睡眠薬はやめられない?認知症?~副作用と最新情報~きょうの健康より

先日の「きょうの健康」では、睡眠薬の正しい使用方法について、 国立精神・神経医療研究センター部長の三島和男先生が説明をしていました。

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今回、番組に出演していた三島先生は、睡眠の専門家として不眠症を改善する方法など、より良い睡眠を取るための知識が詰まった本を執筆しています。


不眠症とは?

眠りたいのに眠れなく、その影響で日常生活に支障が出る状態が3ヶ月以上続いていると不眠症と診断されるそうです。不眠症の治療では、まず、生活習慣と睡眠習慣の改善指導を行います。そして、それでも不眠症が治らない場合には、睡眠薬が処方されるとのことです。

睡眠薬の種類

現在、4種類の睡眠薬が不眠症の治療に使用されているそうです。

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きょうの健康より

三島先生によると、ベンゾジアゼピン系は、古くから不眠症の治療に使われていて、種類の多い睡眠薬とのことです。けれども、副作用が出やすく、依存しやすいので、少し使いづらい薬との解説がありました。このベンゾジアゼピン系の睡眠薬の使いづらさを改良した新しい睡眠薬が、非ベンゾジアゼピン系メラトニン受容体作動薬オレキシン受容体拮抗薬です。どの薬が処方されているかは、処方した医師や薬剤師に聞けば答えてくれるそうです。

睡眠薬の副作用

番組では、睡眠薬の主な副作用4つが紹介されていました。

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きょうの健康より

まず、服用から1時間から2時間は、ふらつきや転倒に注意をしなくてはいけないそうです。睡眠薬の効果で体を支えることが難しくなるからです。また、睡眠薬を飲んでから、すぐに寝床に入らずに活動をしていると、起きた時に睡眠薬を服用してから眠るまで何をしていたかを思い出せなくなることがあるとのことです。これらの副作用を防ぐためには、睡眠薬を服用後は、すぐに寝床に入ることが重要だそうです。
起床後に出る睡眠薬の副作用には、睡眠薬の効果が続いていて日中も眠気が続くことと、眠気のために作業能率が下がってしまうことがあると三島先生から説明がありました。薬の量を減らしたり、持続時間の短い睡眠薬を服用したりすることによって、これらの副作用を改善することができるそうです。

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寝つきをよくするために寝酒をする人が良くいますが、寝酒は寝つきをよくはできても、睡眠の質は著しく低下することがわかっています。
また、睡眠薬を服用した場合、自分の身体に合ってなければやはり睡眠の質は低下してしまいます。一番良いのは自然睡眠での熟睡ですが、それが不可能でも睡眠薬を上手に選択することによって睡眠の質の低下は避けられると言われています。どのような睡眠薬を服用するかは医師の判断によりますが、医師といっても睡眠に関する専門知識の有無で判断はいろいろと分かれるそうです。
睡眠に関する専門知識を備えた医師ということであれば、日本睡眠学会認定医という制度があるそうですから、認定医を探して診てもらうという手もあります。以下のリンクより参照可能です。

日本睡眠学会認定リスト

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睡眠薬の効果がないと思う場合

睡眠薬を服用して睡眠が取れるようになっても、本人の思い込みによって眠れていないと感じることがあるそうです。 このような場合は、睡眠薬の効果に期待しすぎないようにすることが大切だと三島先生は説明していました。
また、睡眠薬を服用する前に、痛みやかゆみ、頻尿などの睡眠を妨げる持病や基礎疾患の治療が行われていないと睡眠薬を服用しても効果が得られないとのことです。

思い込みや持病で効果がないと感じることもある
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きょうの健康より

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睡眠薬はやめられない?

睡眠薬を服用すると、やめられなくなったり、同じ量では効かなくなって量を増やしたりしなくてはいけないのではと心配している人が多いと思います。三島先生によるとベンゾジアゼピン系の睡眠薬を長い間服用しているとこれらの症状が出やすいそうです。これらの症状が出る可能性を減らしたのが、 3種類の新しい睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬)であるという説明がありました。

また、睡眠薬には麻薬や覚醒剤のような精神的依存はありませんが、患者さんが飲まないと眠れなくなるという不安を感じて、服用をやめるのが難しくなる場合があるそうです。

睡眠薬の大量服用は死につながる?

テレビドラマ等で睡眠薬を大量に飲ませて人を殺したり、睡眠薬を大量に飲んで自殺をしたりするシーンがあります。三島先生によると現在使用されている4種類の睡眠薬は、大量に飲んでも、呼吸が止まることはないそうです。ただ、大量に飲みすぎたことで吐いてしまい、それが喉に詰まって死亡するということは考えられると説明がありました。昔は、大量に飲むことで、呼吸を止めてしまう睡眠薬が使用されていましたが、現在はその薬が不眠症の治療に使われることはないとのことです。

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睡眠薬と認知症の関係

番組では、フランスで実施された睡眠薬の服用と認知症の関係の調査についての説明がありました。

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きょうの健康より

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を長期服用している人のほうが、服用していない人よりも認知症の発症の確率が高いという結果が上の画像のように出ています。けれども、

認知症を恐れて睡眠薬の服用を我慢することが、認知症につながることもある

と三島先生は解説していました。ですから、医師は、患者の年齢や体調を考慮して、その患者にあった睡眠薬を処方しているそうです。

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睡眠薬の減薬・休薬

睡眠薬の服用で不眠症が改善されてきて、日中も気分良く生活が送れるようになってきた場合は、減薬することが可能とのことです。けれども、突然、睡眠薬の服用をやめると、不眠症状の悪化を招くことや禁断症状が出ることがあるそうです。ですから、減薬や休薬は、必ず主治医と相談して計画的に行うことが重要だと三島先生から説明がありました。

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きょうの健康より

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まとめ

新しい3種類の睡眠薬が開発されて、睡眠薬を飲むとやめられなくなってしまうという常識が覆されたのですね。けれども、睡眠薬の服用方法を間違えては、やはり心身に悪影響を与えてしまうので、睡眠薬が必要なときは、専門の医師を受診するのがお勧めです。

 


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