慢性膵炎とは?アルコールとの関係や原因・治療~きょうの健康より

 

スポンサーリンク

 

あなたは「膵臓(すいぞう)」と聞いて、そのかたちや機能をはっきりと思い浮かべることができますか?
心臓や肝臓に比べるとやや認知度の低い臓器ですが、食べ物の消化などに重要な役割を果たす臓器です。
そんな臓器ですから、炎症を起こし、機能を十分に発揮できなくなると身体に重大な影響を及ぼします。
今回は、膵臓に関する基礎知識と膵炎について解説していたNHK『きょうの健康』についてまとめておきたいと思います。
お酒が好きな方は、特によく読んでみてください。

膵臓とは

番組には、三重大学大学院の教授で、膵臓の病気の治療を専門としている消化器外科医の伊佐治秀司氏が登場し、解説していました。

膵臓は胃の後ろに存在し、成人なら15〜20センチくらいの大きさの臓器です。厚さは厚い部分でも20センチくらいの平べったい形をしています。

20160411085816

きょうの健康より

インスリンを分泌して血糖を調節したり、「膵液」という強力な消化液をつくったりする働きがあります。
膵液は十二指腸に排出され、そこに胆汁が混ざることで、胃から来た食べ物が十二指腸で消化されていきます。

このような重要な働きをもっている膵臓ですが、この膵液こそが慢性膵炎を引き起こすというのです。

 

スポンサーリンク

 

慢性膵炎とは

膵液はほんらい、膵臓の中にあるうちは酵素としての働きがありません。
十二指腸に運び出されるときに初めて活性化するはずなのですが、何らかの理由によって膵臓内で活性化されてしまい、膵臓自体を破壊してしまうのです。
これを「自己消化」というそうで、急激に起こるものを「急性膵炎」、ゆっくりと起こるものを「慢性膵炎」といいます。

慢性の場合、膵臓が固くなり、膵液の通り道である膵管は太くなります。すると膵液の流れが悪くなり、膵液の分泌自体も悪くなります。
この状態になってしまうと、どのような治療を行っても、元の正常の状態に戻すことはできなくなってしまうのだそうです。

 

スポンサーリンク

 

膵炎の原因は?

主な原因は、アルコールです。

20160411090041

きょうの健康より

男女で割合の違いがありますが、女性でもアルコールを原因とした発病が増加傾向にあるそうです。

目安としては、1日80グラム以上を10年以上続けると、慢性膵炎の頻度が上がるのだそうです。

20160411090349

きょうの健康より

「休肝日」という言葉がありますが、膵臓を休めることも必要なのですね。

どうしてアルコールが慢性膵炎につながるのかは、まだはっきりとはわかっていないそうです。
有力な仮説としては、お酒を飲み続けると増加する体内の活性酸素による、身体の酸性化によって引き起こされるというものがあります。
膵臓内が酸性になることで膵液が活性化してしまい、自己消化を起こすというのです。それが続くことで膵臓が固くなり、慢性膵炎を引き起こすと考えられているそうです。

 

スポンサーリンク

 

症状

初期は、みぞおち辺りや背中に軽い痛みが生じます。
おもに食事・飲酒の数時間後に起こりますが、進行すると食後でなくても生じるようになるそうです。

厄介なのは、酒飲みの人は、呑んでいるうちに痛みが麻痺してしまうことです。
それで治った気になってしまい、病気に気づいた時にはもうだいぶ進行してしまっている、ということもあるそうです。

さらに厄介なことに、膵炎は進行していくと、痛みが軽減していくのだそうです。

しだいに下痢や(臭いの強い)脂肪便があらわれ、体重が減っていき、
さらに進むとインシュリンを出す働きがとまることで糖尿病を併発します。そのうち半分の人には膵臓の中に「膵石」という5mmほどの大きさの石までできてしまいます。

※膵石に関して、最近は超音波を用いた破砕装置で石を砕く治療も可能になってきたそうです。

20160411090456

きょうの健康より

 

スポンサーリンク

 

慢性膵炎の治療法

慢性膵炎は、とてもやっかいな病気であることがわかってきました。

治療法としては、まず禁酒が挙げられます。少しも飲むことができなくなってしまうのだそうです。さらに脂肪の摂取制限や禁煙、ストレスを避ける工夫も必要になります。

この段階になるともはや元の健康な膵臓に戻すことは不可能なので、処方される薬物は治すものではなく緩和する目的のものになります。
腹痛を治めるための「消炎鎮痛薬」や、膵臓の機能低下を補助する「消化酵素薬」、消化酵素を働きやすくするために「胃酸分泌抑制薬」も処方されます。インスリンの分泌がなくなってしまった人にはインスリンも投与することになります。
先述の通り膵臓はもう元には戻らないので、これらの薬を飲み続けなければなりません。

こういった治療をせずに放置しておくと、すい臓がんになる可能性もあるといいます。

 

スポンサーリンク

 

まとめ

普段は意識していない膵臓ですが、慢性膵炎という病気は大変やっかいであることがわかる特集でした。
お酒をやめるのはつらい…というか、考えられない!という場合は、毎日呑むのをやめて呑む間隔をあけるなどの工夫をしていきましょう。
いつまでもお酒を楽しめるように、健康なうちから習慣を見直しておくべきでしょう。


スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。