高血圧は、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」という別名を持っています。
自覚症状がないにも関わらず、放置しておくと命を脅かすような病気を引き起こすこともある、危険な状態なのです。
特に、早朝に血圧が急上昇する状態は大変危険だそうです。
今回は、そんな早朝の高血圧について解説していた『きょうの健康』をまとめておきたいと思います。
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朝に突然…
自治医科大学教授で循環器内科医の苅尾七臣氏は、「早朝高血圧」の危険性を指摘していました。
70歳のAさん(男性)は、50歳のときに高血圧と診断されて以来、薬を服用していました。月に1回は病院で血圧測定を行っており、「上130mmHg下80mmHg」という基準以下の結果が出ていたので安心していたそうです。
しかし、冷え込んだ11月の朝、新聞を取りに外へ出たときに、胸に強烈な痛みを感じたそうです。心筋梗塞でした。
Aさんの1日の血圧変動を見てみると…
朝方、起床とともに180近くまで急上昇しています。
每朝、薬を飲むことで血圧が下がっているので、病院で測る時間には正常値になっていただけだったのです。
血圧の基礎知識
血圧とは、血液が血管の壁を押す圧力のことです。
「高血圧」とされる基準は、家庭で測る場合と、多少緊張状態になる診察室で測る場合とでは異なるそうです。
高血圧が続くと全身の臓器などにダメージが生じ、以下のような病気を引き起こすことがあります。
特に危ないのは…
このようなタイプだそうです。
早朝の血圧が高い人は、そうでない人に比べて心筋梗塞や脳卒中のリスクが6倍にもなるという研究もあるそうです。
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早朝の高血圧の危険性
朝の血圧急上昇が心筋梗塞などの引き金になる理由について苅尾氏は「動脈硬化が進展して血管内にプラークができた場所で血圧が急上昇すると、血流の力でプラークが破れ、内容物が血液を固まらせて血栓となり、血流が途絶えることになる。それが脳で起きると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞となる」と解説していました。
冒頭のAさんも、早朝の血圧急上昇を把握できていれば心筋梗塞にならずに済んだかもしれないそうです。
Aさんが発症したのは冷え込んだ朝でした。
寒さは血管を収縮させて、血圧を急上昇させてしまいます。
心臓病や脳卒中の季節変動を見ると…
毎年冬場(11〜2月辺り)にピークを示しています。
気温によって血圧が代わりやすい人は「気温感受性高血圧」というそうです。
高血圧の人のうち20〜25%はこれに該当するそうで、夏と冬で血圧が変わるそうです。
寒さ対策には、以下のようなものがあります。
手足の先が寒いと感じると血圧は急上昇します。
暖かい場所から急に寒い場所に行くときも要注意だそうです。
血圧を上げる要因は他にもあります。
苅尾氏は「寒い朝一番の運動は特に注意」と指摘していました。運動をするなら昼過ぎの3〜5時がいちばん身体に優しいそうです。
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早朝の高血圧を治療する薬
普通は血圧が高い昼間の血圧を正常にするために朝1回飲むだけだそうですが、それだと早朝高血圧の人は朝の血圧急上昇を許すことになってしまうので、飲むタイミングを変えるそうです。
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まとめ
今回の特集で、急激な血圧の上昇が危険だということがわかりました。
血圧を測る際は時間を変えて測るようにして、ご自分の体の特徴を把握するようにすると良いでしょう。