脈が飛ぶ、早い、遅い~不整脈のタイプと原因~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』では、不整脈について特集されていました。不整脈が起こるメカニズムや不整脈のタイプ、原因、そして手軽な発見方法について伝えられていました。誰にでも起こる可能性がある不整脈ですが、予防の手がかりになる情報も含まれていて、ためになる内容でした。
解説をするのは、循環器内科医師で不整脈や心臓病が専門の、弘前大学大学院の奥村謙教授です。

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不整脈とは?

心臓の拍動の乱れたり、速くなったり遅くなったりするのが不整脈です。健康な人に起こる問題のないものもあれば、命に関わる深刻な病気と呼べるものまで、さまざまタイプがあるのだそうです。

ゲストの俳優・黒部進さんは「心房細動」というタイプ。

「心臓が不定期に打つ。遅脈になったり速く打ったりして、それが始まると気分が悪くなる」

と症状を訴えています。

正常な心電図では、次のような特徴があります。
拍動が一定のリズムで繰り返される
同じ波形が繰り返される

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きょうの健康より

心臓の拍動のしくみですが、心臓は自ら血液を送り出すために弱い電気を発していて、心臓の筋肉はこの電気を感じることにより収縮しているのだそうです。
電気を作っているところは右心房の「洞結節」という場所であり、そこから電気が右心房や左心房、さらに右心室や左心室に届き、それを感じた心臓の筋肉が収縮をする、という仕組みになっているそうです。

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「洞結節」で作られた電気が右心房、左心房に届いて収縮

 

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次に右心室、左心室に届いて収縮

 

きょうの健康より

この拍動のリズムは健康な人なら一定ですが、何等かの原因により乱れてしまう、それが不整脈です。

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不整脈のタイプ

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きょうの健康より

不整脈には3つのタイプがあるそうです。

「期外収縮」=飛ぶタイプ

正常と違う拍動が混じります。予想外に早い拍動が混じると、弱くなるので脈として感じられなくなる=脈が飛ぶ、ということになるそうです。
健康な人にもよく見られるそうですが、頻繁に起こったり繰り返し起こるようだと動悸を感じたり、心臓の働きが弱まるという影響が出てきます。

「頻脈」=速いタイプ
正常な脈拍が1分間に60-100であるところを、100回以上になります。これが続くと心臓の働きが落ちてきて、心不全や心停止という危険な状態につながる可能性があるとのことです。
心臓が痙攣した状態になる「心室細動」、そして「心房細動」も頻脈の一種です。心室細動は、
『心停止から突然死につながる危険なものなので、早期に治療しなければならない』
と奥村教授は指摘します。心房細動は心房の中に血栓ができ、それが脳に達すると脳梗塞を引き起こすので、こちらも危険なものです。

「徐脈」=遅いタイプ
リズムがゆったりしたり、間隔が長くなり、脈拍が1分間に50回未満のものを呼びます。何らかの原因で電気の発生が遅くなったり、電導が遮断されて起こるそうです。
生命の危険に直接はつながらないものの、送り出される血液が少なくなるので、息切れやだるさ、ひどくなると心不全につながります。また脈の間隔があいて心停止の状態になると、脳に十分な血液がいかないので、めまいや失神を起こすこともあるそうです。
この徐脈の治療としては、ペースメーカーを埋め込むことにより、電気刺激で拍動を整える方法があるそうです。

奥村教授によると、頻脈と徐脈を併発するなど2つ以上のタイプを同時に持っているという人も多いのだそうです。

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不整脈の原因

不整脈の原因のひとつに「加齢」があります。『つまり誰にでも不整脈は起こるということです』と、奥村教授は言います。

それ以上に大きな原因は、心筋梗塞や心筋症、心不全、心幕炎、心臓弁膜症といった心臓病です。

また、心臓以外の病気でも不整脈の原因になるといい、重い肺の病気や甲状腺の病気の人も不整脈を起こしやすくなりますが、中でもリスクが高いのが「高血圧」だそうです。血圧が上がると心臓への負担が増し、心臓の肥大につながることで不整脈を起こしやすくなるのです。

薬で不整脈が起こることもあるそうで、自律神経に影響を及ぼす成分を含む一部の降圧薬や抗うつ薬、そしてなんと抗不整脈薬でも不整脈を引き起こることがあるとのこと!頻脈を治そうと薬を飲み、今度は除脈に傾くケースです。

さらに「生活習慣」も不整脈を引き起こす可能性があるそうです。

『ストレスや過労、睡眠不足や喫煙、そしてアルコールやコーヒーの飲みすぎで、直接・間接に自律神経を刺激して、拍動の回数を多くしたり、異常な電気を発することがある』

と奥村教授は警告します。

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不整脈を発見するには?

自分で簡単に不整脈を発見するには、脈をとることだと奥村教授は言います。
人さし指、中指、薬指の3本の指を、手首の親指の付け根、骨と腱のやわらかい部分に軽くあてます。そして15秒間数え、その間の脈の数を4倍すると、1分間の心拍数が出ます。正常値に収まることの確認とともに、数を数えながら脈が飛ぶことがなかったかもチェックします。

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きょうの健康より

心房細動の場合は、脈が速く、乱れるという特徴があります。また、脈が速いと脈を取りづらいので、脈がとりづらい場合も異常を疑うことができます。

脈をとることを毎日決まった時間、安静時に行うことによって、不整脈を自分で早期に発見できるとのことです。すでに不整脈と診断されている人も、治療効果の判定になるのでぜひ実施してほしいと呼びかけていました。

mametisiki「Apple WatchとiPhoneアプリで、不整脈・脳梗塞を発見……慶應大が研究開始」という記事が報じられていました。(http://www.rbbtoday.com/article/2015/11/26/137323.html
Appleのバイタルデータ管理機能である「Research Kit」を活用した「Heart & Brain」アプリを使うことにより、Apple Watchで収集した心拍数、歩数、運動量を解析し、不整脈・脳梗塞の早期発見にも活用できるとのことです。
Apple WatchとiPhoneアプリを使える環境の方は、試してみられてはどうでしょうか?

まとめ

番組でも触れられていたように、脈が飛ぶということは健康な人にも起こるとのことで、安心した方も多いのではないでしょうか。不整脈のタイプを知ることにより、治療が必要な不整脈発見の手がかりにしたいものですね!


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