メタボリックシンドロームとは?子供も注意の基礎知識。

ここ10年で急激に耳にするようになった言葉の一つにメタボリックシンドロームがあります。
メタボリックの本来の意味は代謝という意味ですが、メタボリックシンドロームという言葉を日本語にすると、内臓脂肪症候群となり、いわゆる肥満を指す言葉として定着しつつあります。

このメタボリックシンドローム、具体的にどういう状態かというと、

内臓脂肪型肥満に加えて高血糖・高血圧・脂質異常症のうち二つ以上を合併した状態

ということになっています。ちなみに、メタボリックシンドロームは状態を表す言葉でほとんどの場合、自覚症状はありません。

心臓病や脳卒中などの危険な病気につながるリスクがある

メタボリックシンドロームは単に状態を指す言葉ですが、この状態は日本人の三大死因である心臓病や脳卒中のリスクを約2倍高めると言われています。
なぜなら、メタボになると動脈硬化を進行させるからです。動脈硬化とは文字通り動脈が硬くなることを言いますが、血液を送る血管である動脈が硬くなると、血液の循環に支障が出てきます。血液の循環がうまくいかなくなると心筋梗塞をはじめとした心臓病や脳梗塞をはじめとした脳卒中が発症しやすくなります。

これらの病気は命に係わる危険な病気ですから、とにかくメタボにはならないように、なってしまった人は生活習慣を見直して状況を改善させなければなりません。

メタボと生活習慣

メタボリックシンドロームは生活習慣に大きく影響されます。悪い生活習慣をすれば悪化しますし良い生活習慣をしていればメタボにならずに済みます。また、メタボになったとしても生活習慣を改善すれば状態は良い方向へと向かいます。

生活習慣とは主に食生活や運動を指します。高カロリー、高脂質な食事をしていれば内臓脂肪は増えますし、メタボな食生活をしてなくても運動が足りてなければやはり内臓脂肪は増えやすくなります。タバコも良くありません。

つまり、よく運動をし、野菜中心の食生活で体に悪いことはしないという、オーソドックスな健康生活が大切なのです。

メタボの腹囲基準

メタボリックシンドロームと診断される基準の一つに腹囲があります。男性だと腹囲85cm以上、女性なら腹囲90cm以上がメタボ体型ということになります。これは、内臓脂肪量が100c㎡程度見込まれる数値ということです。

ちなみに腹囲の1cmは体重にしたら約1kgに相当します。成長期でもない大人の腹囲が増えてきたということはそれだけ脂肪がお腹についているということ。1cm増えたなら1kgの脂肪がお腹周りについたということです。
20141013121638

たった1cm増えただけでこれだけの脂肪がつくなんて、恐ろしい話です。

メタボ予防は小児期から

メタボが気になるのは一般的には中年以降ですが、最近では小学生くらいからの肥満が問題となっています。肥満の背景には子供たちの生活習慣がメタボを助長するような内容になってきているという現実があります。

  ・朝ごはんを食べない、間食夜食の増加
  ・高脂質な食事の増加
  ・学校以外での運動が減少
  ・夜更かし・不眠

こうなると子供の責任ではなく完全に親や周囲の大人たちの責任です。

自治体ではこうした状況を受け、小児生活習慣病予防検診を実施しています。肥満度の算出、血圧測定、血液検査、総コレステロール、HDL、LDL、貧血などが調べられ、問題ありと診断されると、本人や保護者に対し生活習慣の重要性や生活指導が行われます。

ちなみに、東京都のケースだと、少なく見積もっても5人に1人の割合で児童生徒や保護者に対して生活習慣病のリスクを警戒した医学的な管理や支援、アドバイスの必要があると報告されています。⇒参考:東京都予防医学協会年報

子供の頃の食習慣は大人になっても大きくは変わりません。40代前後から多少、食の好みは変わってきますが、それまでの食習慣が人生の後半の健康状態を大きく左右すると言っても過言ではありません。
にもかかわらず子供のうちから生活習慣病を警戒しなくてはならないような状況に子供の身を置いておくことは親としてなんとしても回避すべきことといえるでしょう。

まずは診断

メタボリックシンドローム自体に自覚症状はありません。しいて言えば太ったと認識するくらいです。
しかし、内臓脂肪が大量にある状態は確実に動脈硬化を進めますし、そうなってくると脳や心臓病の申告な病も警戒しなくてはならなくなります。
まずは人間ドッグでも簡易検査でも良いので診断を受け、必要なら到底保健指導を受けるようにしましょう。

国もメタボ改善の後押しを検討

厚労省は、メタボと診断された人が、その後数値を改善した場合、保険料を減額するなどの措置を検討しています。また、メタボではない人も、適正の数値を維持し続けているなら何等かの優遇措置を講じる方向で検討しているとのことです。(2014.10.13現在)

国のバックアップも入りそうな昨今、メタボなだけならまだまだ改善の余地は大きいですから頑張りましょう。


スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。