『卵は1日何個まで食べられるの?』って言う素朴な疑問について、『たかじんNOマネー BLACK』で議論されてました。
一般的には1日1個までという人が多いですが、中には2個までなら大丈夫とか、3個でも4個でも良いとか、いろんな説があるようです。
【解説する医師】
・医学博士・医療ジャーナリスト 森田豊医師
・近畿大学医学部講師 榎木英介医師
・産婦人科医 富阪美織医師
・産婦人科医 丸田佳奈医師
富阪医師の見解
1日2個まで
『卵は完全栄養食品で、ビタミン、鉄分、カルシウム、たんぱく質がバランスよく含まれている。一方、黄身の部分にはコレステロールが多く含まれているので心臓病のリスクが上がってしまう。特に糖尿病といった基礎疾患がある人は注意が必要。運動をしていて、体重維持ができている人はあまり気にする必要はない。』
『映画のロッキーで生卵を6個とか一気に飲むシーンがあるが、あれはよくない。似たようなことをするボディビルダーは突然死が多い。ボディビルダーはプロテインの摂りすぎと水分を絞って脱水になるのが原因と思われる。』
丸田医師の見解
1日何個というのはナンセンス
『卵だけに絞っても意味がない。厚労省が基準に出しているのは成分レベルの話なので、他の食品との兼ね合いで変わってくる。例えばお肉を食べたらそれに含まれているコレステロールも計算に入れて一日どれだけというのが定まってくる。』
『外食が多くて1日3個とかの場合は食べ過ぎの可能性があるが、ある程度は、肝臓でコレステロールの調整ができるようになっている。1日10個とかになると明らかに食べ過ぎ。』
森田医師の見解
制限はない
『1日10個は食べ過ぎという話だが、実は1日5個~10個を5日間食べ続けてもコレステロールは上がらなかったという報告もある。』
『そもそもの根拠は、1913年にロシアで草食動物のウサギに卵を食べさせたら身体を悪くしたという話。人に対しては有害という話はない。日本卵業協会というところは1日の制限はないとしている。』
榎木医師の見解
制限はない
『卵だけを考えてどうのこうの言うのはおかしな話でバランスを考えて食べましょうという話だと思う。』
ということです。森田医師が言っていたウサギの話は以下のような感じです。
そもそもタマゴがコレステロールの代表のようにいわれるようになったのは、約90年前。1913年、ロシアでの実験がきっかけでした。コレステロールが人体に与える影響を調べるために、栄養価の高いタマゴを、草食動物のウサギに食べさせて実験しました。その結果、動脈硬化のもとといわれる血中コレステロールが増加し、タマゴ=コレステロールの印象がうまれてしまったのです。これが、誤解の始まりです。
ウサギは草食動物なので、動物性の脂肪を含むタマゴを食べさせればコレステロールが増加するのは当たり前のこと。しかし,人間は雑食性なので、動物性の食品もたくさん食べますが、常にコレステロールが増えるわけではありません。そこで最近では、このロシアのコレステロールの実験は、科学者の間でも疑問視されています。
日本でも1981年に、人体とコレステロールに関する興味深い研究結果が発表になりました。健康な成人に、1日5~10個のタマゴを5日間連続して食べさせるという実験です。その結果、1日に10個ずつ食べた人でも血中コレステロールの値はほとんど変化しないことがわかりました。
また、最近の実験でも、普段の食事以外に、1日にタマゴを3個ずつ、しかも2週間食べつづけてもらった結果、コレステロール値を測ってみると、ほとんど変化はありませんでした。
こうしたいくつかの実験でも分かるように、タマゴや他の食品からコレステロールを多く摂っても、必ずしもコレステロールが増加するわけではないのです。
【日本卵業協会ホームページより】
確かに、卵をいくら食べたから健康に害があるというのはちょっと意味のない話かもしれません。やはり、栄養素ベースで考えてトータルで管理していく必要があるということではないでしょうか?