腰痛が症状の危険な病気~きょうの健康より

多くの人が悩まされている腰痛。
福島県立医科大学教授で整形外科医の紺野愼一氏によると、腰痛患者は全国に3000万人もいるそうです。
福島県立医科大学整形外科
そんな腰痛の種類や対処法について『きょうの健康』にて詳しく解説されていたので、まとめておきたいと思います。

 

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様々なタイプの腰痛

背骨に原因があるパターン

最近腰痛に悩まされるようになったAさん(50歳男性)。
働きすぎが原因と考えたAさんはしばらく様子を見ることにしましたが治まらず、それどころか痛みが増していき、眠ることもできなくなってしまったそうです。
そこで病院へ行って診てもらうと、背骨が溶け始めていることが発覚。「化膿性脊椎炎」と診断されました。皮膚の化膿や虫歯を放置したために菌が血液を通して骨にまで達し、痛みが生じる病気です。
下図は、正常な人と化膿性脊椎炎の人の背骨を並べたものです。

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きょうの健康より

棒で指し示している辺り(椎間板)に細菌がいて、痛みを出しているそうです。
化膿性脊椎炎やがんの転移、圧迫骨折など重い病気や怪我が腰痛の原因となっているパターンは、腰痛患者全体の1%ほどだそうです。

内蔵の病気が原因のパターン

お酒を飲むのが好きなBさん(40歳女性)は以前から腰痛を感じていたそうですが、最近になって食後に強い腰痛を感じるようになったといいます。
そこで病院を受診してみると、「慢性膵炎」と診断されました。
腰痛なのになぜ膵炎?という気もしますが、膵臓など内蔵から腰に向かってたくさんの神経がつながっているため、内蔵に慢性的な炎症が生じるとお腹の痛みや腰痛が起きるそうです。
慢性膵炎はアルコールを継続的に飲む人に多いそうです。膵臓には血液の糖を制御する働きがあるので、この病気になってしまうと糖尿病を合併しやすくなってしまうそうです。
慢性膵炎や腎盂腎炎、慢性の十二指腸潰瘍などの内臓の病気による腰痛は腰痛全体の2%ほどだそうです。

 

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腰に原因がある腰痛

もちろん、「腰に原因がある腰痛」もあります。
腰には、姿勢や動作を支えている「腰椎」があります。腰椎は5つの椎骨から成り立っています。

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きょうの健康より

椎骨を上から見ると、後ろ側に穴があいています。

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きょうの健康より

この穴を「脊柱管」といいます。ここを、脳から下半身に繋がる神経の束が通っています。

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きょうの健康より

椎骨が加齢とともに変形して脊柱管が狭くなり神経を圧迫してしまうと、腰痛や下半身にしびれが起こる「腰部脊柱管狭窄」になります。

また、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割をする椎間板があるのですが、椎間板にヒビが入って中身が飛び出し、神経に影響をおよぼすと「椎間板ヘルニア」になってしまいます。

他にも腰椎の椎間関節や、腰回りの筋肉が固くなって部分的に切れることなども腰痛の原因になるといいます。
これら腰部に原因のある腰痛は、腰痛全体の約10%になるそうです。

ここまでで紹介した腰痛以外の約85%は「非特異的腰痛」と呼ばれる、原因を特定しにくい腰痛です。診断時には「腰痛症」「坐骨神経痛」などという病名で診断されることが多いそうです。

本来は椎間関節由来だったり筋肉の痛みだったりするのですが、それを証明するのは簡単ではありません。たとえば、「ブロック注射」を椎間関節に打って神経を麻痺させ、痛みが取れるかどうかを確認するなどの方法をとらないと、痛みの出どころがわかりません。それをやっていると原因の特定に時間がかかってしまうため、症状を取る治療の方が優先されるそうです。

以上のように様々なタイプの腰痛がありますが、基本的に腰痛は急いで受診する必要はありません。
ただし、危険な腰痛である場合もあるので、そのチェック法を知っておきましょう。

腰痛の危険度チェック

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きょうの健康より

1に該当する場合は、内臓の病気や重い脊椎の病気である可能性があります。ガンの転移や神経の腫瘍である可能性もあります。
2に該当する場合は、骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折の可能性があります。女性だと50歳から急増するそうです。
3、4に該当する場合は、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアの可能性があります。症状が進行する可能性のある腰痛です。
5の場合は、危険な腰痛である可能性は低いそうです。
以上を踏まえて、危険度を表すと…

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きょうの健康より

このようになります。
通常、腰痛は3ヶ月ほどで治まりますが、それ以上痛みが続くようであれば慢性腰痛の可能性があるため、整形外科を受診するといいそうです。

自分でできる対処法としては、以下のものがあります。

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きょうの健康より

脳の血流が増えると、痛みを抑制する脳内物質が増えるそうです。
以前は「腰痛になったら安静に」というのが常識でしたが、それは間違いです。ぎっくり腰の場合でも動ける範囲で動いたほうがいいと科学的に証明されているそうです。

 

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まとめ

一口に腰痛と言っても、様々な種類があることがわかりました。
まずは自分がどれに当てはまるかを把握して、正しい対処をとるようにしましょう。


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