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忙しい現代人にとって、健康を維持することは日常生活の中でとても重要なこと。特に毎日の睡眠は、その日の体調を大きく左右するほど。すっきりと目覚めた朝は、一日中気分も良く過ごせますね。でもこの睡眠が現代人にとってはなかなかの難問。どうすればぐっすりと熟睡してすっきりと目覚めることができるのでしょうか? 現代人の睡眠の実態に迫り、恐ろしい病気との関係について『健康カプセル!ゲンキの時間』からひも解いでみましょう。
日本人に一番多い“寝酒”の本当の効果は?
まず初めに番組では、世の中の人たちがぐっすり眠るためにやっている方法を調査していました。その結果。
『健康カプセル!ゲンキの時間』より
お酒の力を借りて眠る人たちが意外と多い結果になりました。いわゆる寝酒ですね。
しかし、寝る前にお酒を飲むことは、熟睡するためには本当に効果的なのでしょうか?
そこで専門家を訪ねることに。
『東京睡眠医学センター スリープクリニック』の院長・遠藤拓郎医師です。
遠藤医師によりますと、寝る前にお酒を飲むと言う人は、日本人が一番多いとのこと。欧米では眠れない時には睡眠薬を医者から処方してもらうことが多いため、お酒に頼る必要はあまりないのだそうです。
特に日本人には寝酒と言う習慣が深く浸透していたと言えそうです。
その“寝酒”が眠りにもたらすことを検証していました。
実験ではいつも寝酒をしているという二人の被験者(AさんとBさん)に参加してもらいます。
ここで調べるのは睡眠中の心拍数と酸素濃度です。心拍数と酸素濃度を計測することで、睡眠の質=どれほど熟睡できているか、が分かるそうです。
今回の実験では1日目には普段と変わらずに、好きなお酒を飲んでから眠ってもらい、2日目にはお酒を飲まずに寝てもらいます。
果たして結果は?
実験1日目
Aさんはビールとワインをそれぞれ700ミリリットル。
Bさんはウイスキーをロックで4杯。
翌朝の二人は…
Aさん「気がついたらすっと眠っていました」
Bさん「いつもとそんなに変わりないです」
お酒を飲んで寝た日は、二人ともいつも通りによく眠れたと感じていたようです。
実験2日目
昼間は前日と同じように過ごし、夜はお酒を飲まずに寝てもらいました。
翌朝の二人は…
Aさん「いつもより寝つきが悪くて、しばらく眠れませんでした」
Bさん「うつらうつらとはしていたとは思うのですが、熟睡はしていないような感じです」
二人ともお酒を飲んで寝た日の方がよく眠れたと感じていたようですが、果たしてこれは熟睡していたということなのでしょうか?
そこで眠っている間の計測結果から、二人の眠りの正体を見ていきましょう。
まずAさんの心拍数のデータです。
『健康カプセル!ゲンキの時間』より
2日目のお酒を飲まずに寝た日の心拍数は、起きている間が80回くらいで、寝ている間は60回くらいを維持していました。そして朝になって起きると心拍数は再び80回くらいに上昇しています。
これに比べて1日目のお酒を飲んで寝た日の心拍数は起きている時と同じくらいの数値で、常に高い状態でした。睡眠が浅くなっている証拠だそうです。
このことから、寝酒は快眠テクニックとしては間違いだということが分かりました。
よく眠れたと感じるのはお酒で感覚がマヒしているからだったんですね。さらに感覚がマヒしているので、眠りが浅くなっていることにもなかなか気づけないと言う状態になっていたのです。
つまり、寝酒は睡眠の質を分かりにくくしていたのです。
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寝酒はある病気の人にとっては命の危険も!
さらにもう一人の被験者、Bさんの睡眠中のデータからはほかの問題が明らかになりました。
『健康カプセル!ゲンキの時間』より
Bさんはお酒を飲んでいない2日目の酸素濃度が低くなっていました。
原因は『睡眠時無呼吸症候群』。
【睡眠時無呼吸症候群とは】
眠っている時に10秒以上呼吸が止まることが1時間に5回以上あるか、ひと晩に3回以上あった場合に診断されます。
寝ている間に呼吸が止まるため熟睡できず、日中に耐えられない睡魔に襲われたり、集中力の低下、抑うつ症状、さらに睡眠時無呼吸症候群で高血圧の人では脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなるとされています。
そしてBさんがお酒を飲んで眠った1日目のデータからは、さらに恐ろしい結果が。
『健康カプセル!ゲンキの時間』より
寝ている間の酸素濃度が大幅に下がったままです。
午前3時ごろにはおよそ50%にまで低下。
これは失神してもおかしくないほどの数値だそうです。
お酒を飲んで眠ると、のどの筋肉が緩んで気道が狭くなります。このことから無呼吸の状態がさらに悪化し、最悪の場合は動脈硬化が進み、その結果高血圧や心筋梗塞を発症するのではないかと言われているのです。
【実験結果】寝酒は熟睡には逆効果
実験の結果から、寝酒はよく眠れているような感覚になるだけで、実際は熟睡のためには逆効果だと言うことが分かりました。さらに睡眠時無呼吸症候群を悪化させ、場合によっては命もおびやかす病気を発症するかもしれないということです。
ただし、お酒にはリラックス効果もあるので、寝る3時間前までに適度な量を飲み終えるようにすれば大丈夫だということです。
いずれにしても飲みすぎは良くない、ということですね。
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音楽を聴きながら眠る方法は効果的?
続いて、音楽を聴きながら眠るという方法です。これは最初のアンケートでも7%の人が実践していました。
眠りにつくまでにどれくらいの時間がかかったか、と言うアンケートの結果、およそ6割の人が15分以上と答えました。一方で遠藤医師が300人以上に対して、音楽を聴きながら眠った場合の時間を調べたところ、平均6分30秒だったという結果になりました。
音楽を聴きながら眠った方が、寝つきがいいということが分かったのです。
これは“眠らなくてはいけない”と言う意識の問題。
音楽を聴いていると音楽に集中するため、眠らなくてはいけないという気持ちを忘れさせてくれると言うのです。
特に日常的に仕事などの悩みや心配事がある人は、音楽に集中することで心配事がかき消されて眠ることができるようになるそうです。
音楽を聴きながら眠ると言うことは、悩み多き現代人には欠かせない快眠テクニックと言えそうですね。
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眠りのプロ・キャビンアテンダントの快眠テクニックは?
飛行機のキャビンアテンダントは、世界中の空を飛び回り、仕事のスケジュールもバラバラ。しかも国際線になると時差もあります。そんな過酷な状況で働いているCAは、少ない時間でしっかり眠っていると言います。
そのための快眠グッズとは、「湯たんぽ」。
「湯たんぽ」は遠藤医師も快眠にはおすすめだと言います。
「湯たんぽは暖かいものが脳の副交感神経を刺激します。副交感神経はリラックスの神経とも言われています。特に副交感神経が優位になりやすい、お腹に当てて寝るとより効果が得られます」
〈オススメ商品〉
いまや快眠グッズはたくさん販売されています。自分に合った快眠グッズを探してみましょう。
「いびき 歯ぎしり 防止 マウスガード 1個入り G-006」(Grocia)
80度のお湯で温めてから歯にセットすると、自分の歯型に合ったマウスピースが出来上がります。歯ぎしりやいびきを防止するため、朝までぐっすり眠れます。
「ストレスリムーバー パルスエッグ」(ホーマーイオン研究所)
手のひらに微弱電流を流すことで、緊張をほぐしてリラックスさせてくれるそうです。電流は2種類あるので、眠りたい時と集中力を高めたい時と使い分けできます。
この他にも、自分に合った寝具を選ぶことは、快眠の大切な要素の一つだそうです。
寝具の選び方は、
・男性=枕は高めで硬いもの。布団は通気性が良い高反発素材がおすすめ。
・女性=枕は低めで柔らかい羽毛など。布団もやわらかく低反発素材がいいそうです。
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まとめ
心地よい睡眠のために人はいろいろな方法を探していますが、日本人が習慣的に行ってきた寝酒は、決して熟睡できる方法ではなかったようですね。恐ろしい病気を引き起こす原因にもなると言うことなので、寝酒は控えた方が良さそうです。自分に合った寝具で音楽を聴きながらリラックスして眠ることが、何より質の高い睡眠と言えそうですね。