ダイエット・やせたい気持ちが招く健康リスク~妊娠・子供・老後〜『あさイチ』より

「やせたい…」
世の女性の多くが抱くこの思いが、今、ある問題を引き起こしています。

それは、極度の低カロリーダイエットによる「やせ」。
食事から必要なカロリーの半分ほどしか摂らずに痩せることを目指すもので、なんと女性の8人の1人が痩せすぎの状態で、その割合は増加傾向にあるというのです。

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あさイチより

低カロリーダイエットによる「やせ」は今現在の健康を害すだけでなく、将来の要介護リスクを高めたり、胎児の生活習慣病のリスクを高めたりすることもわかってきたといいます。

そこで今回は、NHK『あさイチ』にてやせを取り扱っていましたので、まとめておきます。

 

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まずはBMIを知る

BMIとは肥満度をあらわす国際的な指標で、

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

この計算によって割り出します。
このBMI値が

25以上だと肥満
18.5未満だとやせ

となり、その間の標準であれば問題なしとされます。

それにも関わらず、番組でとったアンケートの回答者の7割を占める“BMI値「標準」に該当した人”のうち、なんと81%もの人が「やせたい」と思っていたといいます。BMIはまったく問題がない「標準」であるのに“やせたい!”と思う女性が多いわけです。

 

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過剰なダイエット願望が、問題のはじまり

番組に登場したYさん(30代女性)は3人の子供を育てるお母さん。BMIは22と、標準のど真ん中です。
それでも本人は、「腰周りやもも周り、腕もすごく太っています」「テレビに映るのが恥ずかしい」と言います。小学生の時に親友が自分より痩せているのを見て気になり始めたといいます。

追い打ちをかけたのは産後太り。出産してもキレイなお母さんたちが周りに沢山いて、それがプレッシャーになったYさんはピラティスや水泳、エクササイズ、計るだけダイエットなどに挑戦。
しかしこれだけでは満足できず、夕食をドリンクだけで済ませたりするなどの
「食事制限」も取り入れることにしたといいます。「どうしても痩せたい」という思いからこのようにしたのだそうですが、そもそもYさんのBMIは標準。
つまり、痩せる必要が無いのに食事を制限してしまっているのです。
ここに大きな問題が……。

食事制限がもたらす“負のスパイラル”

続いて登場したMさん(30代女性)は、昔は標準体型だったそうですが、痩せたいという思いから食事制限を始め、現在のBMIは17.1という痩せ体型になってしまっています。
そんな彼女の1日の食事を見てみると……

朝食は、ヨーグルト、アーモンドミルク、イチジク2つの合計278kcal
昼食は、野菜中心のお惣菜で合計506kcl
間食は、チョコレートを少し食べて80kcal
夕食は、ナッツ20粒で145kcal

以上で1日の合計は1009kcalとなりました。
30代女性が1日に必要なエネルギー量は2000kcalですから、半分しか摂れていません。

「太りたくないというのと、美容にいいものを選ぶようにしているので、自然と低カロリーなものばかりになる」

と語るMさん。

明らかに身体への影響は大きそうですが、番組では科学的にその影響を調べていました。
まず調べていたのは基礎代謝量。じっとしていても消費するエネルギーの量です。Mさんの身長と体重では約1100kcalほどが計測されれば正常ですが、計測してみると867kcalとなっていました。また、通常よりも筋肉量が減少し、低体温となっていることも明らかになりました。
今は自覚症状がなくても、いずれ何らかの症状が出てくる寸前です。

見た目は細く美しくなっても、身体の内側はもろく壊れやすくなってしまうところが過剰な食事制限の怖いところ。
食事から得られるエネルギーが少なくなると基礎代謝が低くなるので、身体は筋肉から必要なエネルギーをとってしまうので筋肉量が低下します。すると身体全体の活動量が落ちてしまい、食欲も低下してしまいます。食欲が低下して食べる量が減ると、さらに代謝が低くなり、筋肉量が落ちて……という具合に、不必要な食事制限は“負のスパイラル”を引き起こし、疲れやすくて弱い身体をつくってしまうのです。

 

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弱くなった身体にあらわれる病気

順天堂大学医学部の本田医師によると、筋肉が少なくなると疲れやすくなり、栄養・エネルギーが少ないために血液が作られないので貧血にもなってしまうそうです。
さらに発展すると冷え性生理不順骨粗しょう症などに至ることもあるとのこと。

「冷え性」の原因は筋肉の減少で、熱を作る役割のある筋肉が少なくなることで体が冷えやすくなり、引き起こされます。低体温になれば免疫が弱くなってしまうので風邪を引きやすくなったり、感染症にもかかりやすくなったりします。

「生理不順」は、体脂肪が少なくなったことによる女性ホルモンの低下が引き起こします。体脂肪率が17%未満になると、無月経になるリスクが高くなるので要注意です。

無理なダイエットによる無月経
極端なダイエットをしたために、月経が止まってしまったという人はとても多く、とくに若い女性に多いことが心配です。
人間のカラダのなかでは、生命を維持するためにさまざまな臓器が働いています。もっとも大切なのが心臓や肺、脳などで、子宮や卵巣などの生殖機能は、直接本人の生命維持に関係する器官ではありません。そのため、ダイエットで栄養不足になると、心臓などへ先に栄養が回され、生殖機能はあと回し。その結果、卵巣は働けず、無月経に。カラダはちゃんと考えているのですね。

ユニ・チャームHPより

「骨粗しょう症」も骨を作る役割のある女性ホルモンが減少することでリスクが高まります。
さらには、たるみやしわ肌荒れ薄毛なども引き起こすことがあるそうです。

こうなってくると、美容目的に始めた食事制限も意味を失ってしまいますね。

 

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痩せやすい体質の人はどう考えればいいのか

さて、ふつうに食べているのにBMIでは「やせ」に該当してしまう人などはどうすればいいのでしょうか。
本田医師によると、そういう方はBMIよりも「体脂肪率」に着目すべきだといいます。女性の場合は30%以上で適度な運動を取り入れる必要があり、20%未満の人は食事を増やしたりする必要があるそうです。また、発酵食品を取り入れることで腸内細菌が活発になって栄養の吸収がスムーズになされることも期待でき、体重を維持しやすいということです。

腸内細菌
腸内細菌は、消化酵素に協力する形で、栄養分、水分に対する、分解、消化、吸収、そして排泄などの作業すべてに大きく関わっている、ということが解ってきています。
なかでも、特に有用菌(善玉菌=乳酸菌)が、栄養素や成分を約300兆本の微絨毛に無駄なく吸収されるレベルまでの低分子に分解する手助けをしているといいます。

清和物産HPより

やせは、老後にツケが回ってくる

東京都健康長寿医療センターの新開氏が、高齢の女性700人以上を体型別に分類し、4年間にわたって介護サービスの利用量を追跡調査したところ、標準的な体型の女性は介護保険の利用料が月間平均1703円なのに対し、やせ型の女性はその2倍に近い平均3610円もの介護サービスを受けていることがわかったそうです。

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あさイチより

新開氏によると、「体を動かす働きが衰えて、転倒→骨折→要介護、ということになってくる。ヤセの現状を放置していると、高齢期にリスクが広がる」とのこと。

とはいえ、ここまでなら「自分の問題」と割り切ることもできますが、最新の研究によると「やせ」の健康への影響は、次の世代にまで連鎖してしまうことがわかってきたといいます。

 

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やせが胎児に及ぼす影響

産婦人科医の佐藤雄一氏は、10年ほど前から痩せた母親が増え、生まれる赤ちゃんも小さくなってきたと感じていたそうです。
以前は3200〜3500gが一般的だった赤ちゃんの体重が、最近では2000g台の赤ちゃんが増えてきていることに気づいた佐藤医師は、その背景を探るため、出産した母親2700人の妊娠前のBMIと生まれた時の赤ちゃんの体重を比べました。

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あさイチより

すると、妊娠前に痩せていた母親の赤ちゃんは標準体型の母親の赤ちゃんよりも体重が軽い傾向にあることがわかりました。
痩せているお母さんは栄養状態が悪いことが考えられ、妊娠しても赤ちゃんに十分な栄養が行かないために小さくなるとみられています。

赤ちゃんの体重と病気の関連を研究している早稲田大学の福岡秀興医師によると、2500g未満で生まれた赤ちゃんは将来、病気のリスクが高まることが統計的に明らかになっているそうです。
病気とは、たとえば心筋梗塞、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群、神経発達異常など、有名で怖い病名が並びます。

アメリカでの調査によると、生まれた時の体重の軽い赤ちゃんほど、将来糖尿病を患う率が高くなり、2500g未満だと特に高くなることがわかったのだそうです。

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あさイチより

福岡医師によると「女性が痩せるということは本人の健康を害することに加えて子どもや孫、ひ孫にも大きな影響を及ぼす」のだそうです。

また、低栄養の母体で育まれた胎児は栄養が乏しい状態でも生きていけるように「蓄え体質」になることもわかっています。これは生まれてからもそのままなので、普通に食べても太りやすく、生活習慣病のリスクも高くなってしまいます。

以上のような最新の研究から、妊娠中の女性の体調管理方法が変わり始めているそうです。

妊娠中の体調管理の方法の変化

2005年までは、妊娠中に太ることは妊娠の合併症予防の観点から制限されていましたが、現在は次世代のことを考えようということで、妊婦の妊娠前の体格別にしっかりと体重を増やす方針になっているそうです。
これは産後の授乳などに備えて行うもので、BMIが妊娠前に標準だった人は妊娠中は9〜12キロ増やすことが一般的になってきているとのこと。

海外では、妊娠前の体づくりを整えようということでプレコンセプションという概念も出てきています。

プレコンセプション
現在の晩婚・晩産化により、妊娠する前にいろいろな医学的ケアーをしておいた方がよい人が増加してきています。(中略)
妊娠してからよりも妊娠前から、内科、婦人科、不妊、不育などの医師が病状に合わせて治療を開始することによって、妊娠後もより安全な妊娠・出産ができます。
下記にあげた項目について、検査したり治療したりします。
食事・栄養、たばこ、アルコール、やせ・肥満、基礎体温、こころ・ライフスタイル、血圧・血糖、甲状腺、腎臓、貧血、骨、呼吸器、抗リン脂質、抗体症候群、膠原病、ウイルス感染・ワクチン 、くすり、婦人科・子宮頸がん、乳がん、パートナー
apitalより

 

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適切な食事管理の方法

最後に、ミス・ユニバース日本代表の栄養指導を担当する細川モモ氏が登場。
やせた女性の食生活改善も手掛ける細川氏は「しっかり食べて美と健康の両方が手に入る方法がある」といいます。

ポイントはタンパク質。

毎食タンパク質を意識して摂ることで筋肉を維持するのだそうで、こうすれば食事量を増やしても太らないそうです。目安としては、3食毎食、片手の手のひらにのる程度のタンパク質を含んだ食べ物をとっていくイメージだそうです。

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あさイチより

忙しいときはご飯の上に調理の必要のない食品をトッピングしていくのがいいそうです。番組では納豆やしらす、おかか、そして海苔などをのっけていました。

また、本田医師によるとタンパク質を代謝する時にビタミンB群が必要なので、色のある食べ物をとり入れることを意識すると尚良いということです。

まとめ

食事制限をする必要がないのに制限してしまうことで、自分の子供の健康にまで悪影響を及ぼすとは、驚きでした。
今回ご紹介したような知識を踏まえて、適度な運動と適度な食事によって、健康的な「やせ」を目指しましょう。


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