高齢者の不眠症対策~きょうの健康より

先日の「きょうの健康」では、高齢者の不眠症対策について、 国立精神・神経医療研究センター部長の三島和男先生が解説をしていました。三島先生は、精神科医で睡眠の治療や研究を専門としています。

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高齢者の睡眠時間

三島先生によると、高齢になるとエネルギーの消費量が少なくなるので、必要な睡眠時間が短くなるそうです。番組で紹介されていたある調査の結果によると、8時間睡眠ができるのは10代までで、それ以上の年代になると、眠れる時間が短くなっていきます。70代の人が眠れる時間は、6時間以下という結果でした。

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きょうの健康より

番組では、上の画像のグラフに三島先生のチームが調査した年代別の寝床にいる時間のグラフを重ねて年代別に眠れる時間と寝床にいる時間の関係について解説をしていました。

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きょうの健康より

眠れる時間と寝床にいる時間が一致しているのは20代までで、年齢が上がるにつれて、二つの時間の差が大きくなっていることを上のグラフから読み取ることができます。

番組では、不眠症に苦しんでいた70代男性のAさんを例に、高齢者の不眠症とその対策について話をしていました。

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きょうの健康より

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高齢者の眠りの質

三島先生によると、高齢になると睡眠時間が短くなるだけではなく、若い頃と比べて眠りが浅くなるそうです。若い人は、眠り始めの3時間ぐらいで、まとまった深い睡眠(ノンレム睡眠=脳が休んでいる)を取ることができます。けれども、高齢者は、下の図のように浅い眠りが多くなり、その結果、睡眠時間中に何度も目が覚めてしまいます。

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きょうの健康より

この眠りの質の変化は、加齢によるもので白髪や老眼と同じく避けることはできないとのことです。もしも、この睡眠の質の変化によって、日中に体調不良があれば、適切な治療を受ける必要があるそうです。

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高齢者の不眠症対策

Aさんの悩みは、朝の目覚めが早すぎることと、夜中に何度も目が覚めてぐっすり眠ることができないので体が休まらないことでした。その結果、Aさんは、日中に眠気を感じ、何度も居眠りをしていました。
Aさんの不眠症を解決するために、三島先生は、朝の光を避けること、睡眠にメリハリをつけること、眠くなるまで寝床に入らないことの3つを提案しました。

朝の光と夜の光の違い

三島先生によると、人間は朝の光を浴びると睡眠のリズムが早寝早起き型に調整されて、夕方の光を浴びると夜型に調整されるそうです。

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きょうの健康より

Aさんは、朝早く起きて犬の散歩をしていたので、朝の光を避けるために散歩の時間を夕方に変更しました。
もしも、朝外出しなくてはいけない場合は、サングラスをかけたり、帽子を深くかぶったりすると、目に入ってくる光を避けることができるとのことです。

効果的な昼寝の方法

Aさんは、夜ぐっすり眠れないため、日中に何度も居眠りをしてしまっていました。そのため、さらに夜眠ることができなくなるという悪循環に陥っていました。
三島先生によると、昼寝は遅くとも午後3時までにしたほうがよいそうです。同じ時間の昼寝でも、夕方にするよりは、早い時間にしたほうが、夜の睡眠に与える影響が少ないそうです。また、昼寝は、30分以上すると深い眠りになってしまい、夜の睡眠に影響するので、目覚まし時計をセットするなどして、寝過ぎない工夫をする必要があります。昼寝の直前に、カフェインが入っている飲み物を飲むと、カフェインの効果が20分から30分後に現れるので、目を覚ましやすくなるそうです。

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高齢者の不眠症を改善する就寝時間

高齢になると、することがないので早い時間に寝床に入ってしまう傾向があります。けれども、あまり早い時間に寝床に入っても、まだ眠れる状態ではないそうです。三島先生によると眠れる状態になるのは午後10時30分以降なので、早い時間から寝床で無駄に寝る努力をするのはやめたほうがいいとのことです。
その後、Aさんは夜11時ぐらいに寝床に入って、朝5時から6時に起きるようになったそうです。生活習慣を変えることによって、夜中に起きる回数が減り、日中の居眠りも減りました。そして、夜の睡眠の心配をしなくて良くなったので、気分良く生活を送れるようになったとのことです。

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高齢者が睡眠薬を服用する際の注意点

生活習慣を改善しても、眠れるようにならない場合は、安全性の高い睡眠薬を服用するのが、解決策として考えられるとのことです。

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きょうの健康より

高齢者が睡眠薬の副作用のめまいやふらつきで転倒して、骨折をしたという例もあるそうです、ですから、高齢者が睡眠薬を服用するときは、就寝する準備ができてから服用するようにすると良いとのことです。また、夜中に目が覚めて、トイレに行く時も、電気をつけ、壁や手すりに手をかけながら歩くなど、怪我を防ぐ対策をするようにと三島先生から説明がありました。

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まとめ

睡眠の質は、昼間の生活で変わるそうです。よく眠れないと思うときは、自分の日中の生活を見直してみると解決策が見つかるかもしれませんね。

 


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