先日の『世界一受けたい授業』の特集は、「秋に増える鼻づまりでわかる危険な病気」についてでした。
「鼻づまりが危険な病気につながる可能性がある」
というのが特集の趣旨でした。
秋になると、風邪でもないのに鼻がつまるという現象。その主な原因は花粉や「寒暖差アレルギー」だそうですが、鼻づまりが長引くようなら、危険な病気のサインかも知れないとのことです。
東京慈恵会医科大学の鴻(おおとり)信義先生は、鼻づまりであっても、長引くようであれば受診するようにとアドバイスされています。「たかが鼻づまり」と思っていると、大変なことになるようです。
また、どちらか片方の鼻ばかりがつまるときは、ガンの兆候かも知れないというのです!
鼻づまりの経験は誰にでもあるものだけに、気になります。
鼻がつまるメカニズム
どうして鼻がつまるのか?鴻先生の説明によると、鼻からのどに抜ける大きな空洞である「鼻腔」、そしてその周辺に「副鼻腔」があります。
世界一受けたい授業より
鼻腔の粘膜が細菌やウイルスに感染すると、炎症で腫れるため、鼻づまりになるのだそうです。
世界一受けたい授業より
これが長期化すると、副鼻腔にまで感染し、ひどくなると膿がたまることにも。
世界一受けたい授業より
この状態で医者にもかからずに放置すると、ますます細菌が増殖して慢性化し、ちくのう症になるのだとか。ちくのう症=蓄膿症、つまり膿が蓄積した症状、という意味だったのですね。
慢性化すると症状に慣れてしまい、ちくのう症にまで進行していても「ただの鼻づまり」だと思ってしまう人も多いのだそうです。しかし、正常な鼻の中には存在しない鼻茸(はなたけ)というできものが発生したり、目に近い副鼻腔の炎症によって顔が腫れたりすることにもつながるのです。
世界一受けたい授業より
さて、ゲストのヒャダインさんですが、鼻づまりがひどいため頻繁に耳鼻科で吸引してもらっているので大丈夫と言いますが、疲れたときには鼻がとても臭くなるといい、鴻先生にちくのう症の可能性を指摘されました。
先生によると、普通のアレルギーのときの鼻水は無色透明なので、鼻水が臭うときはちくのうを疑ったほうがよいとのこと。
「鼻がくさい、におう」「ドロっとした鼻水が出る(ネギっぱな)」など、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。副鼻腔炎、一昔前は「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれていた病気が疑われる症状です。
鼻づまりへの正しい対処法
鼻がつまったとき、多くの人がやりがちな、ティッシュを鼻につめるというやり方。
鼻水は、体内の悪いものを外に出す作用
なので、鼻にティッシュを詰めると中で細菌やウイルスが繁殖してしまって、よくないのだとか。外に出る代わりにのどから下に降りてしまい、気管支炎や肺炎になる恐ろしいリスクがあるというのです。
鼻水が出るときは、出すようにし、出て困るときは薬でとめるのがよいようです。
勢いよく鼻をかむのもNG
だとか。強くかむと鼻の奥に行ってしまい、耳管をとおって鼻水が耳に入ると中耳炎になってしまうのです。
先生が教えてくださる「正しい鼻のかみ方」とは、片側ずつかむこと。片側の鼻をしっかり押さえ、口を閉めてから反対側の鼻をゆっくりやさしくかむのがいいそうです。
鼻づまりのさらなるリスク、睡眠時無呼吸症候群
鼻づまりが続くというのは、常に「口呼吸」になっているということでもあります。鼻がつまっている人は、自覚がなくても無意識で口が開いているので、わかってしまうのだそうです。
また昼間は鼻づまりではないのに、寝ているときだけつまるという「隠れ鼻づまり」。それが危険なのだそうです。寝ているときに口呼吸になっている人は、「睡眠時無呼吸症候群」を招くこともあります。
心筋梗塞や脳梗塞を招き、重症化すると突然死の可能性まである「睡眠時無呼吸症候群」。肥満の人がなると思われがちですが、痩せている人も安心ではないのだとか。
鼻呼吸のときは、気道が保たれていますが、口呼吸では舌の根元がのどの方向に落ち込み、気道をふさぎます。このため鼻からも口からも空気が通らなくなって、呼吸ができず、睡眠時無呼吸症候群のリスクになるというのです。
世界一受けたい授業より
子どもの睡眠時無呼吸症候群は、身長が伸びなかったり、学習障害、集中力の低下にもつながります。鴻先生によると、深い睡眠によって分泌する成長ホルモンが分泌されなくなるので、子どもの成長や発育に影響するとのこと。
小児のSASのサインは、『いびきをかくこと』です。いびきをかくというのは気道が狭くなっている可能性を意味しています。いびきがある小児は夜間に無呼吸になっていることが多く、SASが重症で未治療な場合、成長や発達に影響を及ぼすことがあります。小児のSASは治療により症状の改善や、睡眠、日常生活の質を向上させることができます。
虫歯が鼻づまりの原因に
片側だけ鼻がつまったり、鼻水が臭い人は、虫歯が原因の「副鼻腔炎」かも知れないとのこと。副鼻腔に近い歯が虫歯だと、虫歯菌が入って炎症になり、虫歯のある側にだけ膿がたまることになります。これが片側の鼻だけつまる原因の可能性かも知れないと、先生は指摘します。
この細菌が脳に達すると、脳に膿ができて意識障害や目が見えづらくなるといった合併症が出るリスクもあるというのです。
ガンの可能性がある鼻づまり
片側だけ鼻がつまったり、鼻水に血が混じっている人などは、副鼻腔にガンの可能性もあるそう。
副鼻腔のガンの症状には、次のようなものがあるそうです。
早期発見で治療は可能なので、異常があったらすぐ診察を受けてほしいと、先生は呼びかけています。
鼻づまりを改善する方法
先生によると、根治を目指すなら受診して薬を飲んだり、もしくは手術を受けるようにとのこと。今つまっている鼻を応急手当的にどうにかするには、蒸しタオルを2-3分ほど顔に当てるといいそうです。これは鼻の中の血流が良くなって蒸気が入り、鼻がすーっと通る感じがするから。
食べ物で、鼻炎に効果があると言われているのがレンコンで、特にヨーグルトを加えると鼻づまりに効果があるのだとか。レンコンに含まれている「ムチン」という物質が鼻の粘膜の炎症を抑えてくれ、乳酸菌と一緒にとることによって鼻炎にも効くのだそうです。
ということで、スタジオでは「レンコンヨーグルトサラダ」をみんなで試食していました。
ただ、食材は薬のように即効性があるわけではないので、食べ続けたら改善するのでは、という心構えで食べてほしいとのことでした。
番組では「レンコンヨーグルトサラダ」のレシピの説明がなかったので、検索してみました。レシピの大手サイトであるクックパッドだけでも40以上のアレンジがあったので、作ってみたい方はチェックされるといいと思います。
レンコンに含まれる「ムチン」という物質が紹介されていましたが、これは糖蛋白質の一種で、その粘り気が粘膜を潤すことで、人の免疫力を高めてくれる、とても体によい成分のようです。
さらもレンコンヨーグルトという商品もアマゾンなどでは売られています。結構ポピュラーな組み合わせなのかもしれません。