肩こり・腰痛・ストレートネック~悪い姿勢の治し方~チョイス@病気になったときより

腰痛や肩こり。年代を問わずこれらの痛みに悩まされている人はけっこう多いですね。とりあえず湿布を貼ったり、飲み薬で間に合わせている人もいるのでは? ところがこの原因のひとつとして最近注目されているのが「姿勢の悪さ」。「チョイス@病気になったとき」では、悪い姿勢がもたらす怖い病気や、改善方法などを紹介していました。今すぐ始められる姿勢を良くする方法とは?

 

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現代人がなりやすい悪い姿勢から来る疾病

人が二足歩行を始めてから、永遠の悩みのひとつになったと言われる「腰痛」。さらに最近では若い人でも悩んでいる人が多いと言う「肩こり」。
これらは痛みを抑えることで、日常生活はなんとか続けることができるかもしれません。
この腰痛や肩こりの原因のひとつに、「姿勢の悪さ」が影響を与えていると言うことが、最近の研究で分かってきました。

私たちは普段、自分の姿勢についてはあまり気にしていないかもしれません。
しかし悪い姿勢をそのままにしておくと、怖い病気になるかもしれないと言うのです。

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チョイス@病気になったときより

特に中高年以上の世代の人には、悪い姿勢の影響が喉に出やすく、放っておくと脳梗塞を発症するかもしれないそうです。
これは姿勢が悪くなり頭の位置が下に下がることで、喉の血管も曲がってしまいます。曲がった血管では血液の流れが悪くなり血栓ができやすくなります。この血栓が脳に上がると脳梗塞を起こしてしまうと言われています。

喉の奥に違和感を感じたら、脳梗塞の危険が高まっているサインだそうです。

この他にも呼吸や代謝も悪くなることもあり、体のあちこちに悪い影響が出てくるそうです。

番組では姿勢の悪さが原因となった、いくつかの症例を紹介していました。

 

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現代人に多いストレートネック

これは最近注目されてきた名前ですね。
人の首の骨を横から見ると、きれいなカーブを描いているのが本来の姿。
しかし悪い姿勢を続けたことが原因で、そのカーブがなくなり、まっすぐに頭の骨とつながってしまっている状態のことを「ストレートネック」と言います。

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左がストレートネック
右が正常

チョイス@病気になったときより

これはストレートネックの人と正常な人のエックス線写真です。左の写真では本来あるべき首のカーブがなくなっています。

この写真のAさんは普段、仕事で1日中パソコンを操作していました。その時の姿勢が問題だったそうです。
普段の仕事ではパソコンの前に資料を広げてキーボードを打っていたために、どうしても両手を前に伸ばした姿勢になっていました。

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チョイス@病気になったときより

この姿勢が首の後ろ側や肩の周辺の筋肉に負担をかけ続けていたと見られます。
Aさんはある朝、起き上がろうとして首に激痛が走り、その後も自分の力では頭を持ち上げることもできなかったそうです。

このような状態について、首都大学東京健康福祉学部の竹井仁教授は

「骨は筋肉で動くので、筋肉のバランスが悪くなると骨に影響が出てきます。パソコンを使う時の姿勢は、多くの人が猫背になり首をぐっと前に突き出して画面を見ていることがあります。この姿勢が首をまっすぐに伸ばしてしまします。頭の重さと言うのは約5~6キロ、腕は片方で約4キロあります。それくらいの重さがあるので、頭が前に行くと言うことはそれを支えようとして首の後ろ側にすごい負担がかかるんですね。首の後ろ側の筋肉ががんばって頭を持ち上げようとする。すると筋肉が凝ってきて、やがて、あごが上がって来る。この姿勢を続けていると頭の後ろ側の付け根の筋肉が硬くなってしまい、うなずくことができなくなってしまいます」

と話していました。

ストレートネックの特徴
あごを引きづらい/うなずくのがつらい/
身体を横から見た時に偏り耳が前に出ている

ストレートネックの人はあごを引いてうなずくことが辛かったり、頭部が前に出ていることが多いそうです。

ストレートネックの原因

それはズバリ「生活習慣」。
竹井教授によると、2~3か月の間悪い姿勢を続けていると、徐々にそれが普通になってしまい、気づかないうちに筋肉に負担をかけ続けることになるそうです。

ストレートネックへの対処法

生活習慣からストレートネックになってしまったため、Aさんの場合はまず理学療法士によるマッサージに加えて、仕事中に使うパソコンの位置を高くすると言う方法を試しました。
パソコンの下に雑誌などを置いて、目線を上げることで前傾姿勢が解消されて、首の負担が軽くなるそうです。

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またこの時、肘を曲げるのもポイント。肩の周りの負担を減らすことができると言うことです。

このほかスマートフォンの操作でも姿勢が悪くストレートネックになりがちだとか。スマートフォンを使う時は、肘を机の上に置いて支えるなど、肩の筋肉をリラックスさせる姿勢で改善できるそうです。

さらにAさんが実践したのが悪い姿勢を解消するために効果的とされる体操でした。

 

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肩甲骨を動かす体操

1. 両腕を肩と同じくらいの高さで前に突き出し5秒停止。

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この時、両方の肩甲骨の間を離すようなイメージで。

2. そのまま同じ高さで肘をゆっくりと後ろへ引く。

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あごをぐっと引き付けて、肘は肩と同じ高さを維持する。

3. 肘を前に戻しながら手のひらを上にあげる。

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肩甲骨を起こすようなイメージ。あごが上がらないように注意する。

10回1セットで、1日に気が向いた時に何度でもやるといいそうです。

タオルを使って首のカーブを取り戻そう

1. 四つ折りにしたタオルを持って首の後ろ側の真ん中に当てる。

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2. タオルを斜め上に引っ張り、頭を少し後ろに倒す。

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3. あごをのどぼとけに近づけるようにしてうなずく

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ひとつの動きをそれぞれ5秒くらい。
10回1セットで1日に3セットくらいがオススメだそうです。
この体操は硬くなった首の後ろ側の筋肉をストレッチすることで、正しいカーブを思い出させる効果があるとされています。

Aさんが取り組んだ結果は…

Aさんはこの体操や仕事中の姿勢を改善する方法をおよそ3か月続けました。

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チョイス@病気になったときより

首のカーブはそれほど戻ってはいませんでしたが、頭の前傾が良くなっていました。
前かがみの姿勢が解消されて、首への負担が減り、Aさんも首の痛みを感じなくなってきたと言うことでした。

プラスアルファで正しい姿勢を作る方法

1. 椅子に軽く腰掛ける。
2. 天井から頭を引っ張られているイメージで背中を伸ばす
3. 肩の力を抜いて、腕はひざの上に置く

理想的な姿勢ですが、長時間続けると疲れてしまうので、気がついたらこの姿勢を作り、また少し休んでも構わないと言うことです。
この姿勢を意識していると、4週間ほどで正しい姿勢が習慣づけられるそうです。

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現代人には姿勢が悪く、特に「猫背」の人が多くなったと言われています。「猫背」は単に見た目が悪いだけではなく、消化器系の疾患や、さらにうつ病や自律神経失調症などを発症する可能性もあるそうです。さまざまな体の不調を起こす姿勢の悪さ。日ごろから正しい姿勢を意識することが大切ですね。

過去のケガや病気が姿勢を悪くする?

普段の習慣だけではなく、意外なことが原因で姿勢を悪くしてしまうことがあるそうです。

2年前から左手のしびれに悩んできたBさんの例。

Bさんは当初、それほど気にならなかったしびれが、四六時中しびれているのが分かるようになって初めて、整形外科を受診。調べてもらうと…

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チョイス@病気になったときより

矢印のところの骨の一部がつぶれていました。この部分が手につながる神経を圧迫し、しびれを引き起こしていたことが分かったそうです。

このBさんのしびれの原因が、実は過去に受けた『お腹の手術』だったと言うのです。

 

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肩の痛みに半年間悩まされてきたCさんの例。

Cさんは毎日ジャケットを羽織る動作でさえ、痛みがひどくて一苦労だったと言います。
やがて、首から肩、そして腕まで全般的に痛みが走るようになり、ついに整形外科を受診。

診断の結果は『五十肩』

『五十肩』は肩の関節の炎症で痛みが起こる病気です。

Cさんの五十肩を引き起こしたのは、5年前の旅行中に起きた足の捻挫だったと言います。肩の痛みの原因が、足の捻挫だったと言う意外な結果に。

二人の痛みの原因は、悪い姿勢

BさんとCさんは、それぞれ痛みの原因が過去にあったことが分かりました。
さらに理学療法士による治療は、本来の痛みの原因がある場所に対して行われました。つまり痛みやしびれのある場所とは違う場所の筋肉を治療していったと言うのです。

Bさん=手のしびれ ⇒ 治療:お腹のマッサージ
Cさん=肩や腕の痛み ⇒ 治療:足首のマッサージ

では、ふたりの痛みやしびれの原因とは…

『筋膜』。

筋膜の引っ張り合いによって、体がゆがんで姿勢が悪くなる

筋膜とは全身の筋肉を覆っている膜です。この膜は筋肉の中にまで入り込んで、内臓や血管、神経など、体の中のあらゆる器官を包み込んで、それぞれがその場所にきちんと位置されるように支えています。そして筋肉をサポートする役割も持っているそうです。
このため、ケガや緊張などによって筋膜は短くなったり硬くもなったりして、体全体の構造に影響を及ぼすことがあると言われています。

Cさんの足の捻挫が五十肩につながった例が紹介されていました。

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チョイス@病気になったときより

捻挫をしたことで足首の筋膜に負担がかかり、そのままの状態で歩くと太ももの内側の筋膜までもが緊張することになるそうです。さらにここで引っ張られた筋膜が次第に緊張し硬くなると、最終的には姿勢が悪くなってしまいます。
すると体に凝りや痛みが出てくると言うことです。

この筋膜同士の引っ張り合いで生じた体のゆがみを解消するために、ふたりに行われた治療では、マッサージ以外に、筋膜の緊張をほぐす体操を取り入れたそうです。

筋膜のゆがみを直す体操

まずは自分が左右どちらに重心がかかっているのかチェックしてみます。

自分がどちら側に重心がかかっているかチェックする方法

カバンをたすきがけにしてみる
普段、どちらの肩からたすき掛けにしているかで重心がどちらにかかっているかがわかります。

右肩からのたすきがけ ⇒ 左側に重心がかかっている。
左肩からのたすきがけ ⇒ 右側に重心がかかっている。

赤ちゃんを抱っこしてみる
赤ちゃんがいる場合は赤ちゃんの頭部がどちらがわにくるように抱っこしているかで重心がわかります。

左手で赤ちゃんの頭部を支える抱き方 ⇒ 右側に重心がかかっている。
右手で赤ちゃんの頭部を支える抱き方 ⇒ 左側に重心がかかっている。

重心が左側にかかる人の場合

1. 左手を頭の後ろに。
2. 右手を背中の後ろに回して、時計回りに両手を押す。
※左側のわき腹が伸びるイメージ。

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チョイス@病気になったときより

3. さらに左足を右足の前に交差する
4. 体を右に倒す

※重心が右側にかかる人は逆になります。

このように悪い姿勢を治すためには、自分の重心がどちら側にかかっているかなど、生活習慣の中での癖を知ることがとても大事だと言うことです。

mametisiki

正しい姿勢を習慣づけるために、参考にしたい書籍をご紹介します。

「正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書」竹井仁(ナツメ社)

「人類史上、最もカンタンな“健康法”「機能姿勢」に気づく本 たった数ミリ動くだけで楽になり、見える世界が変わる!」池上悟朗(BABジャパン)

 

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まとめ

人が悪い姿勢になってしまうのは、その姿勢を続けることが、単純に「楽」だからだと言うことです。確かに日常生活の中では、前かがみの姿勢などは当たり前のようにやってしまっているかもしれませんね。それが体の様々な症状に原因になると言うことですから、たまには自分の姿勢をきちんと正しく治してあげることが大切ですね。大きな病気につながる前に、ちょっとした意識づけで姿勢を治して、健康な毎日を送りたいものです。

 


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