統合失調症の初期症状と対策~きょうの健康より

先日のきょうの健康は統合失調症という精神疾患についてでした。統合失調症とはかつては精神分裂病と呼ばれていた病気です。分裂病などと聞くと日常生活はおくれない重い病と思いがちですが、実際には日常生活を普通に送れている人は多く、夏目漱石やムンク、ゴッホなども統合失調症を患っていたという説もあります。精神分裂病という病名は多くの誤解を生むので、2002年から現在の病名になりました。

この統合失調症は番組では約120人に1人が発症すると紹介されていました。厚労省のホームページを見ても100人に1人の割合でかかる病気とありますから、比較的頻度の高い病気です。
しかし、さほど珍しい病気ではないにもかかわらず、病気に対しての理解は進んでいないのだそうです。
先日の『きょうの健康』では、統合失調症の特集をしていました。予防精神医学が専門の水野雅文先生(東邦大学教授)が統合失調症の症状や早期発見のポイントを解説していました。

 

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統合失調症とは?

統合失調症は、10代後半から30代の若い人が発症しやすい精神疾患の1つです。脳の神経伝達物質ドパミンの伝達が過剰になったり、不足したりなど、脳の機能バランスが崩れることで発症するそうです。
部分的なドパミンの過剰伝達で起こるのが、幻覚や妄想などの陽性症状。反対に、部分的なドパミンの不足で起こるのが、心の動きや感情表現が乏しくなる陰性症状とのことです。

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きょうの健康『知っていますか?統合失調症』より

陽性症状や陰性症状は、統合失調症の代表的な症状です。けれども、統合失調症はさまざまな精神疾患が集まって起こる症候群なので、症状や経過を一概に説明することはできないと水野先生は話していました。
そのため番組では、陽性症状、陰性症状に加えて、認知機能の軽度の障害を統合失調症の代表的な症状として解説していました。

mametisikiドパミンとセロトニン、ノルアドレナリンの3つは私達人間が日常生活をおくる上で重要な感情・精神・記憶・運動・睡眠といった機能に深く関わっているとされており、三大神経伝達物質とよばれています。

 

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統合失調症の陽性症状

陽性症状は、幻覚や妄想など、本当はないものがあるように見えるようになる症状だそうです。
幻覚には、聞こえないはずの声が聞こえる「幻聴」、見えないはずのものが見える「幻視」、におわないはずのものがにおう「幻嗅」があります。統合失調症の幻聴は、人の声が多いので現実か幻聴かの区別がつきにくく、病気だと気がつかないことが多いと水野先生は説明していました。
妄想は、事実ではないことを信じこむことだそうです。妄想下では、「神様から命令されている」、「誰かにつけられている」など、患者は、実際には起こっていないことを、起こっていると確信しています。周囲が否定してもなかなか聞き入れてはくれません。

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きょうの健康『知っていますか?統合失調症』より

統合失調症の陰性症状

陰性症状は、陽性症状とは反対に、感情の平板化や意欲の低下など、これまであったものがなくなる症状だそうです。
感情の平板化は”鈍麻”という言葉が使われたりもしますが、喜怒哀楽がなくなり、表情の変化が乏しくなることをいいます。覇気が感じられない状態です。人間は気分が落ち込んだ時にも同様の症状が見られますが、もっと根本的に外界への関心を失っているように見えます。また、意欲の低下によって、身だしなみを気にしなくなったり、仕事や勉強へのやる気が失われたりするそうです。

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きょうの健康『知っていますか?統合失調症』より

 

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認知機能の軽度の障害

認知機能には、遂行機能、記憶機能、言語機能などがあります。統合失調症の認知機能の軽度の障害では、以下のような症状がみられるそうです。

・大勢で話をすると、話についていけなくなる。
・大切なことを聞いても覚えていられない。
・集中力が落ちた。
・大事なことだとわかると緊張してしまう。

統合失調症を発症する原因

統合失調症を発症する原因については、さまざまな研究が行われています。けれども、まだはっきりしたことはわかっていないそうです。今の段階では、環境、体質、過剰なストレスなどが引き金になると考えられているとのことです。

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きょうの健康『知っていますか?統合失調症』より

統合失調症になりやすい環境とは、出生時のトラブル、母体にインフルエンザなどの感染症があった場合をいいます。体質は、精神疾患にかかりやすい体質のことです。そして、過剰なストレスには、結婚、進級、進学などのライフイベントなどから受けるストレスが含まれるそうです。
統合失調症は、適切な治療をタイミング良く受けることが大切だそうです。薬の開始が遅れると回復しにくくなるそうです。

統合失調症の前兆:リスク期

統合失調症には、その前兆であるリスク期があります。リスク期には、「誰かに見られているような気がする」など、軽度の幻覚や思い込みのような症状が現れます。

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きょうの健康『知っていますか?統合失調症』より

また、不眠、不安、抑うつなどの状態になることもあります。それらの症状が長期化すると、統合失調症などの精神疾患を発病してしまうことが多いそうです。
小さな症状でも、気がついたときに、適切な医療機関を受診することが重要。発症を完全に防ぐことはできなくても、遅らせたり、発症したときの心構えを学んだりすることはできると水野先生は説明していました。

統合失調症のリスク期の治療

統合失調症のリスク期の治療では、薬は使わずに、生活の注意点や病気についての知識を身につけるそうです。どのような病気なのかを本人や家族が理解することで、実際に発症したときに早めに受診することができます。また、この時期には過剰なストレスを感じるので、専門家からその対処法を学ぶことも大切とのことです。
脳機能、神経機能のダメージは、時間が過ぎると回復するのが難しくなるので、とにかく早めに受診するのが大切だと水野先生は話していました。

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水野先生は、精神疾患の早期発見や早期治療のポイントを解説した本を執筆しています。

心の病、初めが肝心 早期発見、早期治療の最新ガイド (朝日新書)
水野雅文

まとめ

統合失調症などの精神疾患は、誰にでもおこりうる病気ですが、本人が自覚するのは難しいです。ですから、知識をしっかりつけて、もし周りの人が発症したときには、すぐに対処できるようにしておきたいですね。


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