肩がだるかったり、重く感じたりする肩こり。日本人の3人に2人が、肩こりに悩んでいるそうです。
先日の『その原因、Xにあり!』では、浮き指と肩こりの関係について特集していました。浮き指を治すことで肩こりを改善させる方法などを、足の健康科学が専門の阿久根英昭先生(桜美林大学 健康科学特任教授)が説明していました。
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肩こりを放っておいてはいけない
肩こりに悩む日本人は約7割。特に30代から50代の女性は多く、その約8割が肩こりを感じているそうです。
肩こりは、悪化すると吐き気、めまい、手のしびれなどの症状がでることがあるそうです。そして、肩こりがさらに悪化すると、我慢ができないほどの頭痛が起こり、救急車で緊急搬送されることもあると阿久根先生は説明していました。
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一般的に知られる肩こりの理由と原因
パソコン、スマホ、家事などをしているときなど、長時間同じ姿勢でいると、その姿勢を保つために肩の筋肉が疲れてしまうそうです。その結果、肩の筋肉に疲労分子の乳酸が溜まって、筋肉が硬くなってしまうとのことです。肩こりの改善のために、マッサージやストレッチで肩の筋肉をほぐしている人は多いと思います。
けれども、これらの肩こりの原因に加えて、足の「浮き指」も肩こりの大きな原因だと阿久根先生は説明していました。足に原因があるということは、マッサージなどで一時的に肩の筋肉を柔らかくしても根本的な改善にならないわけですね。
浮き指の仕組みとチェック方法
人間が立っているとき、足の10本の指が地面についているのが正常な状態です。けれども、浮き指の場合、足の指が地面につきません。
番組が、肩こりを感じている50人の立ったときの足裏の圧力を測定したところ、38人が浮き指だということが明らかになりました。また、阿久津先生が行った調査では、女性約8割、男性約6割、小学生7割弱が浮き指だったそうです。
自分で浮き指をチェックする場合は、手で足の親指を持って足の甲のほうへ曲げてみます。
その原因、Xにあり!
より
指が曲がった角度が60度以下の場合は、浮き指の心配はないそうです。
足の指が90度以上曲がった場合は、浮き指の可能性があるとのことです。
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母指内転筋と浮き指の関係
阿久根先生によると、浮き指の原因は足の筋肉の衰えだそうです。特に、母指内転筋(足裏にある指の付け根付近の筋肉)の衰えが浮き指に関係しているとのことです。
母指内転筋の役割は足にアーチ構造を作ることです。
それで、この筋肉が弱くなるとアーチがつぶれてしまい、浮き指になってしまうのです。
母指内転筋の衰えの原因は、現代人は裸足になることが少ないこと、クッション性の高い靴や指が固定された先の細い靴を履くことだと考えられます。
ハイヒールを履く機会が多い人は、ヒールが5cm以下の靴を週1回履くようにし、足に休息日を作ることが健康的な足づくりにつながると阿久根先生は説明していました。
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なぜ浮き指が肩こりを引き起こすのか?
人間は姿勢正しく立っている場合、どこにも余計な負荷はかかりません。けれども、浮き指の状態だと重心が後ろにずれてしまいます。そのような状態になると、バランスを取るために前のめりの姿勢になってしまうそうです。前のめりになると重い頭を支えるために、肩の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりになってしまうとのことです。重度の肩こりに悩む69歳男性の場合は、本人は直立しているつもりでも、頭が12度前に傾いていました。12度前に傾いているというのはかなりひどい状態で、12kgの重さが肩にかかっているということだそうです。
阿久根先生によると理想は0度ですが、正常な人でも5度ぐらいは前に傾いているとのことです。
浮き指を治すと肩こりが改善する!?
浮き指が肩こりの原因の場合、浮き指を治せば肩こりが改善するそうです。浮き指の原因は、母指内転筋の衰えなので、浮き指を治すためには母指内転筋を鍛える必要があります。
番組で、母指内転筋を鍛える「足指引き寄せエクササイズ」を紹介していたので、そのやり方をまとめておきます。
【用意するもの】
タオル1枚
【やり方】
1. タオルを足の下に縦に伸ばして敷きます。
2. 椅子に浅めに腰をかけて、上半身はリラックスします(両足が地面につく体勢なら、床に座って行っても良い)。
3. 足の指でパーとグーを交互に繰り返しながら、指でタオルを引き寄せます。
浮き指を治す「足指引き寄せエクササイズ」の効果
番組の足指引き寄せエクササイズの効果を検証する実験に、肩こりに悩む4人(69歳男性、48歳女性、42歳女性、41歳女性)が参加しました。実験前に足の裏の圧力を測定したところ4人とも浮き指だということが判明しました。
4人は足指引き寄せアクササイズを1回2分間、朝晩の計4分間を3週間行いました。このエクササイズをする以外は普段通りに過ごすというルールでした。
足指引き寄せエクササイズを始めてから少しずつ変化が表れて、参加者たちは7日目から12日目ごろまでに肩こりが軽くなっていることを感じていました。そして、3週間後に足の裏の圧力を測定したところ、4人とも足の指が地面につくようになっていました。また筋硬度計で肩の筋肉の肩さを測定した結果、4人とも実験の前よりも肩の筋肉が柔らかくなり肩こりが改善していることがわかりました。
また、浮き指が改善したことで、姿勢も良くなったことがわかりました。足指引き寄せエクササイズをする前は、立ったときに頭が12度前に傾いていた69歳男性は、3週間のエクササイズ後は傾きが4度にまで改善していました。
足力(あしりょく)
阿久根 英昭
まとめ
多くの人の肩こりの原因が、足の指にあったことに驚きました。肩こりに悩んでいる人は、まず自分が浮き指かどうかを調べてみてくださいね。そして、浮き指の可能性がある人は、ぜひ「足指引き寄せエクササイズ」を朝晩の習慣にしましょう。