うつ病の初期症状~不眠・頭痛~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』のテーマは「うつ病のサインに気づく」でした。精神神経科の医師でうつ病の診断と治療が専門の菊地俊暁先生(杏林大学講師)がうつ病の原因や症状(こころとからだ)と周りの人がうつ病に気づくために気にかけるべきうつ病患者の変化などについて説明をしていました。

 

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うつ病の3つの原因

うつ病の原因は、はっきりとは解明されていないそうですが、心理的なストレス、脳内の変化、なりやすい体質が考えられるとのことです。番組では、それぞれの原因について詳しく掘り下げていました。

心理的なストレス

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きょうの健康より

働きすぎ、人間関係の問題、離婚や死別などの生活上の問題などで心理的に強いストレスを受けたことをきっかけに、うつ病を発症することがあるそうです。

脳内の変化

神経細胞にはシナプスという突起があります。何らかの原因で、シナプスとシナプスの間を神経伝達物質がうまく伝わらなくなってしまうと感情や考えをうまくコントロールできなくなり、うつ病を発症すると考えられているそうです。

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きょうの健康より

また、近年の研究でストレスが神経細胞の突起を凹ませてしまうことが分かり、それがうつ病の原因となっている可能性があるとも菊地先生が説明していました。

うつ病になりやすい体質

親や兄弟にうつ病患者がいるとうつ病になる可能性が1.5倍から3倍になるそうです。家族は性格や考え方が似ていることが多く、うつ病になりやすい体質があると考えられています。DNAとうつ病の関係はまだ解明されていないとのことです。

 

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うつ病の症状

うつ病の症状は、疲れやすくなる、夜眠れないなどのからだの不調と憂うつな状態が続く、やる気がでないなどのこころの不調があります。番組では、この2種類のうつ病の症状について詳しく説明していました。

からだの不調

睡眠障害や疲労感・倦怠感などのからだの不調が、うつ病を疑って医師を受診する初めのきっかけになっていることが多いそうです。

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きょうの健康より

うつ病のからだの不調には、睡眠障害や疲労感・倦怠感のほかにも首や肩のコリ、頭が痛い、下痢、便秘、汗をたくさんかく、手や足のしびれ、息切れや息苦しさがあるとのことです。こうして並べてみると日常生活をしていて起こりうる違和感はすべてうつ病による不調の可能性があるともいえます。

こころの不調

憂うつな気分や何に対しても興味が持てないなどのこころの不調でうつ病だと自覚するのは難しく、こころの不調が受診のきっかけになる人は3%から4%ぐらいです。うつ病の心理的な症状は、医師との問診を通して判明することが多いということが番組で紹介された調査結果からもわかります。

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きょうの健康より

こころの不調には、憂うつな気分や何に対しても興味が持てないということの他にも、やる気が出ない、落ち着かない、イライラする、もの悲しい、自分を責めるなどがあると番組で紹介されていました。

 

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うつ病の診断基準

日本人の15人に1人が生涯に1度はうつ病になり、患者は国内に推定300万人ほどいるそうです。そうしてみると、うつ病はさほど珍しい病ではないという見方もできます。一度繁華街を出歩けば、うつ病にかかったことのある人、今現在うつ病の人は何人もいるということになります。
にも関わらず、過去の調査では、うつ病患者の4人中3人は医師を受診していないことがわかっています。菊地先生によると、最近では以前よりもうつ病について理解する人が増えたので、この調査を行った時よりは受診をする人が増えているだろうということでした。

うつ病は、問診によって詳しく患者の話を聞き、様子を見ることで診断されます。血液検査や画像検査で診断できるわけではないので、専門医でも診断が難しいとのことです。

菊地先生によると憂うつな気分と何に対しても興味が持てないというのがうつ病の2大症状で、これらの症状(どちらか一方でも)がほぼ1日中、2週間以上続いているとうつ病の可能性が高いそうです。ただ、例えば、仕事で大きな失敗をして大きなショックを受けて立ち直るのに時間がかかっていたとしても、他のことを楽しめていればうつ病ではないと考えられると菊地先生が説明をしていました。
うつ病の症状(からだの不調、こころの不調)が多いほどうつ病を疑わなくてはいけませんが、それだけでは確定ができないので画像検査などをして他の病気ではないかどうかも調べるとのことです。

 

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周りの人がうつ病に気がつくには

うつ病は悪化すると日常生活や仕事に影響が出ます。自覚することが難しい病気なので、周りの人たちが気づいて受診を促すのも大切なことです。番組では、「周りの人が気づきたいうつ病のサイン」が紹介されました。

・ 口数が少なくなった・あまり人と話さなくなった
・ イライラしている(余裕がなく、追い詰められたような感じ)
・ 朝や休日明けに調子が悪い
・ 遅刻や欠勤が増える
・ だるさを訴える
・ 身辺整理をする(自殺をほのめかすサイン)

もともと悲観的な人がうつ病というわけではないそうです。あくまでも以前と変わってしまった場合にうつ病が疑われると菊地先生は説明していました。
周囲の人がこれらの変化を感じ、うつ病を疑った場合でも直接本人に伝えるのは難しい場合があります。そのような場合は、その人の家族や友人、職場の場合は会社の産業医に相談することを菊地先生は勧めていました。
また、うつ病の家族相談を受け付けている医療機関があるので、まず家族が医療機関に相談してみるのもお勧めとのことです。

mametisikiうつ病の患者本人も辛いと思いますが、周囲で支えている人たちも戸惑うことが多いと思います。周りの人たちが、うつ病の人とどのように関われば良いのかを詳しく説明した本が出版されています。

よくわかる うつ病―診断と治療、周囲の接し方・支え方 (別冊NHKきょうの健康)
尾崎 紀夫

まとめ

番組を通して、うつ病を自覚するのは難しいことがわかりました。また、周りの人もうつ病の知識がなくては、病気に気がつくのは難しいということもわかりました。親しい人のうつ病に気づいても、とてもナイーブな問題なので受診を促すのはとても神経を使いますね。うつ病は誰もがなる可能性がある病気なので、もしものときのためにうつ病について理解を深めておきたいですね。


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