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「肌フローラ」という言葉を聞いたことがありますか?
大腸内の善玉菌と悪玉菌が分布している様子を表現した言葉である「腸内フローラ」から来た言葉で、私たちの肌の表面にいる菌の分布を表現した言葉です。
最近の研究によれば、肌フローラのバランスを整えることで、美肌になったり体臭を抑えられたりなどのメリットがあると明らかになってきたそうです。
そこで今回は、肌フローラの整え方などを紹介していたテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の特集をまとめておきたいと思います。
肌フローラの基礎知識
番組には、“美肌菌”をつかった肌ケアの研究をしている長崎国際大学薬学部准教授の野嶽勇一氏が登場し、解説していました。
私たちの肌には、全身で1兆個、顔だけでも200億個もの細菌が存在しています。
それらは、表皮ブドウ球菌などの「善玉菌」と黄色ブドウ球菌などの「悪玉菌」、そしてアクネ菌などの「日和見菌」の3種類に分類されます。
「善玉菌」
通称“美肌菌”。肌にいい働きをする。
「悪玉菌」
かゆみやイヤな臭いの原因になる。
「日和見菌」
状況によって善玉にも悪玉にもなる。
これらの分布を意味する「肌フローラ」の、理想の割合は「善玉&日和見10:悪玉0」で、悪玉菌は存在しないに越したことはないそうです。
たとえば、悪玉菌である黄色ブドウ球菌は約3割の人の肌から検出されるのですが、それ以外の人には存在していません。すべての人の肌に、悪玉菌も必ずいなければならないというわけではないのです。
肌フローラの適切な状態を保てていれば、肌に“バリア”を張ることができます。
バリアとは「機能性皮脂膜」というもので、善玉菌が悪玉菌を殺すと生まれるのですが、なんと紫外線を約90%もカットしてくれるというのです。
紫外線の残り10%は歯や骨の形成に不可欠なビタミンDの合成に使われるといいますから、実にうまくできた天然のバリアです。
逆に、肌フローラのバランスが乱れると、体臭を引き起こすこともあります。
最近の研究によって、皮膚常在菌のバランスの崩れが体臭につながることが明らかになり、また、加齢臭の一因にもなることがわかってきたのだそうです。
このように、様々な影響をおよぼす肌フローラのバランス。
野嶽氏によれば、1年のなかで4月頃がもっともバランスの乱れやすい時期なのだそうです。
というのも、汗には悪玉菌のエサがたくさん含まれているのですが、汗をあまりかかない冬を過ぎて汗をかき始める4月頃は、悪玉菌のエサが豊富に含まれる質の悪い汗が出やすいのだそうです。そのため悪玉菌が増殖しやすく、肌フローラの理想の割合である「善玉&日和見10:悪玉0」が崩れやすいのです。
肌フローラチェック
肌フローラのバランスはとても繊細で、そのバランスが崩れたときの影響はとても大きいことがわかりました。
それでは、あなたの肌フローラのバランスが正常かどうかをチェックしてみましょう。
放送では、肌フローラのチェック項目として以下の5つが挙げられていました。
2つ以上当てはまると、あなたの顔の肌フローラが乱れている可能性があります。
1, 肌が乾燥している
2, 吹き出物が出る
3, 赤みやかゆみが出る
4, あぶらとり紙を日常的に使う
5, 朝・夜ともに洗顔料で顔を洗っている
いくつ当てはまったでしょうか?
肌フローラが乱れる最大の原因は「洗いすぎ」だそうです。過度な洗顔で、善玉菌がおよそ8割も流れていってしまうのです。
寝ている間に分泌された古い皮脂を取り除くことは大切ですが、洗いすぎは好ましくありませんし、タオルは柔らかいものを使うなどの配慮も必要です。
野嶽氏は、
「脇の下など臭いが発生しやすいところは毎日きれいに洗うべきだが、それ以外の場所は、微生物という観点で見るとそんなに洗わなくても良い」
と説明していました。
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肌フローラを乱さない洗顔方法
それでは、具体的に私たちはどのように洗顔すればよいのでしょうか?
その疑問に答えて、野嶽氏が適切な洗顔法を紹介していました。
といっても、乾燥肌の人と皮脂の分泌が多い人とでは、ベストな洗顔法も異なります。
今回ご紹介する方法は、あくまで肌が乾燥しがちな人向けの方法だそうですから、それを念頭において読み進めてください。
洗顔の際、石けんや洗顔料を用いると、皮脂や垢までしっかりと落とすことができる反面、善玉菌まで洗い流すことになってしまいます。すると、肌フローラが元の状態に戻るまでに、8時間もかかってしまうのだそうです。
肌フローラが適切な状態であれば紫外線の約9割をカットしてくれることは既に述べました。つまり、朝起床後に洗顔料で顔を洗い、善玉菌を洗い流してから外出するということは、バリアなしの無防備な肌で紫外線を浴びるということになってしまうのです。
このようなわけで、朝は水(またはぬるま湯)だけで洗顔して、夜に洗顔料を用いることが勧められていました。
水洗いなら、善玉菌と善玉菌のエサになる皮脂を必要以上に洗い流す心配がありません。野嶽氏は「化粧を落とす必要のない男性ならば、夜も水洗いで大丈夫かもしれない」とも指摘していました。
どちらにせよ、朝の洗顔を水洗いで済ませることができるということは、時間がない朝の時間短縮になるという意味でも都合の良いことですから、ぜひ試してみてください。
・身体の洗い方
下図で泡の付いている部分は汚れがちな場所なので、毎日しっかりと洗うべきだそうです。
羽鳥慎一モーニングショーより
一方、泡のついていない部分は、2日に1度洗う程度で十分なのだそうです。
毎日洗うにしても、ブラシなどでゴシゴシこするような洗い方は絶対にいけません。
本人は汚れを落としているつもりでも、体表面の善玉菌をこすり落とすことにつながります。
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これは肌フローラにいい?
肌に良かれと思ってやっている工夫は様々ありますよね。
それが肌フローラにとっては良いことなのか否か、野嶽氏が答えていました。
・きゅうりパック⇒△
夜、輪切りにしたきゅうりをパック代わりにはっている方もいるでしょう。
きゅうりに含まれる豊富な水分やビタミンCなどが肌にいいから、ということなのですが、野嶽氏によれば「貼るよりは食べたほうがいい」そうです。
・温泉に行く⇒☓(アルカリ性の場合)
アルカリ性の温泉だと菌が死滅してしまうので、肌フローラに注目するとあまりよくないのだそうです。
ただし、泉質によっては肌の保湿効果を高めたり弾力性を高めたりする温泉もありますし、リラックス効果もあります。その結果として肌がよくなることも期待されますので、あくまで肌フローラに注目すれば、ということだと野嶽氏は強調していました。
・蒸しタオル⇒◯
温度・湿度ともに菌が育ちやすいので、いいそうです。
ただし、熱すぎはよくない、とのことでした。
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肌フローラのバランスを整える食べ物
・豆乳
豆乳に含まれるイソフラボン、ビタミンB群、ビタミンEが、善玉菌のエサである皮脂分泌を適度に促したり、コラーゲンの生成を促したりしてくれます。
肌の“シンデレラ・タイム”である午後10時〜午前2時、つまり寝る前に飲むのがいいそうです。就寝後3時間以降に肌を高める動きが活発化するので、それに備えて飲むのが効率的なのです。
・冷や飯
腸内フローラにも口内フローラにもいいのが冷えたご飯です。コンビニのおにぎりなどですね。
温かいもののほうが美味しいと感じますが、食物繊維に注目すると冷えているほうがいいのだそうです。
さらに「亜鉛」が悪玉菌を抑えて、腸内フローラを活性化します。腸内フローラのバランスがいいと肌の調子もよくなるので、冷や飯がオススメなのだそうです。
肌フローラを整える最終手段
野嶽氏は肌フローラを整える最終手段として、「肌断食」を提唱していました。
ルール2「朝・夜ともに水洗顔」
ルール3「軽い運動をする」
以上の3つを、週末などを利用して3日間続けます。人間が持つ本来の能力を引き出すことが目的です。
「軽い運動」がいいのは、適度な汗には善玉菌のエサになるものが含まれているからだそうですが、強すぎる運動は逆効果ということなので注意が必要です。
個々人の肌の状態に応じて、化粧水や乳液の必要がある場合もあるので、「肌断食」中はご自分の肌の状態をつねに観察するようにしてください。
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まとめ
一人ひとりの肌質や体質によっても変わるようですが、身体にとって自然なことがやはり一番身体にいい、ということを再確認させられる特集でした。
あなたも、自分は1日2回洗顔料で洗うべきなのか1回でいいのか、はたまた毎回水洗いだけで大丈夫なのか、を試しながら探っていってみてください。