減塩!塩分摂取基準に対応する方法~ゲンキの時間より

先日の『ゲンキの時間』では、味を落とさずに、そして楽に減塩できる方法について特集していました。厚生労働省が示す1日の塩分摂取基準が2015年4月から変更になり、これまで男性が9グラム未満だったものが8グラム未満に、女性は7.5グラム未満だったものが7グラム未満へと、厳しくなったのだそうです。これに対応するためのさまざまなコツや工夫が伝えられていました。



減塩には塩の選び方も大事!

塩には大きく分けると取れる場所によって次の3つの種類があるそうです。

海水塩
日本で多く、にがり成分が多いので旨みが出やすく、味はまろやか

岩塩
海外の山中の岩塩層から取れる。ミネラル分が多い

湖塩
ウユニ塩湖(ボリビア)や死海などで取れる

減塩にいい塩として、沖縄県の「雪塩」が紹介されました。雪塩は普通の塩に比べナトリウム以外のミネラル分が多いので、ナトリウム値が相対的に低くなります。そのため減塩になるのだそうです。

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健康カプセル!ゲンキの時間より

ミネラルの一種であるカリウムは、体内の余分なナトリウム=塩分を外に出してくれる働きがあるので、さらに減塩効果が高まります。

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「雪塩」についてさらに調べてみました。こちらのサイト(http://www.yukisio.com/)の雪塩が、番組で紹介されたもののようです。サンゴが隆起してできたと言われる沖縄県の宮古島で作られています。不純物がなく、サンゴのカルシウムが溶け出して豊富なのが特徴だと説明されています。
雪塩が販売されている全国のお店の一覧はこちら(http://www.yukisio.com/shops.html)です。一部イオン等でも扱いがあるようなので、意外と入手しやすいかも知れません。通信販売も行っているので、お店が近くにないけど気になるという方は、取り寄せられてはいかがでしょうか?


なぜ塩は体に悪いのか?

塩を摂り過ぎると高血圧になります。
塩は体液の浸透圧を維持したり、神経の刺激伝達、そして筋肉の伸縮や栄養吸収など幅広い役割をする、体には不可欠なものです。しかし1日に必要な塩はわずか3グラムなのだそうです。
塩分を摂りすぎると、浸透圧の働きで血管の中に水が引き寄せられ、血液が増えます。血液が増えると血管の壁に圧力がかかり、高血圧になるのです。

東京女子医科大学東医療センター内科の渡辺尚彦教授は、
「血管の壁に負担がかかることがずっと続くと、血管がボロボロになり弱くなる。そこにコレステロールなどが沈着して血管が狭くなり、動脈硬化をもたらす」
と、過剰な塩分が血管にもたらす害を説明します。塩分は高血圧から動脈硬化、さらに心筋梗塞や脳梗塞まで引き起こすのです!

 

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「隠れ塩分」とは?

では、どのように塩分を減らせばいいのでしょうか?
こちらの朝定食の塩分量は7.2グラムと、これ1食で女性の1日分の塩分摂取基準量を超えてしまいます。

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健康カプセル!ゲンキの時間より

味噌汁の塩分も多いですが、ハムやかまぼこといった「加工食品」の塩分が思いのほか多く、「隠れ塩分」と呼ばれているそうです。日本人は、塩分の4割を加工食品から摂っているとのことで、要注意ですね!

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健康カプセル!ゲンキの時間より

特に、加工食品にさらに調味料をつけて食べる「ダブル塩分」で塩の摂取量は増えるのです。
自分たちが日々どれぐらいの塩分を摂っているのかを知る簡単な方法について、渡辺教授が解説していました。

「外食がおいしいと感じる人は1日14グラム、外食がしょっぱいと感じる人は7グラムぐらいを摂取している」

とのことです。



塩分摂取と健康の関係

35歳の男性の例ですが、1日に14グラムの塩分を65歳まで摂り続けると、なんと153kgの塩分を摂ることになり、血圧は144mmHgという異常値になると予想されるそうです。
もし1日8グラムに抑えれば、65歳までの塩分摂取量は88kgで、血圧は134mmHgと正常値の範囲に収まります。
144と134で、数値は10しか違わないと感じられますが、渡辺教授は、

「血圧10mmHgの違いで、脳卒中のリスクは男性で20%、女性で15%高まる。狭心症や心筋梗塞の危険性も15%増すので、血圧10mmHgの違いが長年に渡って続くと、心臓や脳に影響が出てよくない」

と解説します。さらに塩分の摂りすぎで胃の粘膜が傷ついて発がん性物質の影響を受けやすくなり、胃がんになるリスクも高まるそうです。また脳血管に動脈硬化が起こると認知症にもなるのだとか!
塩分の摂りすぎは良いことがありません。

おいしく賢く減塩するには

<一口目だけ味を濃くする>
ミシュランにも掲載された焼き鳥店では、うすい塩加減にこだわっているそうです。こだわりの塩をふるいにかけ、粒の大きな塩と小さな塩の2つに分け、使い分けをするのです。肉になじみやすい細かい塩は鍋で炒り、下味として焼く直前にふり、粒の大きい塩はアクセントとして仕上げにふります。
普通の焼き鳥屋より塩がうすいため、もっとしょっぱくしてほしいと要望されることもあり、そのときは全体的に塩を濃くするのではなく、先端だけ濃くするそうです。一口目だけ少し濃くしてあるとお客さんは満足するそうで、私たちの普段の食事でも一口目だけ味を濃くするなど、取り入れたいテクニックですね!

この現象について慶應義塾大学の鈴木 隆一共同研究員は、

「欲求の強さで味の感じ方が変わる。どこか一部分で塩味を感じることができれば、その刺激が残って欲求は抑えられるので、物足りなさを感じなくて済む」

と解説します。

「減塩水」で賢く

料理家で栄養士の小田真規子氏は、「減塩水」を調理に用いることで塩分を減らす方法を提唱しています。塩分濃度12%の食塩水は、15%のしょうゆや13%の味噌に比べて圧倒的に塩味が濃いと感じるのだそうです。しょうゆや味噌は、旨みや香り、甘味、酸味があるため塩味を感じにくいのがその理由です。

豚汁で塩分を減らそうとすると、味が薄くなりがちですが、「減塩水」を使って塩分が半分以下になる豚汁のレシピが紹介されました。普通の豚汁の塩分が3.2グラムなのに対し、減塩水を使うとわずか1.2グラムです!
まず水300mlに6グラムの塩で「2%の減塩水」を作っておきます。
材料は次のとおりです。

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健康カプセル!ゲンキの時間より

ごま油で具をよく炒めたら、2%の減塩水を大さじ3入れ、水分が飛ぶまでさらによく炒めます。水をしっかりと蒸発させることで、具に塩が定着するのです。こうすることで、水分全体を塩で濃く味付けなくても、十分に塩味を感じることができるという仕組みです。
後は400mlの水で味噌小さじ2を溶いて加えると出来上がり。七味唐辛子や万能ネギを加えることで味のアクセントにします。



まとめ

改めて塩の摂りすぎが体に及ぼす悪影響の恐ろしさについて考えさせられました。しかし、ナトリウム分の少ない塩を選んだり、加工食品を食べる量をコントロールしたり、または一口目だけ味付けを濃くして満足感を得るとか、「減塩水」を使って減塩する調理法など、簡単でしかも味は落とさないようにできる工夫もたくさんあることがわかりました。自分の食生活に取り入れられそうなものから積極的に取り入れて、減塩を心がけたいですね!


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