先日の「ゲンキの時間」では、中高年の男性に増えている冷え性についての実態と冷えが初期症状の大病について紹介していました。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]男性の冷え性についての調査
番組が実施した街頭インタビューでは、冷えに悩んでいる男性が多数いました。番組では、北里大学東洋医学研究所の所長補佐で准教授の伊藤剛先生の協力を得て、冷えに悩む30代から70代までの男性6人の冷えの原因を調査することにしました。
まず、頭のてっぺんから足の指先まで全身15カ所の皮膚の表面温度を測定して、体のどの部分が冷えているのかを調べていました。この結果、6人とも下半身が冷えているということがわかりました。
下半身の冷えは、中高年の男性の典型的な冷えの症状だということです。この冷えの原因は、腰や臀部の筋肉が硬くなり、血管を圧迫して足の血流を悪くするからだそうです。
ちなみに、若い女性に多いのは、手や足の先などの末端の冷えです。この冷えの原因は、ダイエットや運動不足で熱が不足するからだそうです。熱が不足すると、身体は末端よりも内側を温めようとするとのことです。
冷えの原因を知るための腋窩(えきか)実測温
6人の男性たちの冷えの原因をさらに詳しくしるために、腋窩(えきか)の実測温を測定しました。腋窩というのは、脇の下のことだそうです。この体温測定では、体の中心部の温度がわかるとのことです。
測定方法は、正確な体温を測定する実測式で、測定時間は10分間です。体温計には、実測式の他に、予測式のものがあり、予測式の体温計は、センサーで体温を予測して表示するそうです。
健康カプセル!ゲンキの時間より
市販の体温計には、予測式、実測式の両方で体温を測定できるものがあります。
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必要に応じて、2つの測定方法の使い分けができて便利ですね。
伊藤先生によると36.3℃から37.2℃が平熱で、36.2℃以下の人は、体の深部も冷えているとのことでした。今回検査を受けた6人のうち5人の体温が36.2℃以下でした。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]様々な冷えの原因
「内蔵型」
内蔵型の冷え性は、体内の温度は低いけれども手先は温かいタイプです。
原因はストレスや不規則な生活で血流のコントロールができなくなることです。通常は、身体は冷えると手足の血管を狭め、温かい血液を体の中心部に集めます。けれども、このタイプの冷え性の人の血管は、開いたままの状態なので、身体から熱が逃げてしまうとのことです。6人中2人がこのタイプの冷えで、Yさん(31歳)は、不規則な食生活と運動不足、Tさん(57歳)も運動不足と高カロリーの食事が原因でした。
「全身型」
全身型の冷えは、手や足の先も体内の温度も低いタイプです。
この冷えの原因は老化や運動不足などにより、身体が熱を生み出しにくくなることだそうです。検査の参加者のうち、Kさん(64歳)とAさん(70歳)の冷えの原因が老化によるものでした。
「下半身型」
参加者のMさん(55歳)の冷えは、皮膚の表面温度測定でわかった下半身型の冷えでした。Mさんの冷えは、腰のこりや腰痛が原因でした。
「自律神経の乱れによる冷え」
参加者のOさん(49歳)は、体温測定だけでは冷えの原因が特定できなかったので、電子瞳孔計を使った自律神経機能検査を受けることになりました。
その結果、交感神経と副交感神経のバランスが偏っていることがわかりました。交感神経は熱を運ぶ血管の太さをコントロールするので、交感神経が正常に働かないと体温の調節がうまくできなくなるそうです。
健康カプセル!ゲンキの時間より
Oさんの場合は、頻繁にサウナに通っていることが冷えの原因でした。伊藤先生によると、あまりサウナを利用しすぎると、激しい温度差のために自律神経のバランスが崩れてしまうそうです。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]即効性のある冷え性対策
伊藤先生から、即効性のある冷え性対策として、ソフトボールによるツボ刺激が紹介されました。ソフトボールを使って、心臓や腰回りの血行を良くするツボを刺激することで、体が温まるそうです。
下半身の冷えには、お尻やふくらはぎのツボを刺激するのが良いとのことです。
健康カプセル!ゲンキの時間より
内臓や全身の冷えには、下半身とともに背中のツボを刺激するのが効果的だそうです。
健康カプセル!ゲンキの時間より
ツボを刺激するときは、あまり体重をかけないで1カ所につき30秒程刺激を与えるのが目安とのことです。
伊藤先生は東洋医学の専門家として、ツボに関する本を執筆しています。冷え性以外の身体の不調をツボで改善してみたい方にお勧めです。
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伊藤 剛
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冷え対策のポイント「衣・食・浴」
番組では、帯山中央病院院長で漢方専門医の渡辺賀子先生が「衣・食・浴」の冷え対策ポイントを紹介していました。
「衣」
冷え性対策として、内臓のあるお腹周りを温めるのが効果的だそうです。機能性下着も冷え性の対策に役に立つのですが、逆効果になることもあるそうです。内蔵型や下半身型の冷え性の人はよく汗をかく体質の人が多いので、汗が乾きにくい機能性下着はお勧めできないそうです(汗は身体から熱を逃がしてしまいます)。それで、通気性の良いトレッキング用の防寒下着を着用することを渡邊先生は勧めていました。
「食」
冷え性の人は、朝食をしっかり食べて代謝を上げることが大切だそうです。タンパク質(卵や豆腐など)を摂取するとより効果的に代謝を良くできるとのことです。また、山椒、生姜、唐辛子のような体温を調節する食べ物も渡邊先生は勧めていました。ただ、唐辛子を汗がたくさん出るほど食べるのは、逆効果になるとのことです。
「浴(入浴)」
お風呂に入るときは、最初から熱いお湯に入るのではなく、追焚きなどで徐々に温めると良いそうです。急激な温度の変化は、自律神経のバランスを乱して、冷えの原因になると渡邊先生から説明がありました。
渡邊先生は、冷え性の専門家として、冷えを改善するための対策についての本を執筆しています。
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渡邉 賀子
冷えが大病のサイン
番組では、初期症状として手足の冷えがある閉塞性動脈硬化症が紹介されていました。閉塞性動脈硬化症は、手や足の血管をコレステロールが詰まらせてしまい、血液が手や足の先まで送られなく病気です。
健康カプセル!ゲンキの時間より
この病気は、発見が遅れると手足が壊死してしまい、その部分を切断しなくてはいけなくなる場合もあるそうです。
番組では、この病気を経験した俳優の宮内洋さん(69歳)にインタビューをしていました。仮面ライダーV3で有名な俳優さんです。
宮内さんは、初めはただの足の冷えだと思っていたのですが、歩くのが困難になるほどの足の痛みを感じて、病院を受診したところ閉塞性動脈硬化症と診断されました。そして、宮内さんは動脈硬化によって血液が流れなくなった部分を人工血管に取り替える人工血管バイパス術を受けました。この手術によって、宮内さんの足に正常に血液が流れるようになり、足の切断を避けることができました。
健康カプセル!ゲンキの時間より
宮内さんを診察した東京医科大学病院心臓血管外科医の小泉信達先生によると、閉塞性動脈硬化症を発症した人は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの死に至る病気を持っている可能性があるそうです。ただの足の病気と考えるのではなく、これらの病気についても注意する必要があるとのことです。
冷えがサインの病気として閉塞性動脈硬化症以外にも糖尿病(冷え+しびれ)、膠原病(冷え+こわばり)、甲状腺機能低下症(冷え+むくみ)があるそうです。特に男性は自分に無頓着なので、普通ではない冷えを感じたら、放っておかずに病院を受診するのが大切だと渡邊先生は注意を促していました。
[sc:アドセンスレスポンシブ ]まとめ
女性だけではなく、男性の多くも冷えに悩んでいるということに驚きました。今回番組で紹介されていた冷え対策は、性別に関係なく生活に取り入れることができそうですね。冷えは、大病につながることもわかったので、たかが冷えとは考えず、普段の生活から冷えとり対策を実行していきたいですね。