座りっぱなしは病気の元?スタンディングデスクと健康効果~クローズアップ現代より

先日の『クローズアップ現代』では、『 “座りすぎ”が病を生む!?』をテーマに、座りすぎが健康に及ぼすあまり知られていない影響について特集していました。
それによると、座っている時間が長くなると、死亡リスクが高くなるという研究に基づき、座りっぱなしだと体に何が起きるのか、またその対策について伝えていました。

長時間座りっぱなしになることで発症するリスクが高まるものには、次のようなものがあるそうです。

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クローズアップ現代より

肺がん、乳がん、脳こうそく、心筋梗塞、狭心症、高血圧、糖尿病といった怖い病気が並びます。

しかも、世界の20の国と地域を対象とした調査で、日本人は座っている時間が7時間と最も長かったという結果が出たのだそうです。動かずに座ったままの時間が半分以上を占めていて、積極的に運動をしている時間はわずか5%なのだとか。

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クローズアップ現代より

内向的といわれる日本人の性質をあらわしている結果ともいえるかもしれません。

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「座りすぎ」への対策が進むオーストラリア

オーストラリアでは、国を挙げて「座りすぎ」への対策が進んでいるそうです。テレビCMを流すなど官民一体となってキャンペーンを行い、職場では1日2時間以上立って過ごすよう呼びかけています。
メルボルンのとある小学校では、子どもたちは簡単に高さの調節できる机で授業を受けていました。ある子どもは、座りっぱなしだと背中や腰が痛くなるけど、立つと楽だと語ります。教師はクラス全員で1日に30分は立って過ごすようにしており、子どもたちは前より集中して授業を受けるようになったと明かします。立って勉強することで集中力が増すというのは興味深い話です。

このような取り組みのきっかけとなったのは、シドニー大学が45歳以上の成人22万人を3年間の追跡した調査の結果だったそうです。この間に死亡した人のライフスタイルを調べると、座る時間が4時間未満だった人に対し、11時間以上座っていた人の死亡リスクが40%も高かったというのです。

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座りすぎの悪影響とは?

番組では、「座位行動」研究の第一人者である、心臓病・糖尿病研究所のネヴィル・オーウェン博士を訪ねていました。博士も立ったまま仕事をしていました。

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クローズアップ現代より

博士いわく、
『これまでの研究で、座りすぎると代謝機能や血液の流れに悪影響が出て、深刻な病気につながることがわかってきた。』
ということです。立ったり歩いていると脚の筋肉が働きますが、このときに筋肉の細胞内では血液から糖や中性脂肪が取り込まれ、エネルギーとして消費される=代謝が盛んに行われているそうです。一方、座りっぱなしだと脚の筋肉を使わないため、糖や中性脂肪が取り込まれることなく、血液中で増えるというのです。
また、座りっぱなしだと全身の血流が悪化し、血液がドロドロに。結果として次のような病気のリスクが高まるのだそうです。

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クローズアップ現代より

日本の早稲田大学でも、座りすぎと健康への影響について、追跡調査を始めたそうです。参加者に加速度計という機械を配布し、一日で座っている時間を測定します。
参加者の一人、Mさん(52歳)は工場経営者。朝は歩いて通勤し、仕事中も事務所と工場を行き来しているので、「デスクワークの人より動いている」と自己評価します。しかし計測の結果、Mさんが1日に座っている時間は9.8時間にものぼったのです。動いていると思っている人でも、意外と動いていないことがわかります。座りすぎのMさんは代謝が進まず、内臓脂肪を測ると標準の1.5倍もありました。

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クローズアップ現代より

さらに、座りすぎがより深刻な病気につながる可能性を北海道大学大学院の鵜川重和助教が指摘します。鵜川氏は全国12万人を20年にわたり調査し、男性の場合、座りっぱなしでテレビを見ている時間が長いと肺がんの発症率が3割以上あがることが明らかになったそうです。

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クローズアップ現代より

このほかにも肝臓がん慢性閉塞性肺疾患のリスクも高かったというのです。
座りすぎの健康リスクを研究する、早稲田大学スポーツ科学学術院 の岡浩一朗教授によると、座りすぎが健康に悪影響を与える詳しいメカニズムの解明は、これからだといいます。
一部わかってきているのは、座りすぎると糖の取り込みを促進する「グルコース輸送体」や脂肪の分解を促す「リポタンパクリパーゼ」の機能が低下し、糖尿病や心疾患、脳卒中のリスクを上げるということだそうです。

また、座ること自体ではなく座り「続ける」ことが問題で、同じ姿勢を続けるのを避けることが大事なので、岡教授は30分から1時間に1度は立って動くことを提唱しています。加えて、子どもの肥満は大人になっても持ち越されることがわかっているので、オーストラリアのように子どもの頃から対策をすることの重要性も指摘しています。

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日本での取り組み

東京のIT企業、楽天では、1台18万円をかけて社員1万3,000人のデスクを高さ125cmまで上げられるものに全て取り換えたそうです。立ったままデスクワークができるようにしたのです。体の痛みがなくなったなど、社員には好評です。費用は多額でも、社員の健康には代えられないとの判断だそうです。
この机を開発した事務機器メーカー、オカムラは、これまではひたすら座り心地のよい椅子を追求してきたものの、座りすぎの健康被害に対する研究結果が数々出されることで、方向転換を迫られました。手始めに、これまでの72cmという業界の常識となっていた机の高さを見直し、「仕事は座ってするもの」という固定概念を覆したそうです。
新しい机を導入した企業では、体調面の改善だけでなく、仕事のスピード感が増し、社員同士のコミュニケーションが増えるという好影響も出ているのだとか。

岡教授は、これからは健康になるオフィス作りが目指され、社員の満足度や生産性の向上につながっていくのではと言います。運動を増やすのも大事だが、まずは座りっぱなしの時間を減らし、家事や立ち仕事の割合を増やすことが重要なテーマになるとコメントしていました。
一方、高齢化社会で、立ちっぱなしが難しい人も増えています。そんな状況で簡単にできる対策として、体の中でも大きな筋肉である脚をしっかり使うこと、例えば爪先立ちしたり、しゃがんだり、座ったままでも脚を伸ばして持ち上げるといったことを取り入れてみてはどうかと提唱していました。

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まとめ

「仕事は座ってするもの」という固定概念からの脱却が必要だと感じさせられる特集でした。番組中で紹介されていた、高さが変えられるデスクは18万円でした。具体的にどんなデスクなのか気になったので、調べてみました。オカムラの上下昇降デスク「Swift(スイフト)」という製品のようです。http://www.okamura.co.jp/company/topics/office/2014/swift.php

立ち仕事と座り仕事の組み合わせが一番疲れにくいとか、足がむくみにくいとか、姿勢を変えることで眠気が減るといった情報も掲載されています。ボタンひとつで電動で上下するこのデスク、本体価格168,000円、税込みで181,440円です。

ここまで高品質でなくてもよい、お試しに手軽に購入したい人には、こんな商品もあるようです。

フレッシュ スタンディングデスク
http://item.rakuten.co.jp/handoinc/tm0572/

昇降式パソコンデスク エデン
http://item.rakuten.co.jp/gekiyasukaguya/dkp581342/


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