ネット依存とは?兆候から対策まで~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』のテーマは、「ネット依存から子どもを守る」でした。ネット依存の兆候や治療、そして予防法までをわかりやすく伝えていました。ネットが生活の一部となっているこの時代、中高生を持つ親御さんにとっては特に役立つと思われる内容でした。
解説をするのは、精神科医でネット依存などの治療が専門の、国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長です。

 

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ネット依存とは?

ネット依存とは、

生活や健康よりもインターネットを優先してしまう
ネットを使う時間や方法を自分でコントロールできない

状態だというのが一般的な認識です。
そして、最近では特に中高生のネット依存が問題になっており、2013年の厚生労働省の推計では、なんと51万8000人もの中高生にネット依存の疑いがあるとのことです!

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きょうの健康『ネット依存から子どもを守る』より

樋口院長は
「久里浜医療センターの患者の7~8割が学生で、その大半が中高生。7~8割はゲームに、2~3割はSNSや掲示板、動画サイトに依存している」
と、ネット依存の現状を語ります。

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きょうの健康『ネット依存から子どもを守る』より

 

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ネット依存のサインは? どこからが「病気」?

ネット依存の兆候としては

使用時間がかなり長い
夜中までネットをする
そのせいで朝起きられない
ネット以外のことに興味が持てない
いつもネットのことが気になる
注意すると激しく怒る
ネット利用の時間や内容についてうそをつく
ネットの使いすぎで成績が下がる

といったことが挙げられるそうです。

ではどこまで行くと「病気」とされるのか気になりますが、「病気」とされる医学的な定義は現時点でないそうです。ただ、ゲーム依存が大変多いので、アメリカの精神医学界が『インターネットゲーム障害の診断基準(暫定)』を出し、WHOが『ゲーム障害の診断基準』を、2018年を目処に発表しようとしているとのことです。
このように正式なガイドラインがない中で、治療の対象となる患者として樋口院長は、
「ネットの過剰使用があることが前提で、明確な心身の問題が生じている、もしくは明確な家族的・社会的問題が生じている」
ことを挙げました。

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きょうの健康『ネット依存から子どもを守る』より

心身の問題

心身の問題とは、ネットの過剰使用で低栄養(食事をきちんと摂らない)、体力の低下、骨密度の低下(座っていることが多いことから)、睡眠障害、感情がコントロールできなくなる(ネットを取り上げられると爆発的に反応する)、うつ状態になる、といった問題を指します。
夜遅くまでネットをして朝起きられないという「睡眠障害」はほぼすべての患者に起こっており、昼夜が逆転することもあるそうです。

家族的・社会的問題

家族的・社会的問題としては、家族関係の悪化(ネットを巡って親子間で暴言・暴力)、遅刻、不登校、成績の不振、退学があります。

 

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依存してしまう原因

なぜここまで依存してしまうのか? その原因について樋口院長は、
「ゲームで勝った『ワクワク感』は、アルコールや薬物に匹敵することが研究で示されている。複数の人が同時に参加するオンラインゲームは特に依存性が高いが、深夜でも誰かがいてメッセージや会話を交わせるので、ゲームの時間が長くなってしまう。」
と解説します。また
「依存する人は現実世界での対人関係が苦手で居場所がないが、ゲーム内ではアイデンティティーを得られるのでゲームから離れられないという印象だ」
とも語ります。

ネット依存の治療は?

アルコールや薬物と違い、ネットは「ないと生活できない」ものなので、完全にやめるのではなくうまく付き合うこと、すなわちゲームなど依存しているコンテンツだけをやめたり、利用時間を減らすことを目標とする治療になるそうです。

久里浜医療センターでは問診と検査が行われます。検査は次の2つです。

<身体検査>
栄養状態をみるための採血、肺機能、かかとの骨密度、体力測定など
<心理検査>
ネット依存傾向、うつなど精神疾患の有無など

この検査の結果を患者が見ることは、患者自身が問題を認識する上で大事なのだそうです。
この後、患者の特性によってカウンセリングを行ったり、デイケアに入れたり、重い場合は入院を勧めることになります。樋口院長は、

「患者が『自分の力でネット依存を減らしたい』と思う気持ちを後押しすることが治療だ」
としました。

<カウンセリング>
カウンセリングでは、患者の声を受け止めるとともに、「自分には何も問題がない」などの認識を持っている場合は、実際にどれだけの時間をネットに費やしていたかを計算させたり、ネットの時間を減らせばどんなことができるかをともに考えたりすることで、患者自身に気づきを与えるそうです。

<デイケア>
デイケアは日帰りのプログラムで、午前中は体育館で体を動かし、午後は食事をしながら医師と参加者でディスカッションが行われます。すでによくなっている「先輩」の体験談が語られることもあり、これが参加者にはよいインパクトを与えるそうです。この他、年1回、8泊9日のキャンプなども行われています。

<入院>
入院しない限りネットから離れられない人や健康状態がかなり悪い人、課金がコントロールできない人、家族関係が極端に悪化している場合などには入院になります。

このような治療を通じて、ネットをしない時間を作っていくことが大事だといいます。

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番組で紹介されていた、国立病院機構久里浜医療センターの「ネット依存治療部門」のウェブサイトはこちらです。診療案内とともに、ネット依存についてより詳しい説明やアドバイスなども掲載されています。
http://www.kurihama-med.jp/tiar/index.html

また、こちらのウェブサイトには、「インターネット依存治療施設リスト」もあります。久里浜医療センターに通院できないという方も、近くの施設を探して治療の一歩とされてはいかがでしょうか。
http://www.kurihama-med.jp/2017_net_list.html

ネット依存にならないための予防

どうすればネット依存は予防できるのか? 樋口院長は、
「家族でネットに関するルールを作り守っていくことで、ネット依存は予防できる。ネットの危険性について、親子で話し合うことも大事だ」
としました。

<ネットに関するルールづくりのポイント>
ネットに関するルールをつくる場合、次のようなポイントを押さえると効果的だそうです。
ネットに接続できる機器を買う場合は、「親の名義で購入し、子に貸し出す」ことを明確にする。
ネットを使用する時間、場所、費やす金額を指定する(例:機器はxx時までに決められた場所に返す、子どもの部屋に持ち込んではいけない、など)
ルールは書面にして、目につくところに貼っておく
ルールは親子一緒に作り、決められたルールは親も守る

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きょうの健康『ネット依存から子どもを守る』より

 

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まとめ

ネット依存は中高生に多く、その中でもゲームへの依存が深刻であることがわかりました。日常生活に支障が出るほどネットにのめり込んでしまわないよう、ルールを設けるなど家族ぐるみで気をつけたいものですね。

なお、きょうの健康では過去にも子供のネット依存対策として同じテーマで番組放映されていました。ほぼ同じ内容ですが以下のページにまとめていますので興味がある方は参照してください。
子供のネット依存の症状や対策


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