熊本では震災の影響で車中泊をする人が大勢いらっしゃるそうです。入れる避難所がない、あっても人が多すぎたり余震が怖かったりでかえってストレスが大きくなるのが車中泊を選ぶ理由のようです。特に小さなお子さんや妊婦さんがいらっしゃる場合は大勢が雑魚寝するような環境では厳しいものがあるかもしれません。
ただ、車中泊にもエコノミークラス症候群というリスクがつきまといます。既に発症者が増加しているということで、車中泊でのエコノミークラス症候群の予防法についてまとめてみました。
エコノミークラス症候群とは?
端的にいうなら
血の流れが悪くなることで血の塊(血栓)ができ
それが肺まで運ばれて肺動脈を詰まらせる病気
ということになります。正式には静脈血栓塞栓症といいます。
血の塊である血栓ができるのはほとんどの場合、脚の静脈内であり、その理由として座りっぱなし、寝たきりといった体勢が挙げられています。
飛行機のエコノミークラスで狭く小さな座席で長時間座りっぱなしになっている、長距離のバスで座りっぱなしになっているといった状況のほかに、病気で入院している人にも発症することが多い病気です。
当然、車の中で何時間も座ったままの姿勢でいるのも原因となりえます。タクシーの運転手でも発症した人がいるくらいですから車中泊は要注意です。
トイレ不足も原因の一つ
トイレが不足しているため、女性を中心に水分を摂ることを控える人が大勢いらっしゃるそうです。しかし、水分を控えると血液の濃度が上がり、血栓ができやすくなります。新潟県中越地震では2週間以内にエコノミークラス症候群を発症したと確認できた人全員が女性だったそうです。トイレを我慢しやすいのがどうしても女性だからではないかという推測がされているようです。
エコノミークラス症候群を予防するには?
大きくは2点あります。運動と水分補給です。
身体を動かす
車中泊だけではなく避難所でも同じことですが、ずっと同じ姿勢でいるのは血栓ができやすくなります。立ち上がって背伸びをしたり歩いたりといったことが重要です。
車中泊で一番よくないのは座った状態で寝ることです。寝ている間に血栓ができ、朝起きて外に出た途端に倒れこむ、、、というリスクが高まります。専門家の中には「目覚ましをセットしてでも数時間おきに外に出て身体を動かして」と訴える人もいるくらいです。
その他、足首を動かしてやる、ふくらはぎを中心に時々マッサージして血流を良くするといったケアも大切です。
また、寝る時もできるだけ脚の位置と胴体とが同じ高さになるよう工夫することが大事です。車中泊では厳しいものがありますが、時々ダッシュボードの上に脚を乗せるなどするのも有効です。
□数時間おきに体操をする
□歩く
□足首を動かす
□背伸びをする
□脚のマッサージ
□脚の位置を胴体より下にした姿勢を固定化しない
水分を適度に摂る
身体の水分が減れば血液も粘度が高くなり、血栓ができやすくなります。水分を摂れる状況であれば、喉の渇きを我慢するようなことはやめましょう。
ただし、アルコールは逆に身体の水分を奪ってしまいます。逆効果となりますので控えましょう。
その他には弾性ストッキングというエコノミー症候群を予防する効果があるストッキンがあるそうです。入手できるのであれば是非入手して装着するようにしてください。
こんな症状は要注意
エコノミークラス症候群の症状は代表的なものが3つあります。
呼吸困難
最も多いのが息苦しいという症状です。突然息苦しくなり、脈拍も増えるといった症状です。
胸が痛い
呼吸時に胸に鋭い痛みや鈍痛を感じるケースがあります。
脚のむくみ、痛み、変色
ふくらはぎや太ももがむくんだり痛かったりします。
特に片方の脚にのみ症状が出た場合はエコノミークラス症候群である可能性が高いようです。
その他、冷や汗が出る、動悸、せきが出る、血痰がでるといった症状もエコノミークラス症候群であることがあります。これらの症状が出た場合にはできるだけ早急に医師に相談するようにしてください。