食後の眠気は、動脈硬化のサイン?〜『ためしてガッテン』より

食事のあと、ウトウトしてきて、つい寝てしまうー。
誰にでもよくあることですよね。
しかし、実はそれが「動脈硬化」のサインかもしれないというのです。
動脈硬化といえば、脳卒中や心臓病につながる可能性のある、おそろしい現象として有名です。

今回は、食後の眠気と動脈硬化の関係についてNHK『ためしてガッテン』にて特集していましたので、まとめておきます。

 

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動脈硬化の恐怖

番組では、食後の眠気に“ある特徴”を持っている人5名が集まって、超音波検査を受けていました。
その結果、なんと5名中4名から動脈硬化が見つかり、その4名全員が「頸動脈」という、脳に直接繋がる大事な場所にある血管に動脈硬化が生じていました。

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ためしてガッテンより

ここに動脈硬化が起きてしまうと、とても危険です。
そもそも動脈硬化というのは、コレステロールやカルシウムが血管にたまってガチガチに固くなったり、傷ついたところに血栓ができてしまったりした状態のことをいいます。固まったものを「プラーク」と呼ぶのですが、このプラークはとても傷つきやすく、傷つくとそこに血栓ができてしまいます。

血栓
血栓(けっせん)とは、血管内の血液が何らかの原因で塊を形成することであり、主に血管壁が傷害されることにより起こる。

ウィキペディアより

それが何かの拍子で剥がれてしまうと血流に乗って脳の方へ流れていき、最悪の場合、それが脳の血管に詰まって脳梗塞になってしまったりするのです。

 

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動脈硬化で食後に眠くなる理由

そんな動脈硬化と眠気との関係を知るためには、そもそもどうして食後に眠くなるのかを知らなければなりません。

人間が食物を体内に入れると、その食物を消化するためにからだ中から血液が腸に集まります。
その結果、脳の血液が減少をして活動が低下し、眠気を催すというわけです。

健康な人ならば、頸動脈に存在する「頸動脈洞(けいどうみゃくどう)」という頸動脈の血圧を計る役割のある器官が、頸動脈に流れる血液量の減少を察知することで、からだは心臓の拍動を速めて、血液の循環スピードが高まります。こうすることで、食後でもある程度、脳の血流量が維持されるのです。

しかし、頸動脈に動脈硬化があらわれている人の場合は、動脈が固くなっていたり壁が厚くなっていたりするので、頸動脈洞が血圧を感知することが出来ません。
その結果、心臓の拍動が速まることもなく、脳の血流量は減少したままとなってしまうので、食後に異常なほどの強い眠気に襲われることになるというのです。

番組冒頭の超音波検査で動脈硬化が見つかった4名の眠気に共通していた“ある特徴”が、これでした。
そのうちの一人は、食後の眠気について、「妻がさっきまでそこにいた。自分では起きているつもりなんだけど、ふと気が付くと、いつの間にか妻が別の場所に移動している。それで寝ていたことに気づく。まるで時が飛ぶような感じ。」と話していました。

つまり、まるで意識不明になるかのように、一瞬で深い眠りに落ちてしまうという特徴があるのだそうです。
なかには「食事の最中に気づくと寝てしまっていた」という方までいらっしゃいました。

 

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眠気だけでは判断がつかないときは

番組では、先ほどの検査で頸動脈に動脈硬化が見つかったCさん(中年女性)に「食後の血圧測定」を行ってもらい、健康な若者3名の血圧の変化と比較する実験も行っていました。

食前の血圧を測定すると、若者3名は

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ためしてガッテンより

Cさんは

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ためしてガッテンより

という結果となりました。

この後、4名全員で同じ食事をとり食後1時間をのんびり過ごしたあと、再び、血圧を測定していました。

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ためしてガッテンより

健康な若者3名は、食前とほとんど変化がありません。
しかし、Cさんは……

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ためしてガッテンより

なんと、食前に比べて20近くも下がってしまっています。この「食後の血圧急降下」が、頸動脈洞が正常に働いていないことを示しているのです。

自治医科大学の苅尾七臣教授によると、「食後1時間の、上の血圧が食前よりも20mmHg以上低下するようだと危険」とのこと。
1週間ほど食後の血圧を測定し続けてみて、繰り返し低下する人は要注意なので、かかりつけ医に相談の上、循環器内科など専門医の受診をするべきだそうです。

 

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動脈硬化への対策

番組で推奨されていたのは「有酸素運動」でした。頸動脈を柔らかくして、頸動脈洞が働くようにすることが大切だからです。そのためには、心拍数が上がるようなリズミカルな運動をすることがとても大事で、特に「インターバル運動」が推奨されていました。

・インターバル運動
早歩きとゆっくりした動きを繰り返す運動のこと。インターバル速歩などがあります。

インターバル速歩
インターバル速歩とは、「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返すウォーキング法。筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を合わせることで、筋力・持久力を無理なく向上させることができるうえ、骨密度の増加や生活習慣病リスクの改善などにも効果があります。また1日トータル15分という手軽さも長く続けることが出来るポイント。体力のない高齢者や、忙しくて時間がとれないという人にもぴったりのトレーニング方法です。

NPO法人熟年体育大学リサーチセンターより

治療となると、抗血小板薬などを用いた投薬治療となるそうです。
それでは治らないレベルにまで進んでいる場合は、外科的にその部分を切除する「頸動脈内幕剥離術」などの処置を取る必要があるそうですから、早めに動脈硬化に気づくことが大切です。

 

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音で動脈硬化を見つける

番組では、他の場所の動脈硬化も解説されていました。
内科で腹部の検査を受けると、「音」によって動脈硬化を発見できることがあるそうです。その場所に動脈硬化が生じている人は、なんと日本に160万人近くもいるとみられるそうです。

その場所というのは、大動脈から分かれて腎臓に血を送っている「腎動脈」という場所です。

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ためしてガッテンより

ここにプラークが生じて血管が細くなってしまうと、そこだけ急に血流の速度が早くなるので、奇妙な音がするのだそうです。もちろん、耳で聞こえるような大きさの音ではありませんが、内科で検査をする際の手がかりの一つにはなるのだそうです。

 

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腎動脈の動脈硬化について

では、腎動脈が硬化して細くなるとどのような不具合が身体に生じるのでしょうか。

腎動脈が細くなって入ってくる血液量が減少すると、腎臓はレニンという物質を放出します。
レニンは、全身の血圧を上げるホルモンの働きを持つ物質です。

レニン
タンパク質分解酵素の一種。
~中略~
腎臓の傍糸球体細胞から分泌され、血圧調節に関わるアンジオテンシンIを活性化する。したがって、この酵素は間接的に血圧を調節する。またレニン酵素タンパク質の遺伝子の活性が強いと高血圧になりやすくなる。

ウィキペディアより

血管がつまっているから血液が来ないだけなのに、血圧を上げる物質を放出してしまうので、当然、必要以上に全身の血圧が上がってしまいます。

すると、血液の循環が異常に速くなるので、全身の血管が傷むなどの不具合が生じてしまいます。

腎動脈の動脈硬化の具体例を見てみましょう。
番組に登場したKさん(中年男性)は、薬を飲んでも下がらない高血圧に悩んでいました。そこで精密検査を受けてみたところ、腎動脈がほとんどふさがってしまっていることが発覚しました。下の画像の矢印のところです。

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ためしてガッテンより

この状態の治療法については、国立病院機構京都医療センターの成瀬光栄医師によると、まずは薬物療法が行われるのだそうです。レニンの作用で増える血圧上昇ホルモンの働きを弱める降圧剤が用いられます。
そもそもの詰まりを解消したい場合は「ステント留置術」という治療が行われます。
ステントというステンレスでできた網目状の医療器具を腎動脈に設置することで血管を拡げ、血流をなめらかにして、腎臓を健康な状態に戻す治療法です。

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ためしてガッテンより

これがステントという医療器具です。

ステントの設置前と後を見比べてみると……

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ためしてガッテンより

腎臓内の血流が良くなっているのが、素人目にも明らかですね。

ステントは、足の付根などから入れて、カテーテルを用いて設置するそうです。

 

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アキレス腱を見れば、動脈硬化の有無がわかる

番組では、アキレス腱の厚さを測る検査方法も紹介していました。
この検査方法で見つけることが出来る動脈硬化は「家族性高コレステロール血症」と呼ばれ、日本では最大60万人いると言われています。

家族性高コレステロール血症
LDL(悪玉コレステロール)受容体の機能に障害があったり、受容体の数が人より少なかったり、また受容体の分解を促進するたんぱく質を人より多く持っていると、おもに肝臓でのLDLの取り込みが低下し、血液中のLDL-Cの量が増加してしまう遺伝性の病気があります。これが”家族性高コレステロール血症(FH)”です。
FH患者は生まれた時からLDL-Cが大きく上昇し、200~400 mg/dLのLDL-C値が一般的に見られます。これは基準値である140 mg/dLを大幅に超える値です。そのため、若年でもすでに動脈硬化が進行している危険性があります。

ハフィントンポストより

どうしてアキレス腱の太さで動脈硬化の有無を判断できるかというと、アキレス腱は常に酷使されて、組織が傷みやすい部位だからだそうです。身体には、傷んだ場所にコレステロールを付着させる特徴があるので、血液中のコレステロールの量が異常に多いと、アキレス腱にコレステロールがどんどん溜まり続けてしまい、肥大化してしまうのです。

ちょっと怖い話ですが、カンタンに病気を見つけられるとも言えますので、チェック法を確認しておきましょう。

まずは足を横から見てみて、盛り上がっていないかどうかをチェック。

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ためしてガッテンより

見るからに違いが判ると思います。

次に、アキレス腱の太さをものさしで測ってみて、太さが2cm以上あれば危険信号だそうです。

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ためしてガッテンより

こうなっていたら、かかりつけ医に相談の上、循環器内科を受診しましょう。

 

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まとめ

今回見てきた事例のように、身体が異変に関するサインを出してくれるケースは、そのサインを見逃さないようにすることが大切です。もし気になることがあれば、今回ご紹介した血圧測定などを実施し、異変があるようならすぐに病院に行くことを心がけましょう。


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