虫歯は、歯の痛みやイヤな口臭の原因になります。
しかもやっかいなことに、「自分は痛みがないから大丈夫」と思っていても知らないうちに虫歯が進行していることがあるそうです。
そんな“沈黙の虫歯”について、『健康カプセルゲンキの時間』で紹介されていましたので、それを参考にまとめておきたいと思います。
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あなたにもあるかもしれない“沈黙の虫歯”
歯を磨き終わったあとに口をゆすぎますが、何回くらいゆすぐのが適切かご存知でしょうか?
多い方が良さそうにも思えますが、実は「1回」が正しいんです。
歯磨き粉の有効成分は唾液と混ざりあうことで効果を発揮するのですが、ゆすぎすぎてしまうとそれが流れ去ってしまい、効果が薄らいでしまうのです。
正しいと思ってやっている歯磨きも意外と盲点は多いですから、“沈黙の虫歯”の有無をセルフチェックする目的で、以下の項目にチェックを入れていってみてください。
1、 炭酸飲料や柑橘系の酸っぱい飲み物が好き
2、 歯茎が下がってきた気がする
3、 冷たいものが歯にしみる
4、 10年前に治療した歯が多い
ひとつでも当てはまるものがあれば、あなたの口の中でも沈黙の虫歯が進行しているかもしれません。
日本大学歯学部の宮崎真至氏によると、
「虫歯菌が歯の表面につき、増殖していく際に、住み心地をよくするために塊をつくる。それが歯垢(プラーク)。そして、人間が糖分を口に入れると虫歯菌もそれを食べて、酸を出す。その酸によって歯が溶ける」
という仕組みで虫歯ができるそうです。
しかし、これは主に子供の虫歯の仕組みであり、大人の場合は静かに進行し、気づいたときには手遅れ、ということも少なくないのです。
番組では、数十年以上歯医者に行っていないという男女4人の口腔内をチェックしていました。
すると、女性Aさんには2本、男性Bさんには3本、男性Cさんには4本も虫歯がありました。(男性Dさんは虫歯なしでした。)
街頭チェックをしてみても、10人中6人から沈黙の虫歯が見つかりました。
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沈黙の虫歯とは
大人になるにつれて、歯の表面にエナメル質ができてきて虫歯になりにくくはなりますが、次第に歯茎が下がっていってしまいます。すると歯茎に守られていたエナメル質に覆われていない部分(象牙質)が露出してきてしまいます。
そこで虫歯菌が繁殖して掘り進めていくと虫歯になるのですが、象牙質は外からの刺激から守ろうとして内側に膨らんでいくそうです。
健康カプセルゲンキの時間より
このため、進行しても痛みを感じない“沈黙の虫歯”になるのです。
痛みを感じたときには、もう歯が折れる直前かもしれません。
健康カプセルゲンキの時間より
先程のチェック項目で酸性の飲み物がよくないと出ていたのは、酸性にエナメル質を溶かす作用があるためです。ダラダラと長い時間飲み続けるとよくないそうです。
沈黙の虫歯になる人とならない人の違い
それを知るには、唾液検査を行う必要があります。
味のないガム(パラフィン)を5分間噛み続けてから容器の中に唾液を入れるのですが、先ほど虫歯の有無を調べた4人のうち虫歯のない人以外は、基準値(7ml)の半分ほどしか唾液が出ていませんでした。
唾液の量が少ないと、それだけ汚れを洗い流す力が弱くなるので、虫歯になりやすくなります。
次に最新の検査機器で唾液の質を検査します。
正常ならば口腔内は中性に保たれていて虫歯菌は活動しないのですが、食事をすると口腔内が一時的に酸性になり、虫歯菌が活発に動き出します。
唾液にはこの状態をリセットして中性に戻す「酸緩衝能」があるのですが、この能力が落ちると虫歯になりやすくなります。
検査では、女性Aさんは酸性度が高く、男性Bさんはさらに酸性度が高いことが明らかになっていました。
しかし、意外にも虫歯が男性Cさんは酸性度も酸緩衝能も平均より良かったことがわかりました。これについて宮崎氏は
「(虫歯ができていた)親知らずの生え方が斜めになっていて唾液の力が及ばなかったのだろう」
と解説していました。また、この男性の歯の裏には歯垢が固まった「歯石」がたくさんありました。にも関わらずその部分が虫歯になっていなかったというのは、やはり唾液の働きがよいためだと思われるそうです。
唾液の分泌量を増やすには唾液腺を刺激するのが効果的です。
唾液腺は3つあります。
健康カプセルゲンキの時間より
耳下腺は指3本を使って耳たぶの下から口に向かって刺激し、顎下腺は耳たぶの下あたりの下顎の、少しへこんだ部分を刺激します。
健康カプセルゲンキの時間より
これを食事前にやると効果的だそうです。
このように量を増やすことはできても、唾液の質自体を変えることは難しいそうですから、口腔内を酸性にしないようにしておくことが大切です。
歯を磨けない状況なら口をゆすぐだけでも効果はあると言われているそうですから、意識してみましょう。
アゴに原因があるかも?
顎関節症の人や、歯ぎしりなどの噛み締めの癖がある人は、虫歯になりやすくなります。
噛み締めには3種類あります。
・ 上下に噛みしめる「食いしばり」
・ 音を出して上下の歯を噛み合わせる「タッピング」
噛み締めたときは50〜100キロの負担が歯にかかっています。寝ているときの歯ぎしりになると100キロを超えることもあるといいます。
これらをすると歯が割れたり欠けたりするので、その部分から虫歯になりやすくなります。
噛み締めはストレスが原因と考えられています。
朝起きたときにアゴの疲れや頭痛、肩コリがあるようなら、無意識にやってしまっているかもしれません。
意識できる範囲では、頬杖のクセをなくすように意識をするとよいのですが、寝ているときの癖をなくすのはなかなか難しいので、歯医者でマウスピースをつくってもらって装着するという対策がとられることが多いようです。
歯ぎしりの治療法
・ボトックス注射
美容整形に用いられるボトックス注射を応用した治療が存在します。
ボトックスは筋肉を麻痺させるので、これをあごのかみ合わせ部分の咬筋(こうきん)に注射すると、歯ぎしりなどが緩和されます。
治療時間は40分ほどで、効果は3〜6ヶ月継続するそうですが、自由診療になるので費用は3〜5万円ほどかかると見ておいたほうがよいようです。
・レーザー治療
下顎の周りの筋肉にレーザーを当てて筋肉をほぐし、中から温めることで治療する方法です。
レーザー治療は現在も進化しているそうですから、注目しておくとよいかもしれません。
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まとめ
痛みがないのに歯医者に行くのは、なかなか難しいですよね。
しかし、今回紹介されていたことを考慮に入れると、何十年も歯医者に行っていないという人は一度診てもらう必要がありそうです。
チェック項目に当てはまった方や顎のトラブルがある方は特に、歯医者の受診を検討してみてください。