長寿ホルモンアディポネクチン~動脈硬化メタボ糖尿病予防~ためしてガッテンより

かつて、明治・大正・昭和・平成の世を生き抜き、100歳を超えた双子の姉妹として一躍有名になった「きんさん・ぎんさん」。きんさんは107歳。ぎんさんは108歳まで長生きしました。

実は、あまり知られていませんが、ぎんさんは死後、長寿の秘密を探るべく病理解剖を受けていたそうです。あれだけ元気に長生きすることができた秘密を探るべく行われたそうですが、病理解剖を担当した総合病院南生協病院の棚橋千里医師が言うには、

「20歳程度は若かったと言っても過言ではない」

とのことでした。血管や内臓がとても若々しい状態にあったようです。

 

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長寿の人には長生きホルモンがたくさん含まれていた

ではいったいなぜきんさんぎんさんは若さを保つことができたのでしょうか?

番組では、ぎんさんの体内には健康をもたらして長寿に繋がる”あるホルモン”がたくさんあったからだと紹介されていました。

それが“長生きホルモン”として番組内では紹介されていました。

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ためしてガッテンより

この長生きホルモン、実は珍しいものではなく、誰もが持っているのだそうです。ただ、きんさん・ぎんさんはそれが特に多かったということです。そしてそのことが長寿の秘訣の一つであったろうと推測できるというわけです。

この長生きホルモン、正式には「アディポネクチン」というホルモンのことを指しています。
これは1995年に、大阪大学と昭和大学の研究者たちによって発見されました。この長生きホルモン(アディポネクチン)がもたらすのは肥満や生活習慣病の改善だけではなく、動脈硬化やがんの予防まで期待できると言われているそうです。

ところで、ぎんさんの娘さんたちも長生きをしていることで知られています。

番組内では、ぎんさんの娘さんたちに実際に長生きホルモンの量を測定してもらっていました。一般の人の平均が8~10μg/mlであるのに対し、ぎんさんの娘さんは、

千多代さん(96歳)・・・23.1μg
百合子さん(94歳)・・・34.8μg
美根代さん(91歳)・・・24.6μg

ということで、平均値の2倍から3倍もの長生きホルモン(アディポネクチン)がありました。やはり、ぎんさんから長生きホルモンを受け継いでいたという見方もできそうです。

ちなみに、長生きホルモンの遺伝の影響は3割程度なのだそうです。残りの7割は何かというと、生活習慣によってもたらされるそうなので、長生きホルモンが豊富にあっても、生活習慣が乱れていれば長寿は望めないないみたいです。

 

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代替物質を与えたマウスの寿命は2倍以上に!

長生きホルモンには長寿以外にもっと具体的な効果があることがわかっています。
アディポネクチン研究の第一人者であり、肥満と糖尿病の専門家である東京大学医学部附属病院の門脇孝医師によると、インスリンの働きを高めて、糖尿病を改善する効果があることがわかっているそうです。

そもそもホルモンというものは、細胞と結合することで初めて効果を発揮します。番組では
鍵と鍵穴のような関係
と紹介されていました。これはどういうことかというと、長生きホルモンと似た構造の物質を見つけ出せれば、まるで合鍵のように働いて長生きホルモンと同じ効果が体内で起きるはずなのです。

しかし、その物質を見つけるには膨大な時間を必要としました。なぜなら、その物質の候補は600万種類もあったからです。根気強く一つ一つ確認していき、10年後にようやくその物質を見つけ出しました。

それが「アディポロン」という物質です。

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ためしてガッテンより

マウスでその効果が確認されています。

高カロリー食ばかりを食べさせて通常の3割程度しか生きられない肥満のマウスにこのアディポロンを食べさせたところ、なんと高カロリー食を食べ続けながら倍以上も寿命が伸びたのです。

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ためしてガッテンより

早速このアディポロンを試してみたいところですが、残念ながらまだ人間に投与するところまではいっておらず、今のところは精度を上げるための研究中だということでした。しかし近い将来、高カロリー食を食べすぎても健康を害さない、あるいは健康を害しても簡単に改善する、そんな時代がくるかもしれません。既に糖尿病の治療薬として大きな期待が寄せられています。

近い将来アディポロンが実用化されれば、糖尿病などのメタボリックシンドロームの予防・治療の手法が様変わりするかもしれない。

 今回発表された研究論文によれば、糖尿病のマウスに10日間にわたって投与した結果、すい臓から分泌されるインスリンの効きが良くなり、症状が改善。しかも、マウスに高脂肪の食事を与え続けると120日後には7割が死亡してしまうが、アディポロンも同時に与えたグループでは、なんとその半分以下の3割しか亡くならなかったそうだ。

経済界ホームページより

 

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長生きホルモンを増やすためには

それでは、長生きホルモン(アディポネクチン)を増やすためにはいったいどのようにしたらよいのでしょうか。食材であれば明日葉に含まれるカルコンという成分がアディポネクチンを増やす作用があるとされており、青汁の宣伝材料にもなっています(スイーツ青汁)。しかし、そうした食材以外でも生活の仕方や運動でアディポネクチンは増やすことが可能です。

番組では長生きホルモンの多い人はどんな人なのかという調査を行っていました。調査の対象となったのは、12歳~96歳の男女100人で、柔道を行っている人、囲碁を楽しむ人、劇団員、ランナー、絵手紙教室に通っている人、サッカークラブ、老人ホーム入居者、患者などの人たちです。

結果
男性平均8.6μg / 男性57名
女性平均11.8μg / 女性43名

まずわかったことは女性は長生きホルモンが多いことでした。平均寿命も女性の方が高いのはこういうことももしかしたら関係しているのかもしれません。

なぜ女性の方が数値が高いのか、これははっきりとわかっているわけではないのですが、番組では、男性ホルモンが長生きホルモンの分泌を抑えてしまうのではないかという話をしていました。確かに、男性と女性を比較して違いの原因を探るとしたら男性ホルモン、女性ホルモンというのは一番目を向けるところです。

次に、喫煙者の平均値は総じて低いということもわかりました。100人の中で数値が最下位だったのは3.9μg、その次が4.3μgです。そしてその数値を出した人がいずれも喫煙者だったのです。ちなみに、喫煙者というくくりで平均を見ると、7.5μgだったそうです。これは男性平均の8.6μgも大きく下回っている数値です。このことから、喫煙は長生きホルモンの分泌を抑えるのではと考えられるのだそうです。

 

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長生きホルモンは内臓脂肪から作られていた!

この、長生きホルモン、実は意外な場所で作られています。それはお腹の中、内臓脂肪です。
健康の敵のような扱いを受ける内臓脂肪ですが、実は長寿を左右する大事な長生きホルモン(アディポネクチン)の分泌をつかさどっていたのです。

では、このアディポネクチンを増やすには内臓脂肪を増やせばいいのではないか?

素人考えだとそう思ってしまいます。しかし、そういう仕組みにはなっていないそうです。

元来、正常な健康な内臓脂肪は、ぶどうのようにきれいに丸く並んでいるものだそうです。

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健康な人の脂肪細胞

ためしてガッテンより

しかし、食べ過ぎると、細胞そのものが膨らみ、太ってしまいます。よく、太る=脂肪細胞の数が増えるという認識をしている人がおられますが、実際は脂肪細胞の数が増えるわけではなく、脂肪細胞そのものが巨大化していくわけです。その状態が以下の画像です。

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肥満の人の脂肪細胞

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この状態になると、細胞の間の隙間にまで膨らんでしまっていますので、そこにある毛細血管も圧迫し、血流が悪くなってしまいます。

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ためしてガッテンより

こうなると酸素不足になってしまって、脂肪細胞は長生きホルモン「アディポネクチン」を出さなくなってしまうのだそうです。

要するに、痩せすぎていてもダメ、太りすぎていてもダメということです。

 

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長生きホルモンを増やす体操をご紹介

この長生きホルモン「アディポネクチン」、増やせるものなら増やしたいというのが人情です。なんとかその方法はないものかと、番組では専門家に協力してもらい、”壁ネクチン体操”なる体操を紹介していました。

【壁ネクチン体操を考案した専門家】

東邦大学名誉教授・新須磨病院糖尿病センター
芳野原氏(アディポネクチンを増やす研究で成果)

昭和大学薬学部教授
中野泰子氏(アディポネクチンの発見者)

福島医科大学教授
大平哲也氏(運動治療の専門家)

名古屋大学循環器内科特任講師
柴田玲氏(内蔵脂肪の専門家)

【壁ネクチン体操】
壁ネクチン体操は全部で3パターンあります。ちなみに、体操の名前にある「ネクチン」というのは、”くっつく”という意味を表しているそうです。

その1
基本姿勢は壁に張り付いて、かかととお尻と背中と後頭部をくっつけるだけです。非常にシンプルです。
この状態で、お腹に力を集めるように意識しながら、3分間キープします。簡単そうに見えて、スタジオで実践した松村邦洋さんによると意外ときついようです。

かかとから後頭部までを壁にぴったりとくっつけていると、おへその裏側からお尻にかけて力が自然に入っていくそうで、そうなると内臓脂肪が刺激され、膨らんだ脂肪細胞に圧迫されている血管の血流がよくなるのだそうです。すると、酸欠状態になっていた細胞にも血液が流れ、脂肪にまんべんなく養分がいくようになる、狙っているのはそういう効果です。そして、この一連の効果がうまく作用すれば、アディポネクチンの分泌量が増えるそうです。

その2
先ほどの状態で、壁から足ひとつ分だけ、前に出ます。
右手で左後ろ側の壁を、左手で右後ろ側の壁を交互にタッチします。
声を出して回数をカウントしながら30回(左右15回ずつ)行います。

これも非常に単純な体操ですが、腰を回転させますので、脇腹を効率的に使ったひねり運動になります。

その3
再び壁にかかとから後頭部までくっつけて、腕を壁の上をすべらせるように上へ下へと動かします。円を描くような感じです。これを3往復。

この体操の狙いは褐色脂肪組織の活性化にあるようです。
成人の首や肩の周りにある高い脂肪燃焼効果を持つ細胞のことを褐色脂肪組織というそうですが、この褐色脂肪組織を活性化することによって、脂肪を効率的に燃焼させることができるそうです。

この「壁ネクチン体操」、朝と夕方にそれぞれ2回ずつ3週間続けるのが良いそうです。だいたい1回あたり10分間で行うことができるということです。

 

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壁ネクチン体操の実際の効果は?

番組ではアディポネクチンが少なかった人にこの体操を実践してもらっていました。簡単な体操なので、みなさん難なくこなせたようです。

結果は、9人中7人がアディポネクチンの量が増加するという素晴らしいものでした。

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ためしてガッテンより

数値の変動幅だけみていると大したことないようにも思えますが、柴田医師によれば、5が6に増えるというのは割合からいえば20%も増えるということであり、体質改善という面からすれば素晴らしい効果だといえるそうです。簡単な体操でここまでの成果が出たというのはまずは成功といえるのではないでしょうか。

ここまで見てきて、やはり、自分はアディポネクチンがきちんと分泌されているのだろうかと興味を持つ人もいらっしゃると思います。
柴田医師によると、

「アディポネクチンの分泌が低い可能性のある人は、おへその周りのサイズが男性だと85cm以上、女性だと90cm以上のメタボリックシンドロームの人」

ということですから、大まかにはお腹周りのサイズ、もうちょっと詳しくいうなら健康診断や人間ドックなどでメタボの判定を受けたかどうかが一つの判断基準になるといえそうです。

そして、もし分泌量が少ないと確信できたのであれば、番組で紹介されたような体操を含め、食生活、運動などさまざまな生活習慣を見直すことが大切です。アディポネクチンは分泌量を増やすことが可能ですから是非取り組んでみてください。

一方で、内臓脂肪や体脂肪レベルが極めて低い痩せすぎの場合も、栄養不足でアディポネクチンを分泌することができないことがわかっています。つまり、メタボじゃなくてもガリガリに痩せている人はアディポネクチンはあまり分泌されてない可能性があるわけです。この場合も食生活を中心に見直す必要があるでしょう。

とにかく、アディポネクチンをしっかり分泌するためには、多すぎず少なすぎない、適度な量の内臓脂肪が必要だということです。

番組で出てきたような明確な数値を知りたければ、病院によっては人間ドックや健康診断のオプションなどでアディポネクチンの数値を測定することもできるそうです。費用は保険適用外でだいたい3,000円~5,000円程度とのことでした。

ただ、地方になるとアディポネクチン測定をしてくれるのかどうか、インターネットではなかなか調べることができません。最寄の病院やかかりつけの病院に直接電話して確認をしてみてください。


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