あなたの原因不明の痛み、もしかすると「天気痛」かもしれません。
天気が悪いと引き起こされる頭痛や関節痛、腰痛、肩や首の痛み、めまいなどを「天気痛」と呼び、日本ではなんと3人に1人が経験しているそうです。
東洋経済の記事によると、天気痛は発展するとうつ病や認知症になることもあるそうなので、甘く見てはいけません。
下の3項目のうち、ひとつでもあてはまるようだと、あなたも天気痛持ちかもしれません。
2, 乗り物酔いをしやすい
3, 日々ストレスを感じやすい
では、なぜ「天気痛」は起こるのでしょうか。
天気痛について解説していた『健康カプセルゲンキの時間』を参考にしながら、その仕組みについて見ていきましょう。
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天気痛の原因
「天気痛」という言葉をつくった愛知医科大学の佐藤純氏によると、気象の影響で様々な症状が出る「気象痛」という症状がもともとあるそうで、気象痛の中でも痛みや目眩などを伴うものを特に天気痛というそうです。意外なことに、天気痛の一種として歯周病が引き起こされることもあるといいます。
佐藤氏は「温度や湿度よりも、気圧の変化が天気痛を引き起こしている」と考えているそうです。気圧は、空気の重さで生じる圧力のことで、高気圧で晴れ、低気圧で雨になります。
人工的に気圧を上げ下げできる小部屋型の装置があります。
番組では、15年くらい前から頭痛に悩んでいる女性と、中学時代に部活で首を痛めてから痛みに悩む男性がこの装置に入って、体にどんな変化が生じるかを見ていました。
まず、晴れの気圧1001hPaから曇りの気圧991hPaに下げていきます。
すると、
「耳が変な感じ…」
「体が重い…」
「首がだるくて重い…」
などの声が上がっていました。
専用の機械で男性の痛みレベルを測ると、すでに5倍以上になっていました。敏感な人は5hPaくらいの微妙な変化でも体に異変が生じるそうです。
次は雨の状態まで下げていきます。
女性は「頭が重い」という状態からついに「頭が痛い」と訴えはじめ、男性の痛みは10倍以上にまでなってしまいました。
実験の前後で唾液採取によるストレスチェックをすると、全員のストレス度が増加していました。
天気痛の人のなかには天気が良くなっていくときにも痛みが出る人がいるそうですから、とても厄介です。
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天気痛の仕組みと、なりやすい人
耳の奥にある「内耳」という器官が気圧の変化を感知しています。
内耳は視覚と連動して体のバランスをとっている器官なので、目に見えない気圧の変化に脳は一種の混乱状態に陥ります。そのストレスで全身の交感神経が興奮し、持病や古傷の神経に痛みが生じたりするんだそうです。
そして、内耳の敏感さには個人差があります。
実験として耳のあたりに電気を流してみると、天気痛の人とそうでない人の反応(めまいを感じたり眼球が動いたりなど)には差が出ます。
健康カプセルゲンキの時間より
天気痛が出ない人に電流を流すと0,3mAで反応するのに対し、天気痛の人はわずか0.06mAで反応していました。
佐藤氏の実験でも、天気痛の人は正常な人に比べて3分の1で反応するという結果が出たそうです。
健康カプセルゲンキの時間より
この理由から、天気痛の人は新幹線や飛行機で気圧が変わることも苦手である場合が多いようです。
天気痛の診察
佐藤氏は、初診時に以下のような問いを投げかけるそうです。
・ あなたがいま感じている痛みはどのくらいですか?
・ 緊張感を感じますか?
・ 笑えていますか?
こういった問いを140問も答えてもらうそうです。
さらに「お天気ノート」をつけるよう指導します。
天気と気圧の変化とともに、痛みがどう出るかを記録していくものです。
健康カプセルゲンキの時間より
これで症状を客観的に把握することができるようになります。
・天気痛の最新ケア
高気圧高酸素ルームという装置に入ることで症状が改善されるそうです。
健康カプセルゲンキの時間より
この中にいると微量の高気圧によって自律神経がリセットされ、天気痛の改善につながるそうです。
天気痛の人がここに入る前にストレス度を測ると125でしたが、30分後には74まで下がっていました。「筋肉が緩んでいくのがわかる」「腰痛がなくなった」と話していました。
天気痛の治療、対策
佐藤氏によると、その人の痛みの場所に合わせて、薬にするか理学療法にするかなどを決めていくそうです。
・自宅でできる対策
天気痛の人は耳周りの血流が悪いことがわかっているので、血流を良くするマッサージで対策ができます。
両耳を軽くつまんで、気持ち良い程度の強さで上・下・横に5秒ずつひっぱります。
健康カプセルゲンキの時間より
次に、軽く引っ張りながら後ろに5回まわします。
それから耳を包むようにして5秒間キープします。
健康カプセルゲンキの時間より
最後に、耳全体を手の平で覆って、円を描くように5回マッサージします。
健康カプセルゲンキの時間より
これを朝昼晩の3回繰り返しましょう。
・天気痛対策になるアプリ
「頭痛—る」というアプリがあります。
気温や気圧の変化の6日先までの予報が見られるアプリです。
心構えができているだけでもだいぶ変わるそうなので、天気痛の傾向がある人は使ってみましょう。
・ツボ
内関(ないかん)というツボが有効だそうです。
健康カプセルゲンキの時間より
手首に3本指を置いたときに人差し指の下に位置するツボで、もとは酔い止めに効くツボなんだそうです。
5回ほど押すように揉んでみてください。
・天気痛ブレス
佐藤氏が開発したグッズに「天気痛ブレス」という、手首のツボを押すことができるものがあります。
https://www.goodspress.jp/news/86610/
お悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
天気痛は自律神経の乱れが原因ですから、自律神経を整えることが対策として有効です。
今回ご紹介した対策に加えて、ぬるめのお風呂でリラックスしたり、首元にホットタオルをあてたりして、気圧に影響されない体を目指しましょう。