野菜ジュースの注意点

rapture_20140809215129現代人は野菜が不足しているとよく言われています。
昔は野菜中心だった食生活も、今では肉中心と言っても過言ではないくらいに肉を食べるのが一般的になってきました。

一方、野菜の摂取量は減る一方です。
そうした状況をうけ、厚労省が『健康日本21』の中で1日約350gの野菜の摂取を奨励するほどです。
昔はそんなこと奨励しなくとも、野菜なしの食生活などありえなかったわけですから、やはり飽食の時代と言わざるを得ないでしょう。

そんな時代背景を映し出すのが野菜ジュースの販売状況です。
ここ数年、飲料メーカー各社は、競うように野菜飲料を市場に投入してきています。
ただ単に野菜というくくりではなく、野菜の種類で特徴を出してみたり、栄養成分で特徴を出してみたりと様々な切り口で販売の幅を広げています。

もちろん、これには消費者側の健康志向の高まりが背景にあると推測できますが、果たして野菜ジュースはどの程度健康に良い効果をもたらすものなのでしょうか?

最近では一日分の野菜が摂れるなんて言う触れ込みの野菜飲料もありますが、それを飲んでいれば野菜は一切摂らなくても大丈夫かというと、どうもそうではないようです。

ちょっと古いデータですが2006年に名古屋の消費者センターが調査したところによると、成分の含有量が一日に必要とされる目安量をクリアしていたのは調査対象35種類のうち、ゼロ。

カロテンがかろうじて目安量をクリアしていたそうですがその他のビタミンやカルシウムといった成分はすべての飲料で目安量を下回っていたそうです。

飲料メーカーとしてはサプリメントという構えた売り方よりも、野菜ジュースという売り方の方が断然売りやすいですし、買い手としても飲料のカテゴリで売ってもらった方がとっつきやすいイメージはあります。

しかし、実際には思うほど健康に良い効果はないというのがもっぱらの評判です。

なぜなら、野菜を食べるというのは単に栄養成分を摂取するというだけにとどまらない幅広い効果があるからです。

例えば食物繊維。
飲みやすい液体状にしているジュースでは、野菜を食べるほどの食物繊維は摂取できません。

また、飲みやすさを出すために糖類や塩分を加えているのが普通で、そうした飲料を日常生活にプラスして飲んでいると糖分・塩分の摂りすぎに留意しなくてはなりません。

特に塩分については200g程度のパックタイプで1g以上の塩分が入っていると言われています。

成人男性の塩分摂取量の目安は一日10g程度といわれています。
女性だと8g。

外食すると塩分は一気に6gとか8gという感じで大量摂取することになりますから、そうした中での1gを野菜ジュースで毎日摂取するのは少々摂りすぎの感は否めません。

塩分糖分無添加の野菜ジュースもありますから、そういったものを意識的に摂るのがよいでしょう。

また、野菜を食べるということは噛むということです。

食物繊維豊富な野菜を噛むことで、あごの筋肉は鍛えられ、満腹中枢が刺激されたりします。
飲んで終わりのジュースではそういった効果も望めないわけです。あごの筋肉はともかく、満腹中枢の刺激がなければついつい他の食事を食べすぎるということにもなりかねません。

というわけで、以上述べたようなことを考慮したうえで、食事の代わりではなく食事の補助として位置づけるのが上手な付き合い方と言えるかもしれません。


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