家庭血圧の測り方と考え方~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』は、「自分の血圧を知ろう」と題して、『家庭血圧』とは何か、そしてその測り方について特集していました。高血圧を語る際に、まずは自分の血圧を正しく知ることが大切です。
今回の専門家は、大阪大学大学院教授で、内科と高血圧の治療を専門とする楽木宏実氏でした。

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診療室血圧 VS 家庭血圧

血圧には、医療機関で測る「診療室血圧」と、家庭で測る「家庭血圧」とがあるそうです。今では血圧を測る機械が1家に1台にあると考えられるほど普及しているのだとか。
診療室血圧のほうが信頼性が高いように思われますが、実は最近では家庭血圧を重視して診断を行う傾向になのだそうです。理由は、家で測るほうがリラックスしていて、医療機関で測るより5mmHgほど低い値が出ることが多いからなのだとか。
さて高血圧と診断される基準ですが、家庭血圧と診断室血圧とで基準が異なるのだそうです。

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きょうの健康より

この値を超えると、高血圧と診断されます。

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家庭血圧の正しい測り方

家庭に普及をしている機械で、自分で正しく測るコツです。
- まず腕帯(わんたい=腕に巻きつける部分)を巻きますが、心臓の高さに巻くことが重要です。
- 1-2分安静にしてから測ります。リラックスしていることが大切なのだとか。
- ボタンを押して測定します。

また、いつ測ればいいのかという疑問もわいてきます。実は「朝測る」ことが大切なのだそうで、その理由について解説しています。人は、睡眠時にはリラックスしているので血圧が低く抑えられていますが、目が覚める少し前からホルモンや神経が活性化されて、血圧が少し上がります。このポイントを押さえることが大切なのだそうです。血圧が一番高い時の値を測定したいということのようです。
また、血圧を下げる薬を飲んでいる人は特に、薬の効果を知るためにも、夕方から夜にかけての血圧を知ることも大事だと楽木氏は言います。

<血圧を測るタイミング、まとめ>

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きょうの健康より

ゲストのグッチ裕三さんが、寝起きにストレッチなどの運動をしたら、血圧が上がってしまって正しく測定できないのでは?と質問していました。楽木氏によると、長時間するのでなければそれほど影響はないが、起床1時間以内に測るといった条件は守って欲しいとのこと。また、朝ウォーキングに行くのが日課の人は、運動後は血管が開いて血圧が下がり気味になるので、ウォーキング前に血圧を測るようにとアドバイスしていました。
夜は風呂上りでも晩酌のあとでもいいので、条件をつけずに測ってもらいたいとのこと。とにかく「継続して測る」ことが大事なのだそうです。

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きょうの健康より

1度に2回血圧を測り、平均値を見るのがいいそうです。
また、朝晩の血圧を記録するときに、「睡眠不足だった」などの状態を一言を書いておくと、そのときの血圧の異常を説明できることがあり参考になるので、メモ書きを勧めています。それから、測り忘れたときやさぼったときに、推測で記入したり、低い値を書いたりするのは、医師の診断を狂わせることになるので、最もしてはいけないことだとか。
もうひとつ、家庭で血圧を測るときに留意したいことに、家庭血圧だけが高い人=「仮面高血圧」があるそうです。楽木氏はこれを「隠れ高血圧」とも呼び、危険だと指摘しています。危険な理由は、普通は就寝中に血圧は下がるのですが、仮面高血圧の人は就寝中も血圧が高いからです。こういう人は、脳卒中や心筋梗塞になる可能性が2-3倍も高いのだそうです。
家で正確に血圧を測ることがなければ、仮面高血圧は見過ごされてしまうわけで、このことからも、家庭血圧の重要性がわかります。

高血圧を放置してはいけない理由

高血圧は病気なのに、症状が出ない病気なのが怖いところで、高血圧なのに元気なので放置している人が多いといいます。血圧が高いことがわかったら、他に何か病気が隠れていないかを疑い、血圧を下げる必要の有無を医師に相談してほしいと楽木医師は呼びかけています。
高血圧を放置すると、脳卒中や心臓病、腎臓病のリスクが高まります。血圧を下げることで、こういう病気を減らすことにつなげるため、血圧のコントロールがとても大切なのです。

さて、血圧を記録する表はどのようなものがよいのか、気になったので調べてみました。血圧計のメーカーなどが、ウェブサイトでダウンロード形式で血圧記録表を配布していることがわかりました。いずれも番組内で推奨されていた「メモ書き」ができるタイプのものです。自分にあうと思うものを使われてはいかがでしょうか?

オムロン
血圧記録表 http://www.healthcare.omron.co.jp/product/pdf/note01.pdf
血圧グラフ http://www.healthcare.omron.co.jp/product/pdf/note02.pdf

テルモ
グラフ形式の血圧記録シートhttp://www.terumo.co.jp/consumer/guide/symptom/hypertension/pdf/ketsuatsu_2009.pdf

パナソニック
血圧記録表 http://panasonic.jp/ketsuatsu/pdf/ketsuatsu.pdf

健康保険組合連合会
こちらのページから何種類かダウンロードできます。
http://www.kenporen.com/health-column/ketsuatsu-techo/

<まとめ>

家庭で血圧を測ること、しかも正しい方法で測ることの重要性がわかりました。
番組中で楽木氏が、歳をとると血圧が高くなると思われがちだが、歳をとっても血圧が高くない人もいると発言していたのが印象的でした。高血圧を年齢のせいにしてあきらめるのではなく、しっかりと予防・治療し、高血圧を原因とする脳卒中や心臓病なども防いでいきたいものです。

 


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