慣化したりなどして、肩コリ解消を目指しましょう。


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