脈が速い頻脈・動悸・めまいは心房細動・不整脈~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』では、「心房細動」について特集されていました。心房細動とはどういうものか、その発生のメカニズムや症状、早期発見の方法などについて詳しく伝えていました。生活習慣の乱れや加齢により誰にでも起こる病気であり、ぜひ知っておきたい内容です。
解説の専門家は、循環器内科医師で不整脈や心臓病が専門の、弘前大学大学院の奥村謙教授です。

 

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心房細動とは

12年前に心房細動だったという俳優の黒部進さんは、

「最初は不定期に心臓が打つことが1日何回かあり、特に朝方に多かった。心臓に異変があると思い、診察を受け、心房細動だと言われた」

と経験談を語ります。
心房細動は、不整脈の中でも「頻脈」と呼ばれる、脈が速いタイプに属します。

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きょうの健康より

心室細動のように突然死することはないものの、心房細動があると「心不全」や「脳梗塞」になりやすくなります。特に心房細動が引き起こす脳梗塞について奥村教授は、

『一命を取り留めても寝たきりになるケースも多い』

と、その危険性を指摘します。

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きょうの健康より

 

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心房細動が起こるメカニズム

正常な心臓は、心房から心室に電気が流れることにより収縮しています。

『心房細動では、心房が無秩序に興奮し、細かく震えた状態になる。この無秩序な興奮が1分間に100回程度、心室に伝わって不規則に速く収縮する』

と奥村教授は解説します。これが長期に続くと心臓の働きが弱くなり、心不全となるわけです。
この無秩序な興奮は、左心房につながる「肺静脈」から発生しているといいます。肺静脈には電流を発生させる細胞があり、高血圧といった心臓に負担がかかっている状態や加齢といった条件で異常な興奮が発生するとのことです。

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きょうの健康より

心房細動の症状

心房細動は症状が出にくいので注意が必要とのことです。
症状には脈の乱れや動悸、めまいがあるものの、半数以上の患者は症状を訴えないのだそうです。心房細動だと気づかずに生活していたり、気づいていても症状がないために放置している人も多いものと考えられます。
心房が1分間に400-600回と異常に速く興奮すると、正常な収縮ができなくなって血液がよどみ、血液が固まりやすくなります。そして心臓にある「心耳(しんじ)」という4-5cmのくぼみに血栓ができやすくなるというのです。2cmもある大きな血栓もできるとのことで、驚きです!

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きょうの健康より

その大きな血栓がはがれて脳の血管や頚動脈を詰まらせてしまうことがあるのです。頚動脈が詰まった場合、画像のように脳の半分が壊死してしまうことも珍しくないといいます。恐ろしいですね!

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きょうの健康より

血栓は腎臓や大腸の血管に達することもあり、大腸の血管が詰った場合は、

『発見が遅れると生命に関わるので、心房細動の人は、激しい腹痛や血便があれば119番してほしい』

と、奥村教授は注意を喚起します。
このようなことが起こらないための予防として、血栓を溶かす薬の服用などがありますが、中には自己判断で薬の服用を止める人もいるそうです。言うまでもありませんが、医師の指示で服用しているものを素人判断でやめてしまうのは大変危険です。

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“血栓を溶かす薬”としては、ワーファリン(ワルファリン)が有名です。しかし、こうした薬は一旦服用の必要性が出ると基本的には一生継続しなければなりません。
また、どの程度の量が適量なのかという問題もあるようです。多すぎれば出血時に血が止まらなくなりますし、少なすぎると効果がないという状況になってしまいます。薬の効き具合に関しては本人が注意深く観察し、疑問があればかかりつけの医師に相談するなどした方が良いでしょう。

 

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心房細動になりやすい人

特に注意したい人として、奥村教授は次のような人を挙げています。

【心房細動に注意が必要な人】
高齢(60歳ぐらいから心房細動が増えてくる)
高血圧
心臓病
慢性の呼吸器の病気
腎臓病
肥満
貧血
甲状腺の病気

また、心房細動を招く生活習慣として睡眠不足や疲労、ストレス、アルコールのとり過ぎが挙げられました。いずれも身体にとってはよくないことばかりですから、このような習慣が続いている人はより注意が必要だと言えるでしょう。
また、肥満の人は心房細動を起こしやすいということですが、逆に肥満の人がダイエットをすると症状が軽減したりもするようです。

 

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心房細動のタイプ

心房細動の3つのタイプは次のものです。

発作性心房細動
多くは数時間で、もしくは数日以内に自然に治まる

持続性心房細動
薬を飲んでいても7日を越えて持続

永続性心房細動
この状態になると、もう正常な拍動には戻らない

多くの場合、発作性心房細動を繰り返しながら、次第に治まらなくなって持続性、そして永続性へと進行していくとのことですが、いきなり永続性心房細動になる人もいるそうです。
この3タイプの中で、一番症状が強いのは実は早期の「発作性」の時期で、心房細動に気づきやすいのだそうです。理由は、それまで正常だった拍動が乱れ、動悸を感じやすいためです。

ゲストの黒部さんは、発作性心房細動の持ち主ですが、
『不整脈がくると心臓に違和感を感じ、予感がするのですぐわかる。』
と言います。

持続性の場合は、心房細動は続いていても、心室のほうで脈拍数を整える作用が働き、頻脈はなくなってくるので、症状がわかりにくくなってくるというのです。
このため、動悸や不整脈を感じたら早期に循環器内科を受診し、心電図検査を受けることが大切なのです。

 

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心電図検査について

心電図の検査には「安静時心電図検査」と「ホルター心電図検査」があります。
早期の発作性心房細動の場合は、検査のときに発作が起こっていないこともあり、安静時心電図検査で異常が見つからないことがあります。その場合にはホルター心電図検査を行うことになります。心電計を24時間装着して心電図を記録するものです。
ただし、早期の発作性心房細動の人は、1ヶ月に1回しか発作が起こらないようなケースもあり、ホルター心電図検査でもなかなかわからないことがあるそうです。奥村教授は、
『それでも発作を繰り返すという人には、症状があったときに「携帯型心電計」を利用するとよい』
とアドバイスしました。片手で持って胸に直接当てて、自分で心電を計ることができる機械だそうです。

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きょうの健康より

人によっては手に当てても計れます。画像は、手で計測中です。

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きょうの健康より

携帯型心電計は市販していますし、貸し出しをしている医療機関も多いのだそうです。

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私たちが普通に購入できる市販の携帯型心電計にはどのようなものがあり、そして値段はいくらぐらいするのか気になったので、調べてみました。
公益財団法人 日本心臓財団のページ(http://www.jhf.or.jp/ecg/type.html)によると、オムロンやパラマテック、カード・ガード・ジャパン、トライテックといった会社から発売されているようです。それぞれの社の製品の特徴などがまとめられています。
価格の例としては、番組で奥村教授が手にしていたものと同型と見られるオムロンの携帯型心電計 HCG-801という製品だと、ネットショップで2万5,000円前後~3万円ほどです。

心房細動を真剣に疑う人にとって、手が出ないほど高額すぎるものではないようですね。

 

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まとめ

『心房細動は、早い段階で気づいて対処すれば、血栓ができないようにすることが可能で、脳梗塞も予防できる。頻脈にならないようにすることで心不全の予防もできる。特に早期の発作性の段階で発見できれば、心房細動そのものも治すことができる』

と、奥村教授は解説します。症状を感じる場合は、早期発見、早期治療を心がけたいですね!


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