善玉コレステロール値が低いのは要注意LH比基準~主治医が見つかる診療所より

先日の「主治医が見つかる診療所」では、善玉コレステロール値とLH比(LDL悪玉コレステロールとHDL善玉コレステロールの比率)が健康に与える影響について特集をしていました。これまでは悪玉コレステロール値だけに注目が集まっていましたが、善玉コレステロール値が低いことも健康に悪影響を与えることがわかったそうです。番組では、岡部クリニック院長の岡部正先生ら8人の医師が芸能人たちのLH比などをもとに、善玉コレステロール値に気をつけるべき理由と善玉コレステロールを増やす方法を解説していました。

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番組に出演していた岡部先生は、生活習慣病や動脈硬化症などの診断や治療を専門にしています。そして、これらの病気を予防するための方法を分かりやすく説明した著書が多数あります。

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悪玉コレステロールと善玉コレステロールの働き

岡部先生によると、コレステロールは実は1種類しかなく、悪玉と善玉の違いはその働きにあるそうです。

悪玉コレステロールは、肝臓で生成されて血管を通って全身に送られて細胞やホルモンの材料となります。

そして、善玉コレステロールは、細胞やホルモンの材料として使われなかったコレステロールを肝臓へ戻します。

そのため、善玉コレステロールが少ないと悪玉コレステロールが余分に血管の中に残るため動脈硬化の原因になるそうです。

乳腺専門医でナグモクリニック総院長の南雲吉則先生によると、悪玉コレステロールが悪玉と呼ばれるようになった理由は、昔、動脈硬化や心筋梗塞で死亡した人の血管の内側にコレステロールがたくさん付いていたからだそうです。

これらの人たちのコレステロール値が高かったので、コレステロールが多すぎて血管を詰まらせてしまったと考えられていたそうです。けれども、実際はこれらのコレステロールは、不摂生などで傷ついた血管を修復するために運ばれていたと南雲先生は説明していました。

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南雲先生は、1日1食の食事で若返る方法を提案している医師として有名です。20歳若返る方法について説明をした数々のベストセラー書籍を執筆しています。

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LH比とは?

岡部先生によると、これまでは悪玉コレステロール値ばかりが病気の原因と考えられていましたが、近年、善玉コレステロールの数値も気をつけなくてはいけないことがわかったそうです。それで、LH比(LDL悪玉コレステロール÷HDL善玉コレステロール)がとても重要だと考えられるようになったとのことです。

LH比の基準値は2.0以下で、
LH比が2.0から2.5では動脈硬化の可能性が増え、
LH比が2.5以上になると心筋梗塞の可能性が大幅に増える
そうです。

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主治医が見つかる診療所より

現在では、多くの健康診断の結果にLH比も記載されるようになっていますが、計算されていない場合は自分で計算することを岡部先生は勧めていました。また、悪玉コレステロールが少しぐらい高くても、LH比が基準値であれば、LH比を重視して診断するとのことです。

 

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善玉コレステロールと心臓病の関係

番組では、善玉コレステロール値が低いことが原因で2014年12月に不安定狭心症を発症したKさん(53歳、男性)にインタビューをしていました。

狭心症は、心臓に酸素を送る冠動脈が狭くなったことが原因で胸の痛みや圧迫感を起こす病気です。不安定狭心症は、狭心症の中でも発作が不規則的に起こるため突然死の可能性が高いそうです。

Kさんは、仕事中に突然胸の圧迫感を感じて病院を受診し、この病気の診断を受けました。検査ではKさんの心臓に狭窄が2か所あり、そのうちの1か所は狭窄率が約90%だったと番組では画像とともに紹介されていました。

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主治医が見つかる診療所より

Kさんは、危険な状態を脱するために、直ちに冠動脈バイパス手術(足や胸などの血管を冠動脈に移植して、これまでとは別の経路で心臓に酸素を送るようにする手術)を受けたそうです。下の画像はKさんの手術前と手術後の心臓を比べたものです。手術後の画像で赤く塗られた血管が、移植した血管です。

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主治医が見つかる診療所より

Kさんは病気を発症する10年前から毎年人間ドックを受けていました。そして、不安定性狭心症発症の3年前から悪玉コレステロール値が高いことが気になっていたとのことです。Kさんが受けた血液検査のLDL悪玉コレステロールの基準値は60から110(mg/dL)でした。そして、KさんのLDL悪玉コレステロール値は、2011年が122、2012年が105、2013年が133でした。30代のときにはトライアスロンなど運動量が多かったKさんですが、50代になり体重が10kg増えたことが、悪玉コレステロールが増えた原因だったそうです。

悪玉コレステロールが基準値を超えていたことは気にしていたKさんですが、術後の検査で担当の医師からこれまでの検査で基準値内だったので全く気に留めていなかった善玉コレステロールの低さを指摘されて驚いたと語っていました。

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主治医が見つかる診療所より

KさんのLH比は、不安定性狭心症の発症の4年前から基準値の2.0を超えていて、発症の1年前にはLH比3.2と心筋梗塞のリスクが急増する2.5を大きく上回っていました。

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主治医が見つかる診療所より

北関東循環器病院院長で心臓血管外科の世界的な権威でもある南和友先生によると、善玉コレステロールには血管が壊れたときに修復する役割があるそうです。ですから、善玉コレステロール値が低いとこの血管を治す働きが十分ではなくなるので心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。善玉コレステロールの数を増やすことがとても大切だとのことです。

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70歳近くでも現役で心臓手術を行っている南先生が実践している血流をコントロールする健康法について、南先生自身が執筆した本が出版されています。

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芸能人のHDL善玉コレステロールとLH比

番組ではゲストの7人の芸能人の生活習慣とLH比をもとに、善玉コレステロールを増やす方法が紹介されました。番組が利用した検査機関のLDL悪玉コレステロールの基準値は70から139(mg/dl)でHDL善玉コレステロールの基準値は40から90(mg/dl)です。

 

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モト冬樹(64歳)

モト冬樹さんは、8ヶ月前に同番組で受けた血液検査では悪玉コレステロールが74mg/dl、善玉コレステロールが36(mg/dl)、LH比が2.1でした。そのときにLH比が基準値より高いのは、喫煙が原因だと指摘を受けていました。モトさんは1日20本のタバコを44年間毎日吸っていたそうです。この検査の結果を受けて、元さんは禁煙を宣言していましたが、3日間しか続かなかったそうです。
検査後から健康的な食生活を心がけ、動脈硬化の予防に効果のあるミニトマトを毎日食べるようにしていましたが、今回の検査では悪玉コレステロールが91(mg/dl)、善玉コレステロールが41(mg/dl)、LH比が2.2と前回よりも悪い数値となってしまいました。

旭川赤十字病院の脳神経外科部長の上山博康先生によると、毒になるもの(タバコ)を健康な食品(トマト)で消すことはできないそうです。毒の影響の方が薬よりも何倍も強いので、健康を改善するためには毒の摂取を止めなければいけないとのことです。

沢田亜矢子(67歳)

沢田亜矢子さんは、自分で模範的と言えるほど規則正しい生活を送り、健康的な食事をしていました。沢田さんの悪玉コレステロールは154mg/dLと基準値を超えていましたが、善玉コレステロールは67mg/dLと基準値内でLH比は2.3でした。
加齢によってコレステロールの合成が悪くなるために、肝臓がコレステロールを多く生成するようになるそうです。また、女性は閉経するとコレステロールが増えるとのことです。そして、3人に1人は卵を食べるとコレステロールが上がると岡部先生が説明していました。
番組に出演していた各医師からは、沢田さんの生活習慣がとても良いことから悪玉コレステロールが高いのは加齢のためと考えられ、善玉コレステロールも基準値内なので、悪玉の数値は気にしなくても良いと診断されていました。また、沢田さんはコレステロールを気にして大好きな肉を食べるのを我慢していたそうですが、これについても南雲先生から肉を食べることとコレステロールは関係がないという説明がありました。

野々村真(51歳)・俊恵(52歳)夫妻

血液検査の結果、野々村真さんは悪玉コレステロールが96mg/dL、善玉コレステロールが100mg/dL、LH比が1.0でした。そして、野々村俊恵さんは、悪玉コレステロールは112mg/dL、善玉コレステロールは101mg/dL、LH比が1.1でした。

岡部先生によると、善玉コレステロールが100を超えるのは1,000人に1人なので、野々村夫妻は100万組に1組のカップルだそうです。善玉コレステロールは努力しても100を超えることはないので、善玉コレステロールが100以上なのは体質によるものだと岡部先生は説明をしていました。

以前は、善玉コレステロールが100を超えると長生きすると言われていました。けれども、最近の研究で、善玉コレステロールが100を超える人の3分の2の人の善玉コレステロールには、偽善者が混ざっていることがわかったそうです。偽善者は善玉コレステロールのようにコレステロールを回収はするけれども、肝臓に戻ることなく血管のなかを漂っているだけなので何の役にも立たないと岡部先生から説明がありました。

善玉コレステロールが100を超えていても、偽善者が混ざっていて動脈硬化が進んだという例があるので、善玉コレステロールが高いからと安心をせずに健康的な生活を送るのが大切だそうです。

ニッチェ:江上敬子(31歳)、近藤くみこ(33歳)

ニッチェの2人は2年前に同番組に出演した際に、かなりの暴飲暴食をしていることが明らかになりました。その後、江上さんは食生活を改善し定期的に運動をするようにし、近藤さんは休肝日を作るようにしたそうです。
けれども、二人とも外出先で食べたり、飲んだりし始めると止めることができず、暴飲暴食をしてしまっていました。

今回の血液検査では、江上さんの悪玉コレステロールが107mg/dL、善玉コレステロールが42mg/dL、LH比が3.4でLH比が基準値を大きく超えていました。この数値が続くようであれば治療が必要だと診断されました。

また、近藤さんの悪玉コレステロールは、107mg/dL、善玉コレステロールは46mg/dL、LH比は2.3でした。近藤さんは、体重が増えたため善玉コレステロールが減ってしまったそうです。悪玉も善玉の基準値だからといって油断していると、将来病気になる可能性があるとの診断でした。

南先生によると、肥満とコレルテロールが高い状態が重なると死亡率がそうでない人よりも高くなるそうで、これらに糖尿病や高血圧が加わると5年後や10年後に死亡するということも考えられるとのことです。

また、上山先生は休肝日を作っただけでは健康にはならないと説明していました。休肝日は現状を維持しているだけで、暴飲暴食をやめなければ事態は悪化していくそうです。

TKO:木下隆行(44歳)

木下隆行さんが同番組で半年前に受けた検査では、悪玉コレステロールは110mg/dL、善玉コレステロールは40mg/dL、LH比は2.8でした。
また、体重が112.4kgと生涯で1番重いという結果でした。

岡部先生からは、食べ過ぎて太ると善玉コレステロールが減るので痩せることを勧められていました。その後、大好きなカレーと唐揚げを控えて、番組で紹介されていた動脈硬化の予防に効果的な鮭を食べるようにしていましたが、鮭と一緒にご飯も多く食べていたので今回の測定では体重が114.6kgに増えていました。
数値の方も、悪玉コレステロールは132mg/dL、善玉コレステロールは41mg/dL、LH比は3.2と前回の検診よりも悪化していました。

南先生からは、ご飯の食べ過ぎで中性脂肪が増えて、善玉コレステロールが減っているという指摘がありました。木下さんは、善玉コレステロールが少なすぎるので、ご飯を食べ過ぎないようにして体重を減らして善玉コレステロール値を上げるのが大切だということです。

 

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まとめ

悪玉という名前から、LDL悪玉コレステロールの数値を下げることにばかりに気を取られて、HDL善玉コレステロール値は気にしていなかったという人は多いと思います。次の血液検査では、LH比と善玉コレステロール値にも目を向けて、健康管理に役立てていきたいですね。

 


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