中性脂肪やコレステロールを下げるには?~健康カプセルゲンキの時間より

中性脂肪やコレステロール値が気になっている人は多いと思います。けれども、しっかりと対策している人は少ないようです。

先日の『健康カプセル!ゲンキの時間』では、脂質異常症の特集をしていました。動脈硬化専門医の吉田博先生(東京慈恵会医科大学附属柏病院副院長)が、脂質異常症の原因である中性脂肪や悪玉コレステロールが高くなる原因と、その改善方法を解説していました。

 

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脂質異常症の診断基準

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪のバランスが崩れた状態のことです。
脂質異常症の診断基準は、

中性脂肪150mg/dL 以上
悪玉(LDL)コレステロール140mg/dL以上
善玉(HDL)コレステロール40mg/dL未満

だそうです。これら3項目のうち、1つでも当てはまると脂質異常症と診断されます。

健康カプセルゲンキの時間より

健康な人の血液を遠心分離させると、血漿(けっしょう)は黄色がかった透明の色をしています。

健康カプセルゲンキの時間より

けれども、脂質異常症の人の血漿は、白く濁っています。この濁りは脂肪の色なのです。

健康カプセルゲンキの時間より

高血圧と同じように、脂質異常症はとくに自覚症状はありません。けれども、脂質異常症を放っておくと、脳卒中、心筋梗塞、狭心症などの原因になると吉田先生が説明をしていました。

 

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中性脂肪が高くなる原因

中性脂肪は、体内の細胞が正常に働くためのエネルギーとなります。ただ、血液中の中性脂肪が増えすぎると血管を傷つけたり、内臓の周りについてメタボの原因となったりします。中性脂肪が増えるのは、炭水化物と果糖の過剰摂取が原因だと吉田先生が説明をしていました。

炭水化物が中性脂肪を高くする

食べ物から摂取した炭水化物は、ブドウ糖となり筋肉や細胞のエネルギー源となります。けれども、炭水化物を多く摂りすぎると、代謝が追い付かなくなり中性脂肪になってしまうそうです。1日の摂取カロリーのうち、炭水化物は60%ほどに抑えるのがいいとのこと。
中性脂肪が715mg/dLと基準値の5倍近くあったkさん(54歳、男性)の場合は、食事の約73%が炭水化物でした。

健康カプセルゲンキの時間より

くだものが中性脂肪を高くする

健康のためにくだものを食べている人は多いかもしれません。けれども、くだものに含まれている糖分、果糖が中性脂肪を増やす原因になるそうです。果糖はブドウ糖よりも代謝されにくいため、中性脂肪になりやすいとのことです。中性脂肪の高い人は、1日にみかん1個、りんご半分というような制限を設けた方が良いと吉田先生が説明をしていました。
中性脂肪が335mg/dLだったoさん(66歳、男性)の食生活は、野菜を適度に摂取し、炭水化物を少なめにしているので問題がないように見えます。けれども、果物の量が多いことが、中性脂肪が基準値を超えた原因だと考えられるそうです。

くだものだけではなくスポーツドリンクにも、果糖が多く含まれているので注意が必要とのことです。

悪玉コレステロールが増える原因

コレステロールは、細胞膜、ホルモン、胆汁酸を作る材料となるので、人間の体にはとても大切。健康のためには、コレステロールを全身に運ぶ悪玉コレステロールと、余分なコレステロールを回収する善玉コレステロールのバランスが重要なのです。悪玉が増え過ぎ、善玉が少なくなりすぎると、回収されなかったコレステロールで血管壁にプラークというコブができてしまうそうです。

健康カプセルゲンキの時間より

このこコブが動脈硬化で、放っておくと脳梗塞や心筋梗塞の原因になるそうです。

健康カプセルゲンキの時間より

女性ホルモンには、悪玉コレステロールが増えるのを抑える働きがあります。それで、男性の方が、悪玉コレステロール値が高くなりがちです。けれども、閉経して女性ホルモンが少なくなると、女性も悪玉コレステロールが増えやすくなるので注意が必要だと吉田先生は説明していました。

 

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コレステロールを吸収しやすい人、吸収しにくい人

卵はコレステロールが多いから、1日1個しか食べてはいけないと思っている人は多いかもしれません。けれども、実は、食べ物からの吸収されるコレステロールの量には、個人差があるそうです。
ある実験で参加者に卵3個分のコレステロール(750mg)を2週間摂取してもらったところ、参加者の65%はコレステロール値に変化がなく、35%の人の悪玉コレステロール値が10%以上増えたとのことです。
悪玉コレステロール値が高い人、つまりコレステロールが体に吸収されやすい人は、コレステロールの摂取量に気をつけなくてはいけなくてはいけません。卵、魚卵、レバー、しらすなどは、高コレステロール食材です。とくに卵のコレステロール値は高く、全卵100gあたり420mg、卵黄100gあたり1400mgのコレステロールが含まれています。

健康カプセルゲンキの時間より

酸化コレステロールに注意!

夕食の揚げ物が残ってしまったら、翌日にレンジで温めて食べてしまいませんか?
油で揚げた料理を温め直すと、油が性質を変えて「酸化コレステロール」になるので注意が必要だそうです。酸化コレステロールは、悪玉コレステロールを増やしたり、動脈硬化を進行させたりするとのこと。
揚げ物を作るときは、少ない油で揚げ焼きをし、揚げ油は少ない回数で捨てることで、酸化コレステロールの摂取を避けるようにと吉田先生がアドバイスをしていました。

チョコレートと悪玉コレステロールの関係

チョコレートに含まれるポリフェノールには動脈硬化を予防する効果があります。けれども、悪玉コレステロールの高い人は、チョコレートの食べ過ぎにも注意が必要なのです。なぜならば、チョコレートに含まれるココアバター(油脂)に、常温では溶けない飽和脂肪酸が含まれているからです。
悪玉コレステロール値が高い人は、肉を控えるように医師から指導されることがあります。チョコレートに含まれる飽和脂肪酸も肉の油と同じで摂りすぎると、悪玉コレステロールが増えてしまうのです。

中性脂肪を下げる食事法

吉田先生によると、水溶性食物繊維には中性脂肪やコレステロールの排出を助ける働きがあるそうです。水溶性食物繊維は、野菜、海藻、豆類に多く含まれています。

健康カプセルゲンキの時間より

中性脂肪を下げるのに、とくにオススメなのがこんにゃく。こんにゃくには水溶性食物繊維だけではなく、グルコマンナンという水溶性食物繊維と同じ働きをする成分も含まれているのです。また、こんにゃくは体内で水分を吸収して膨らむので、満腹感を得やすいのもオススメのポイント。
さらに、中性脂肪を下げる働きのあるDHA・EPAを豊富に含む青魚も積極的に摂取するといいとのことです。

mametisikiDHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸」、EPAの正式名称は「エイコサペンタエン酸」。
青魚が苦手な人は、サプリで摂取することも可能です。

大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーフィッシュオイル(EPA/DHA) 90粒 [機能性表示食品] NATUREMADE(ネイチャーメイド)

中性脂肪を下げる「チョビッと有酸素運動」

適度な運動も中性脂肪値の改善に役立ちます。番組では、吉田先生が中性脂肪を下げるための「チョビッと有酸素運動」を紹介していました。

<やり方>
1.背もたれにこぶし1個分のスペースを作り、姿勢よく座ります。このように椅子に座るだけでも、日常では使われていない筋肉が働いているそうです。

2.1の状態で片足を上げて、10秒間保ちます。

3.左右3セットを1日3回することで、代謝が良くなるとのこと。足を上げるときにしっかり息を吸って、息を吐きながら足を下すのがポイントです。

 

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悪玉コレステロールを下げる食事法

吉田先生がオススメする悪玉コレステロールを下げる食材は、玉ねぎと大豆類。玉ねぎに含まれる「ケレスチン」と大豆類に含まれる「大豆たんぱく質」には、コレステロールの吸収を穏やかにする効果があるそうです。ケレスチンは熱に強く水に溶けやすい性質なので、玉ねぎをスープに入れて摂取するのがオススメ。
また、ブロッコリーやキャベツに含まれるアミノ酸にも、コレステロールの排出を助ける効果があるとのこと。このアミノ酸も熱に強いので、加熱処理をして摂取しても問題がないと番組で説明をしていました。
酸化コレステロールの働きを抑えるには、抗酸化作用のある色の濃い野菜(人参、トマト、パプリカなど)を摂取するといいそうです。

健康カプセルゲンキの時間より

mametisiki中性脂肪やコレステロールを下げるレシピを自分で考えるのは大変ですよね。3週間分のレシピが掲載されたレシピ本がオススメです。

コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい献立3週間
植木 もも子

まとめ

脂質異常症の5人の男女が1週間、番組で紹介していた食事法や運動を実践したところ、かなりの数値の改善がみられました。少し気をつけるだけでも、かなりの健康効果があることに驚きました。中性脂肪や悪玉コレステロールの数値が気になる人は、番組で紹介されていた食材を参考に食生活を改善してみましょう。


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