命の危険もおびやかされる心臓の病気の中でも、一刻を争うのが心筋梗塞。その心筋梗塞の原因の一つにあるのが「狭心症」。狭心症は心筋梗塞の一歩手前の状態とも言われています。狭心症のうちに心臓の異変に気がついて処置をするのと、心筋梗塞を発症してしまうのでは、予後の経過にはとても大きな差があると言われています。その狭心症の初期症状などについて「きょうの健康」で紹介されていました。心筋梗塞に移行してしまう前に、症状などをチェックしてみましょう。
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狭心症とは?
まず私たちの心臓について。
心臓の機能は全身のすみずみまで血液を送ると言う大事な役割を持っています。
心臓は1日に10万回も脈を打ち、1日に8000リットルもの血液を全身に送り出していると言われています。
心臓はそれ自体も、血液から栄養素を吸収して、再び全身に血液を送ると言う循環を作り上げているそうです。そこで心臓に血液や酸素を送り届けるのが冠動脈。
この冠動脈の一部に異常が起きて、血液が流れにくくなってしまい、心臓の筋肉が弱くなることを「狭心症」と言います。
きょうの健康より
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狭心症のふたつのタイプ
狭心症には大きく分けてふたつのタイプがあるそうです。
1.血管けいれん型
全体から見た割合は10%程度と少ないが、喫煙やアルコールの飲みすぎ、ストレスなどが原因で心臓の血管がけいれんして発症すると言われています。
特に深夜から早朝に痛みが出ることが多いとされています。
2.動脈硬化型
狭心症のほとんどがこのタイプと言われています。また、こちらの方が心筋梗塞の危険性が高いとされています。
このタイプはまず動脈硬化を発症していることが多いそうです。動脈硬化によって血管が狭くなり、心臓の筋肉に十分な栄養や酸素が供給されなくなるのが、このタイプの狭心症。
2.のタイプでは、さらに高血圧やストレスが原因で、動脈硬化から血管が詰まってしまい、心臓の筋肉が死んでしまう、いわゆる心筋梗塞へと移行することがあると言われています。
人の体の筋肉は、一度死んでしまうとどんな治療をしても元通りにはならないそうです。心筋梗塞を起こした心臓の筋肉も同じですが、狭心症のうちならまだ筋肉は生きているため、元通りになることが望めます。このことからも狭心症の症状を確実にキャッチして治療につなげることが大事だと言えそうです。
狭心症の症状とは?
恐ろしい心筋梗塞に移行してしまう前に、狭心症の症状をきちんと理解しておきましょう。
運動時や興奮した時の胸の痛み
きょうの健康より
典型的な症状のひとつ。
圧迫されるような胸の痛みが10分ほど続き、体を休めると症状も落ち着きます。
これは早足で歩いている時や階段を上ったときにも見られると言います。
軽い運動や安静時の発作
以前は問題がなかった軽い運動や安静時に胸が痛んだり、その発作の時間が長くなった場合は要注意。これは「不安定狭心症」と言われ、血管の中にできたコブが崩れやすい状態になっている可能性があるそうです。この場合は将来的に心筋梗塞になる可能性も高いと言うことです。
発作の時間は15分以上続くようであれば、すぐに救急車を呼ぶことがオススメです。
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体のあちこちで痛みが出る
「放散痛」と言われ、心臓だけではなく意外な場所に痛みが出る場合があるそうです。
きょうの健康より
これは腕や肩の痛みを頭に伝える神経と、心臓から出る痛みを伝える神経とが、途中で合流しているため、一緒に痛みが出ることがあるとされています。
これらの痛みや発作が出た場合はすぐに狭心症を疑い、専門医を受診することが大切だそうです。
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狭心症の最新の治療法は?
狭心症を発症すると主にカテーテルを心臓の血管に通して、細くなっている個所にステントと呼ばれる金属を入れて、血管を膨らませると言う治療が行われています。
そして最近ではカテーテルの中に圧力センサーがついたFFR検査と言うものが、よく行われるようになっているそうです。
きょうの健康より
このセンサーにより狭くなった場所の血管の圧力を計測し、たとえ血管は狭く見えても血流の流れが十分であれば、ステントを入れるのではなく、薬だけを使った治療方針をとるケースが増えているそうです。
できれば心臓の発作とは縁遠いものだありたいですね。でも日ごろから知識を持っておくことは大切です。そんな時におすすめの書籍をご紹介します。
「名医の図解 狭心症・心筋梗塞の最新治療と発作を防ぐ安心読本」
相澤忠範(主婦と生活社)
「心臓病の治療と食事療法-組み合わせ自由な新レシピ付き」
天野恵子(日東書院本社)
まとめ
最新の治療では検査結果によっては薬だけで済んでしまうケースもあると言う狭心症。早めに体調の変化をキャッチして、検査を受けることが大切だと言えそうですね。胸の痛みを覚えたら、迷わず専門医へ!