膝は社会生活を送る上で大変重要な箇所です。ここが痛むと、最悪は寝たきりにもなりかねません。
が、現在ではよほど膝の状態が悪くなっても外科的な対処法が考案されているようです。
先日の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」では、患者数が日本国内に約2,500万人のひざの痛みを伴う病「変形性ひざ関節症」の最新治療法と検査法について特集していました。
膝が変形性ひざ関節症の人の痛みを治す、体操や正しい歩き方を説明した本が出版されています。今は、ひざの痛みのない人も予防のために正しい歩き方などを知っていると良いですね。
変形性ひざ関節症の痛みを治す4週間プログラム (徹底対策シリーズ)
八木 貴史、黒田 恵美子
また、グルコサミンなどを補給する医薬品も大変よく売れているそうです。
このグルコンExはサプリメントではなく医薬品ですから効果効能も明確に解説されている点で多くの方から支持されています。
変形性ひざ関節症とは
変形性ひざ関節症は、加齢や肥満などによって、ひざの上下の骨と骨の間でクッションの役割をしている軟骨がすり減って、ひざが痛む病気だそうです。番組が取材をしたこの病の末期患者Aさん(50代女性)の場合、朝布団から起き上がる時には、支えがないと立てなかったり、ひざの痛みで10分も歩くことができなかったりというように、生活に支障をきたしているとのことでした。Aさんの左ひざのX線画像では、ひざの骨と骨の間の隙間が、外側に比べて内側が非常に狭く、骨と骨がぶつかっている状態だということがわかります。
ワールドビジネスサテライトより
この病の国内の患者約2,500万人のうち800万人が痛みを伴っているそうです。
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Aさんは、東千葉メディカルセンターで人工ひざ関節置換術という手術を受けることになりました。この手術は、ひざの上下の骨を削って、すり減った軟骨ごと取り除き、その部分に人工関節を挿入する治療法だそうです。
人工関節は、人体に害の少ないチタンとポリエチレンで作られています。
ワールドビジネスサテライトより
人工関節に使われていた従来のポリエチレンは体内の酸素で酸化してしまうため耐久性は約15年だったそうです。そのため、若いうちに人工関節を取り付けると人工関節の交換のための再手術が必要でした。けれども、Aさんの手術で使われた最新の人工関節は耐久性が20年から30年で再手術のリスクが減ると番組では説明していました。これまでの人工関節と最新の人工関節との違いは、ポリエチレンに抗酸化作用のあるビタミンEが配合されていることです。これによって、ポリエチレンの酸化が防げるようになったそうです。
Aさんの手術は約1時間30分で終わり、その2日後には、リハビリとして歩く訓練を始めていました。Aさんは、手術後、これまでの激しいひざの痛みがなくなったと喜んでいました。
下の画像は、Aさんの手術前後のひざです。
ワールドビジネスサテライトより
東千葉メディカルセンターでの人工ひざ関節置換術の治療費は高額療養費制度を利用して約10万円で、入院期間はリハビリを含めて2週間とのことです。
最新の検査方法「T1ローマッピング」
番組では、ひざの痛みが発症する前に変形性ひざ関節症を発見する最新の検査方法として、T1ローマッピングが紹介されました。T1ローマッピングは、MRI検査の画像を最新のソフトウェアで解析して、ひざの軟骨に含まれるプロテオグリカンの量を測定する検査だそうです。下の画像のようにプロテオグリカンの量が正常だと青、少ない場合は赤で表示されます。
ワールドビジネスサテライトより
ひざの軟骨の約7割は水分で、その水分を貯めているのがプロテオグリカンだそうです。プロテオグリカンは加齢などで減少します。この物質が減少するとひざの軟骨の弾力がなくなり、すり減ってしまうとのことです。
T1ローマッピングを使ってプロテオグリカンの量を知ることによって、軟骨がすり減ってひざが痛みだす前に、運動や減量などの対策をすることができるようになったと番組では説明がありました。
この検査は、約4,000円(3割負担)で受けることができるそうです。
まとめ
こんなに多くの日本人がひざの痛みを抱えているということに驚きました。ウォーキングのような簡単な運動もひざの血流を良くして、変形性ひざ関節症の予防になるということです。ですから、日頃から歩く時間を作るなど、ひざの血流を増やす運動をするように心がけたいですね。